第二の人生のススメ9 | お気楽ごくらく日記

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白泉社の花とゆめ誌上において連載されている『スキップ・ビート』にハマったアラフォー女が、思いつくままに駄文を書き綴っています。

        

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「・・・・・・・・」

 

蓮は松太郎からの返答を求めていなかった.。そして新たな人物たちを呼び寄せた。

 

「まぁ、いいでしょう。もうお二方、この件に関しての証人がいらしてますので、お二方から聞きましょう。どうぞお入りください。」

 

蓮とキョーコが待機していたと思われる部屋から二人の女性が現れた。松太郎は彼女たちを見て、「げっ!」と心底嫌そうな顔をした。

現れたのはキョーコの親友の琴南奏江と天宮千織である。

2人とも毒舌で、殊、松太郎や祥子に対しては歯に衣着せぬ物言いをするために、松太郎は二人が大の苦手である。

 

「琴南さん、天宮さん、お忙しい中、ご足労頂き誠にありがとうございます。」

 

蓮が奏江と千織に向かって深々と頭を下げると、二人は頭を横に振った。

 

「いえいえ。私たちの大切な親友の一大事ですもの。そのキョーコのために役立てることがあれば何なりと。」

 

奏江がそう言うと、隣で千織も頷いた。

 

「さて、この件に関してお二人はとても重要な証拠を提出して下さいました。まずは、こちらをお聞きください。」

 

《くすくす。ねぇ。今の女の顔、見た?》

《見た見た。祥子先輩の彼氏のス×ーカーをしてたくせにね。》

《そういう女に限って、図々しく被害者面すんのよね。》

《しかもあのドレス!!手縫いって、どんだけイタイ女なのよ。》

《祥子先輩が言った通りに一応、式の体裁を整えてやったのに、2人しか招待客がないって救いようがないわよね。普通ならせめて親や親戚ぐらいは来そうものなのに、誰も来なかったじゃない?女二人が来てたけど、あれだって、あの女の友達かどうかも怪しいもんだわ。世の中には金さえ積めばサクラ位してくれる人間なんてゴマンと居るんだから。》

 

そこで蓮は止めた。

 

「これをトイレで聞いた時の私の気持ちが分かって?」

 

千織の言葉を受けて、後を奏江が引き取った。

 

「さっきからのあんたたちの言葉といい、これといい、完全にあんたたちをしょっ引きたい気分だわ!!」

 

「はん!!出来るもんならやってみろ!」

 

奏江の言葉に逆切れした松太郎が吼えると、奏江はこれ以上ない位穏やかな声で告げた。

 

「そう。あんた、私たちの職業を忘れてるかもしれないからもう一度言ってあげる。私、検察官。そして、こちら警察官。しかも所謂キャリア組と言われる人間なの。つまり、どう言う事か分かるわよね?」

 

その言葉に、さすがの松太郎も真っ青になった。

 

「キャリア組の警察官?嘘だろ?だって、お前、そこの派出所に勤務・・・・」

 

「まぁ、世間的にはあまり知られていないから、あんたが知らなくても当然だけど、キャリアでも下積みはさせられるの。派出所勤務もその一環よ。」

 

千織がそう言うと、松太郎と祥子の顔色はみるみる間に青色から白色へと変わった。

 

「けど、しょっ引くって何の罪で!!」それでも祥子が抗議の声を上げると、

 

「あら?それはあなた達の方がよく分かってるんじゃないの?」

 

「そうそう。不破松太郎さん。あなた、キョーコさんと本当に結婚する意志があるの?」

 

2人には嘘は通用しない事が松太郎は学生時代からよく知っていた。

 

「・・・・・するつもりなんかねぇよ。こんな地味で色気もへったくれも無い女なんかとよ。オヤジとオフクロがうるせぇから、ほとぼりが冷めるまで逃げる気でいたのに」

 

最後まで松太郎は言わせてもらえなかった。鬼のような形相の父親に吹っ飛ばされたのだ。

 

「だったら、どうして最初からそう言ってくれないの?」

 

キョーコの声を無視して、松太郎は祥子に、「これ以上話す事ないから、もう帰ろうぜ。」と声を掛けた。

 

「お聞きの通りです。」

 

松太郎と祥子が逃げようとするより早く、蓮が隣の部屋に声を掛けると、数人の制服を着た警官と私服の刑事が入って来たのを見て、2人は観念したのだった。

 

《つづく》

 

巡査だけじゃなく、警官も派出所勤務があると言うのは本当らしいです。

以前、家に泥棒が入られた時に来た刑事さんが教えてくれました。

刑事物の映画やドラマが好きで~、と話したら、差し障りのない範囲内でちょろっと教えてくれました。

惜しむらくは、現場検証を見せてくれなかった事です。うむ。非常に残念でした。見たかった。