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還暦ジジイがハープとは!

大変難易度が高く、注目度は低いです。

一体ジジイは何を考えてるのか?

受験時期になるといつも思う事があります。

今日は思い切ってそれを独言しちゃいます。

ちょっと我田引水自画自賛になるので、つまらないと思う方はスルーしちゃって下さい。




私は66年の人生で「これだけは勉強した」と胸を張って言えるものが二つあります。


一つは数学、もう一つはドイツ語です。

特にドイツ語は、15年間ありったけの情熱と心血を注ぎましたが、今回はそっちではなく数学の話です。

なお、私は技術者ではなく文系事務屋ですので誤解なきよう。


以下、少々長くなりますが、数学が苦手なお子様がいらっしゃる方には少しヒントになるところがあるかもしれません。




【劣等生だった高校時代】


私は中高一貫の私立学校に中学受験で入りました。校風は自由で、6年間伸び伸び通ったと思います。

しかし余りにも伸び伸びし過ぎて、高校1年の時の成績は殆どドンべ。1クラス50人弱の中で46,7番目まで落ち込みました。でも遊ぶ事に夢中で余り成績のことは気にしてませんでした。


高校1年のある日、数学の時間に先生から、教科書の問題を黒板に出て解いてみろと言われてもさっぱり分からず、クラスの皆んなから笑われながらスゴスゴと退散。


皆んなから嘲笑されたのは堪えました。悔しかったです。

さすがにこれはまずいと思いました。その頃英語がなんとか平均点。それ以外は全くダメでした。さて何から手をつけるかと悩みましたが、やはり嘲笑された数学の悔しさが頭から離れません。今でもその時の光景をありありと覚えているほどです。

くそ今に見ておくれと、数学を初歩から学び直すことに決めました。

翌日から昼休みに図書館の自習室に籠って初歩の数学参考書に取り組み始めました。


最初は中学数学からやり直した方が良いのではとも思いましたが、手にした参考書が超初心者向けの高校参考書と謳ってあったので、それをやってみることにしました。


毎日毎日、簡単な自習用参考書をコツコツと。

そのうち昼休みだけじゃ足らず放課後も図書館に籠るようになりました。初心者向けの参考書だったので、1人で学び進めることが出来たのです。


その初歩の参考書を1冊やり終えた時、次に行かず、もう一度最初からその参考書をやり直しました。つまり同じ本(問題)を2度読んだ(解いた)わけです。


で、私の場合これが良かった!

同じ問題を解き直すことで、基本の理解がより深まったと思います。解けるようになると数学に対する苦手意識が払拭されたと同時に、その参考書がなんとも愛おしいような気持ちになったものです。


これをきっかけとして、次々に他の数学の参考書や問題集に手をつけ始めました。但し一通り終わっても、必ず2回以上繰り返してから別の問題集に進むと自分でルールを決めてました。




【数学が面白くなった受験時代】


結果が出始めたのは高校2年の秋頃でしょうか。ある日友達から「お前、こないだの◯◯ゼミ模試で名前が出てたぞ」と言われ、そうか、やっとここまで来たかと嬉しかったものです。


その頃にはもう数学にドップリとのめり込んでいました。勉強部屋は2階でしたが、受験勉強に飽きたら、1階に降りて休憩用の数学を解く。風呂に入る時には、分からない問題をメモにしてラップに包んで濡れないようにして湯船で考える。夜寝る時には枕元に天井から別の問題がぶら下がってる。そんな具合でした。解けない問題をとことん考えるのが楽しかったのです。


で、最終的にどれほど出来るようになったかといえば、忘れもしない高校3年の1月15日(昔はこの日が成人の日だった)に行われた受験直前全国統一模試で見事1番(数学のみ)でしたが、実は余り嬉しくはありませんでした。所詮模試は模試。目前に迫った本番で成果を出さなければ意味ないわけです。


結果的には数学のお陰で志望校になんとか合格する事ができました。



でも数学の恩恵は、実はそれだけではなかったのです。



【数学に助けられた社会人時代】


大学に入ると、それまで受験で抑制していたギターに集中するようになり、あんなに好きだった数学は一顧だにしなくなりました。

数学とは全く縁のない4年間を過ごして、無事に卒業しました。


ところが……


・会社の入社試験には数学が出た。

・無事入社して、その後の海外留学試験にも数学が。

・更には管理職登用試験にも数学が。


ウチの会社はよほど数学が好きなのか、ここぞと言う場面で数学の問題が登場してくるのです。


冒頭ドイツ語のことを書きましたが、それも留学試験に数学が出たお陰で受かったればこその話です。


管理職登用試験の面接では、面接官たる上司から「数学がお出来になるのですね。99.5点でしたよ」と言われ、0.5点足らないのは何故だと逆に質問した程、数学には絶対の自信がありました。

その時既に受験から22年程経っていたのですが、数学の感覚は鈍らなかったものとみえます。


……いや、それは嘘だな。40歳のオッサンだから数学の感覚は確実に衰えていた筈ですが、偶々解ける問題が出た、ということでしょう。


とは言っても所詮は文系の数学です。数学が苦手だから文系に進む人が多い中で、私はそれを逆手に取ったわけです。




【素数】


そんな私が昔から数学で1番関心を持ってるのは、無限に続く素数の並びです。


素数に円周率や自然対数が関係してるとは、数字とは神が作り出したものなのか……


私の数学の実力では素数の謎解きにはとても歯が立ちませんが、それでも素数の魅力や不思議さを理解することは出来ます。


特に歳を取ってからは、「無限」に対する畏敬というか憧れというか、そんなものを感じるようになりました。自分の時間が有限であることが実感できるからなのでしょう。


100年後には素数の謎がどこまで解明されているのか、それに立ち会えないのが残念でなりません。