10月27日(土)、佐藤達哉クァルテットのネフェルライブがおこなわれた。
心配された雨も午後にはすっかり上がり気持ちいい秋晴れとなり、今回も多くのリスナーが佐藤達哉クァルテットを聴きたくてネフェルに集まった。
このクァルテットを一言でいうと、ハイレベル!!!、ってとこかなア・・・。
ひとりひとりのミュジシャンのレベルが高いから、四人になると、レベルが更にグレードアップする。
佐藤達哉さんは、テナーサックスの音量がとてもでっかく、とそこまでは結構他にもいるのだが、妥協を許さず常に上質を求めていく職人肌とでもいうのだろうか、その結果半端ないテクニックの上に、実にクリアーで誤魔化しがない磨き抜かれた一音一音がそこにあり、凄いなあと思ってしまう。
また、J・コルトレーン、S・ロリンズ、W・ショーター・・・と黒人サウンドだけじゃあなく、レニー・トリスターノ楽派のウォーン・マーシュやリー・コニッツ等の白人的なクールな音色も持ち合わせているのだから、凄いなあと思ってしまう。
常連のあるお客さんは、「和製ブレッカー!」と呼んでいた。うんうん、たしかに・・・。
佐藤達哉さんは、魅力的な作曲も数多くされる。
今回もハートに沁みるバラッド、そして心ウキウキするスウィンギ~なオリジナル曲を演奏した。
早川由紀子さんのピアノも、ハイレベルだ!
彼女も同じくアップテンポの曲、そしてスローバラッドの魅力的なオリジナル曲が数多くある。
美しいメロディーの幻想的な曲では穏やかな陰影があり、徐々に曲が盛り上がっていくと、はじめ揺蕩うような揚子江(見たことはないが)の流れのようなピアノプレイが激流に変わっていく様が何とも言えずハラハラドキドキ状態になる。
頂点に達した時には、なたを振り下ろすような恰好で金槌奏法(?)になり、こちらの血圧まで上がりそうになる。
身体全体でピアノを弾くのでストライプ模様の衣装がスウィングし、ゆれる~、揺れる~、ユレル~~~~!
演奏後、彼女と話したのだが、ECMレーベルののMarcin WsilewskiやTord Gustavsenのピアノトリオが大好きだとのこと!
ぼくも今ECMのこのピアノトリオにハマっているのでなんだか急に親しみが増し、超嬉しかった。
早川哲也さんのベースも、ハイレベルで堅実だ!
佐藤達哉さんと早川由紀子さんのオリジナル曲中心の今回のライブだが、曲想も演奏もかなり難しそうな曲が多いにもかかわらず、曲の土台ともいえる低音部分をしっかりと支えている。
一人目立とうとせず、協調性のある性格(だと思う)ゆえに他の演奏者は安心してメロディーを奏で、そしてアドリブ展開をおこなうことができるのだろうなあ・・・。
ミュジシャンから信頼されているミュジシャンじゃあないかなあと思う。
そして、吉良創太さんのドラミング。
彼は、やっぱすごい。
彼のドラミングを聴いていたら、ジャズにおけるビートが如何に大事か、がよくわかる。
ジャズの心臓部分かもしれないなあ、ドラムは・・・。
曲に合わせて、タムやスネアー中心に演奏したり、バスドラやシンバル中心に演奏したりと、彼の創り出すリズムが曲のイメージときっちり合致しているから見事だ。
また、それぞれの打楽器の音程の違いを瞬時に判断して理に叶った打楽器メロディーを紡ぎ出す。
エンディングは、佐藤達哉さんもオリジナル曲『アザーハンド』
踊りだしたくなるようなカリプソ的なとても明るい曲で、お客さんも一緒に身体を揺すったり、足でリズムをとったりしていた。
佐藤達哉さんは、
「素晴らしいお店と素晴らしいお客さんの前で演奏できたことをとても嬉しく思います」
と鳴り止まぬ拍手のもとマイクで仰り、そしてアンコール曲として『There is No Greater Love』を斬新なアレンジで熱く演奏した。
お客さんはみんな満足げな表情だった!
最後に、ミュジシャンと一緒に記念撮影、パチリ!