こんにちは!
表題の「捨てる勇気」という言葉。
これは前にてんぷら近藤さんの近藤店主とお話をした時の言葉です。
その時は近藤店主の目の前で食事させていただき近藤店主の動きを間近で拝見しながら食事するという、素敵な貴重な時間を過ごした時に見た光景でした。
天ぷら衣を作って数回(2.3回…)使ったら、次はそれを使わず新しい天ぷら衣で揚げ始めるのを見て、うわぁもう変えるんだ‼️と驚きながら食べた記憶が…
食べ終えた後近藤店主とお話しした時に、あの段階で天ぷら衣変えるんですねとお伺いしたら。
近藤さんに食事に来るお客様は、最高の天ぷらを求めてご来店されると…
そこであの天ぷら衣を使うことはお客様の期待を裏切ると…
「捨てる勇気も必要なんだよ」と…
近藤さんの当たり前のレベルの高さにただただ勉強になるばかりでした…
饗くろ㐂の塩そばは鶏をメインにした一杯で、チャーシューも、丹波黒どりのもも肉とむね肉を使っています。
毎朝、毎夕、昼営業、夜営業前に1羽を捌いて鶏チャーシューをつくります。
もも肉は塩のみの味付けでフライパンで皮面を焼き狐色になったらフライパンを水につけ、フライパンの温度を下げてからひっくり返し身側を焼き、しっとり香ばしく仕上げています。
焼き上げたもも肉は提供前に切り分けるのですが、その時、この部分があるとせっかくしっとり香ばしく焼き上げたのに、硬さが残る部分が2箇所あるんです。
まず1箇所はくるぶしに当たるところです。
ここは足の指を動かすために筋が沢山ありその筋が焼くことで硬くなるんです。
饗くろ㐂ではこの2箇所を切り落としてから、らーめんの具材として使っています。
この2箇所の少しだけの部分を何もしないまま使って、あれ?少し硬いな?と思ってもらうのか、この2箇所の少しだけの部分を切り落とし、香ばしくジューシーな美味しい鶏だなと思っていただくのか…
ラーメンは提供価格が安く一杯の売価で商売しているので流石に捨てるわけにはいかなく…
細かく切って地鶏めしに混ぜて使っています。
食材の生産者様の想いを汲み取り、くろ㐂のフィルターを通して、美味しい一杯のらーめんを作る。
美味しくするも、不味くするも、料理人の想い、一手間が左右するのだと店では教えています。
だから料理は面白いんですけどね…