昨今、不妊治療に鍼灸を取り入れると妊娠率が向上するとして注目されています。
メディアで取り上げられるような全国的に有名な生殖医療クリニックの中にも鍼灸ブースを設けている施設が存在します。
具体的になぜ不妊治療に鍼灸を取り入れると良いのでしょうか?
当院の場合は主に大きく2つの目的で行っています(女性に場合)。
①卵の質の向上
②妊娠初期における着床の補助と妊娠の維持
卵子は、卵巣から排卵された後に卵管の端で受精。受精卵となった後は分化し最終的に胚盤胞という状態にまで成長して着床に至ります。
単細胞である卵子が約100個の細胞からなる胚盤胞に成長しつつ卵管の端から子宮まで移動するという一連のプロセスには膨大なエネルギーが必要です。
しかし、受精卵は受精→分化→着床という大仕事を行う際に外部から栄養供給を受けません。すなわち、卵が最初から持たされているエネルギーのみで成長しつつ子宮にたどり着かなければならないのです。
故に、卵子には排卵するまでにより高いポテンシャルを持たせる必要があります。鍼灸はそのサポートが可能となります。
鍼灸による特定のツボ刺激は、卵巣や子宮の局所血流を改善することが分かっています。栄養は血液にのって運ばれるので、局所の血流改善は成長途中の卵により多くの栄養を与えることが可能になるのです。そして、結果として卵子の質が向上します。
卵子の質の向上は当然、体外受精にも有効です。これは自然妊娠も体外受精も基本的には身体の中と外の違いがあるだけで、基本的なプロセスは同じだからです。
妊娠率をさげる大きな要因の一つに卵子の老化があります。これは大変シビアな現実ですが、事実です。
人間は生まれた時点で卵子の数は減り始め新しくつくられる事はないとされています。そして加齢とともに質が低下し染色体異常も増えます。なので年齢に比例して妊娠率は顕著に下がります。
鍼灸はそんな加齢による卵質の低下を食い止めるための方法の一つであると考えます。
当院では、鍼灸とスーパーライザーとの併用を行っています。スーパーライザーは生殖医療機関でも使われている信頼性の高い機械です。
スーパーライザーの光は血流を改善し、細胞を活性化する作用があります。生体深達度が高いといって、身体の奥に届く特殊な光であることから深部の臓器である子宮や卵巣にダイレクトに働きかけることができる優秀な光線治療器です。
鍼灸との相性がよく併用することで相乗効果が期待できます。
鍼灸とスーパーライザーの二段構えで卵子の質を上げていくのです。
つづく