いよいよオーディション当日。
夜行バスで行く時間がもったいなかったので、
結局新幹線で当日東京へ向かうようにした。
16:00頃に京都を発ち、18:00頃に東京へ着く。
出発までの時間、移動時間中にも台本に触れる時間が作れるように、痛い出費も致し方なしと判断した。
朝は通常営業として、娘を保育園へ送る。
「帰りはNANA(我が家での母の呼称)が迎えにくるからね」
闘いに向かう父の心情など知る訳もなく、「ヤッター!」と喜んでいる娘。
何日会えなくなるのかはわからないが、しばしの別れに一抹の寂しさを覚える父。
家に戻り、出発の準備。
その前に、少しの間家を任せることになる妻の負担が減るように、家中に掃除機をかけ、洗い物を片付ける。
今回のオーディションは役柄未定(あえて希望もしなかった)なので、
特に髪型等にもこだわらず、ありのままの自分を見てもらうことを優先した。
かといって「刑事・暴力団・チンピラ」などといった役柄に入るにはテンションが大切なので、
スカジャン、ジャケットくらいは持参する。
それに、台本上の動きが関係する「小道具(持道具)」は準備が必要。
最低限として、「刑事の手袋、手帳、タバコ、ライター、マッチ箱」くらいは準備していく。
現時点で無いものは、オーディション時間までにどこかで買っていけばいい。
家を出て、京都駅へ向かう。
予約していた新幹線にもスムーズに乗れ、東京へと想いを馳せる。
最近お気に入りの「Starting Now 〜新しい私へ〜」を聴きながら。
ディズニープリンセスが立ち向かう様を歌った曲。
EDM風の気持ちいい重低音に、まるで自分がディズニープリンセスとして戦いに挑むかのような気持ちになり高揚する。
それと最近耳にして聴き出した「ビリミリオン」。
今の人生にはそれぞれの価値があって、人と比べるものではない。
人生を選択できる喜び、好きな人を見つける喜び、挑戦できる喜びを歌った曲。
明るい曲調で前向きになれる。
改めて聴いてみると、二曲には似通った点があった。
「ワタシの未来は、ワタシが決めるの」
「ボクが生きる理由は、ボクが決めるから」
生きるにおいて、すべては自分が決める。
環境、状況、境遇のせいにしない。
支えてくれる家族がいても、
向く先が同じ仲間がいても、
自分の人生は自分で決める。
つづく