ウィトゲンシュタインさんの
論理哲学論考のご紹介〜その9 

 ウィトゲンシュタインさん(略して 
ウィトゲンさんと書いてます)の哲学とか
生涯とかの紹介を書いてますが

ダラダラしたブログですが
よろしければ読んでみてください🙏

論理哲学論考について

🟦読むに読めない論考

論理哲学論考(略して論考
書いてます)は、
1918年に執筆されたウィトゲンさんの
有名な哲学本で

ラッセル先生のおかげで1921年に出版された
名著なんだけど

なんだかよくわからない難しい本
とゆーことでも有名なんだけれども


ウィトゲンさんが生前に出した本は
論考だけなので、キチンと書いた本が
とても少ないヒトだし

しかも論考の文字数はひどく少ない!


文字数は少ないんだけど
悲しいコトに書いてる意味が
なんだかわからない


当時の(今もかな?)哲学の世界観を
大きく変えた本だともいわれてるから
スゲー本なのは間違いないんだけど

とても読みにくいのと、
古くから専門家の間でも解釈の仕方で
意見が分かれるよーな始末なのだ


だけどもウィトゲンさん以降、
コトバを哲学的に
あるいは、論理学的に考えるのが
大きなテーマになったとかいわれてるみたい


言語哲学といえば、
ソシュールもちょこっとだけ早く
世に出てるし、スゴイ人だけど、

ソシュールに至っては生前に本すら出して
ないと、読書会のS川先生から聞いたことが
あるな


その後の影響という意味では
ウィトゲンさんはすごかったのでした



🟦論考でコトバの限界を明らかにした

ウィトゲンさんは、
哲学でできるコト確定させた
と一般的にいわれてるみたい


その哲学でできるコトというのは

A
「コトバで解けるコトを
 コトバで明確にするコト」
 だという

そんでもって
神サマとか、タマシイとか、真の芸術
とかいうよーな

Z
コトバではその本質を
完全に表現できないモノは、
哲学では扱うべきじゃない」


Y
線を引くよーなコト
も言った


ウィトゲンさんが論考で打ち出した
線引き以前の哲学は、
Zのあたりも扱っていたけど

コトバで表現できないZのあたりを、
コトバでもて遊ぶのはどーなの?
という疑問をウィトゲンさんは持ったのだ

なので、
哲学の解くべき問題と解き方を明確にする
ために、
言葉の本質と限界を解明
しようとしたのだとかいわれてる



🟦論考は序文が大事!?

論考の序文でウィトゲンさんが

「およそ語りうることに
ついては明晰に語りうる、

そして、論じえぬものに
ついては沈黙しなければ
ならない」

と書いてるのが、
その辺のコトを表してるらしいけど

以下のよーな考え方をするみたいです



🟥1
まずはコトバでは表現できないコト(Z)
コトバで表現できるコト(A)
との間に
限界線を引いてみる(Y)

🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸
□図1
Z   コトバで表現できない
Y  🖍 限界線を引く   
A   コトバで表現できる
🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸


🟥2
次に限界線(Y)を引くために、
コトバで表現可能かどうかを
検証してみる

🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸
□図2
Z   コトバで表現できない

Y  🖍 限界線を引く   

□コトバで表現可能か検証する
A   コトバで表現できる
🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸


🟥3
そして、コトバの
記述の限界内の範囲では
コトバで世界(コトバに対応できる範囲)
完全に記述されるコト
明確にしたという

🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸
□図3
Z   コトバで表現できない

Y  🖍 限界線を引く   

□世界
:コトバに対応できる範囲
□コトバで表現可能か検証する
□コトバ:世界を記述する
A   コトバで表現できる
🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸


🟥4
つまり、明晰に言えることは言えるけど
語れないコトは沈黙しなきゃいけないよね
と、なんだか当たり前にも聞こえるコトを
しかめっ面で言ったりしてるのだ

🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸
□図4
Z   コトバで表現できない:沈黙すべし
 
Y  🖍 限界線を引く   

□世界:コトバに対応できる範囲
□コトバで表現可能か検証する
□コトバ:世界を記述する
A   コトバで表現できる:明晰に言える
🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸


🟥5
ウィトゲンさんは
思考の限界ってなに?
考えたヒトとか言われてるし

思考の限界が解明できれば
A・無理なく想像するコトができるコト
Z・想像するコトができないコトを
区別することができるともいう

そしてAは哲学で語れるけど
Zは語れないコトがわかるよね?
ウィトゲンさんはいう

🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸
□図5
Z   コトバで表現できない:沈黙すべし:想像できない:哲学で語れない
 
Y  🖍 限界線を引く:思考の限界

□世界:コトバに対応できる範囲
□コトバで表現可能か検証する
□コトバ:世界を記述する
A   コトバで表現できる:明晰に言える:無理なく想像できる:哲学で語れる
🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸



🟦二つの部分でできてる論考

🟥6
そんでもってこの著作は
二つの部分から出来ていると
ウィトゲンさんは言うんだけど

ひとつは
論考で書いたもので(Y未満)

もうひとつは論考で書かなかったモノの
すべてであり(Z)

そして、この書かなかったモノ(Z)が重要である
とウィトゲンさんは言ってるし
(後述のウィーン学団はZを否定する)

真善美といったモノを論考で限界づけたし

この限界線(Y)が、哲学の口害を
沈黙させたとウィトゲンさんは主張している



🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸
□図6
Z   コトバで表現できない:沈黙すべし:想像できない:哲学で語れない:論考で書かなかったモノの全て:真善美

Y  🖍 限界線を引く:思考の限界:哲学の口害を沈黙させる

□世界:コトバに対応できる範囲
□コトバで表現可能か検証する
□コトバ:世界を記述する
A   コトバで表現できる:明晰に言える:無理なく想像できる:哲学で語れる:論考で書いたモノ
🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸


🟥7
ウィトゲンさんいわく

「論考の序文と7章が論考の
論点を直截に表現しているから、
ここを読めば論考でいわんとする
ほぼ全てのことがわかる」

とかいっとるけど、

これは、ウィトゲンさんが
Z領域の優位性とか神秘性を
重んじてるコト
Y未満の思考の限界線を
確定させた
という宣言みたいなものでもあった


🟦ウィーン学団の広告塔に使われたウィトゲンさん

🟥8
しかし、
論考で思考の限界線を確定させた理由に
ついては、なんだかウィーン学団により
曲解されて広告塔的に使われて

伝統的な形而上学を批判するために
限界線を引いた

とか言われるコトがある

しかし、ウィトゲンさんが線引きしたのは
そーゆー理由じゃなくて、あくまでも
Z領域に対する崇敬からくる
モノだった


論考が世の中に出るまでは、
伝統的な形而上学で扱ってたのは、

感覚とか経験を超えた世界を真実在として
世界の根本的な成り立ちの理由とか
物や人間の存在理由や意味とか

思考や感覚を超絶したものについて考えて
その世界の普遍的な原理とかを
理性で認識しよーとしたんだけど

こーゆーのはナンセンスと切り捨てたとか
ウィーン学団では宣伝したけど、実際は
ウィトゲンさんは崇敬してたのだ

🟥9
ウィトゲンさんとしては、

「論考で解き明かした思想が真理である」

といいきっており、
その自信とか、哲学観がウィーン学団に強い
影響を与えたんだけど

そのウィーン学団というのは、
1920年代に科学的に世界を把握しようと
提唱した「論理実証主義」の国際的哲学運動
のコトで

ウィーン大学の哲学教授シュリックを中心に
形成された、自然科学者や哲学者の研究
グループで


科学によって経験的に分析された命題を
論理的に解明して実証するコトを目指した
グループなのだ

論理実証主義という名称は、科学を統一する
ための方法を、記号論理学に求めたから
着いた名称なんだけど

論理実証主義では、科学的に世界を把握
しようとするから、
検証不可能な形而上学は捨て去るべき
学問であるとした

これは、上述のとおり、ウィトゲンさんが
考えた、論考の線引きの仕組みとは異なる
考え方だったんだけど

なんだかウィトゲンさんもそーゆー考えで
あったとか、誤った方法でウィーン学団の
人から広告塔に使われたりもした


🟦 論考の大まかなカタチ

🟥10
読んでもよくわからない
論考の大まかなカタチ
についてザックリ書くと🔪
以下のとーりだと思うので
メンドーでなければ読んでみてください


日常つかってるコトバは
 複雑で混乱している

⑵ なので書き表される世界も
 必然的に複雑で入り組んだ
 モノになってしまう

⑶ なので、この入り組んだ構造を
 うまく整理すれば、
 書き表される世界とコトバが
 スッキリするんじゃないの?
 と考える

🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸
□図10
Z   コトバで表現できない:沈黙すべし:想像できない:哲学で語れない:論考で書かなかったモノの全て:真善美:この領域が大事!

Y  🖍 限界線を引く:思考の限界:哲学の口害を沈黙させる:形而上学の批判

□世界(限界線内):コトバに対応できる範囲:入り組んでて複雑

□コトバで表現可能か検証する:
⇅ コトバと世界を整理すればスッキリする

□コトバ:世界を記述する:複雑で混乱してるコトバ
A   コトバで表現できる:明晰に言える:無理なく想像できる:哲学で語れる:論考で書いたモノ
🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸


🟥11
ウィトゲンさんは、
その整理方法を以下のよーに考えてみた

⑴ コトバを要素命題(H)という 
それ以上分割することのできない 
最小単位にしてみる

⑵ そして小さな要素命題と対応する範囲で
世界も分析によってそれ以上分割できない
原子的な事実(I)へと
たどりつくことができるよという

⑶ そして、ウィトゲンさんは
要素命題原子的な事実
そのまま写真のよーに
写し撮ってる(Ω)
という言い方をしている

⑷ そして、
事実と正確に対応している
命題がコトバで意味を持つ
コトができる命題だ
とウィトゲンさんはいう

⑸ その意味をもつ命題を拾って
整理して行けば、
入り組んだり、複雑になったりしてる、
コトバと世界の関係が整理
できるよとウィトゲンさんは言う

🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸
□図11
Z   コトバで表現できない:沈黙すべし:想像できない:哲学で語れない:論考で書かなかったモノの全て:真善美:この領域が大事!

Y  🖍 限界線を引く:思考の限界:哲学の口害を沈黙させる:形而上学の批判

□世界(限界線内):コトバに対応できる範囲:
⬇️入り組んでて複雑
⬇️分析により最小単位を確定
⬇️I 原子的事実

Ω  写し撮る📷
意味を持つモノを整理して
IとHを把握する
□コトバで表現可能か検証する:
⇅ コトバと世界を整理すればスッキリする

⬆️H 要素命題
⬆️意味を持つことのできる最小単位
⬆️分割できない最小単位のコトバを確定
⬆️ 入り組んでて複雑
□コトバ:世界を記述する
A   コトバで表現できる:明晰に言える:無理なく想像できる:哲学で語れる:論考で書いたモノ
🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸 🌸


🟥12
以上が大まかな論考のカタチなんだけど
ここまでで気づくのは、

□論考でウィトゲンさんが表現したかった
 トコロとゆーのは
 コトバを表面的で科学的な分析をするコト
 ではなく

コトバの要素命題(H)で、
 世界の原子的事実(I)を
 丁寧に写し取る見方や
 思考をする(Ω)コトなのだ



□これは、コトバと世界(限界線内)は
 真実の姿(Ω)を見せるときには
 スッキリとして整理されたモノにみえる
 コトを意味するし

□そこに至るまではシステム思考のような
 ものごとの背景にあるモノをよーく
 見る👀コトが必要になるだろーし

□鏡に映すかのよーに
 こんがらがったコトバと世界を整理整頓
 して、明確に把握するコトができれば🔵

□そのよーな思考は🔵
 コトバとか思考が自然でシンプルなモノ
 になるだろーし🌀

□思考が自然でシンプルになれば🌀
 ウィトゲンさんや宮沢賢治のよーに
 身の回りから余計なモノが
 ふるい落とされるだろーし🌀

□ふるい落とされた後には、
 素朴で実直な生き方とか信仰のカタチとか
 トンチのよーな直観だけがただ残るだけ💧
 とゆー気がするし

□そーゆー信仰にも似た生き方へと
 ヒト向かわせるツールとして
 論考は使えるよ☀️

 とウィトゲンさんが考えていたよーな
 気がする

□そのよーな生き方ができれば、
 やがて、ヒトの思考の限界である
 Yの限界線が見えてくるので☀️

□そのまま、それをノベーっとして
 受け入れるコトが
 限界線の存在する真の意味であり☀️

真善美を正しく表すコトバは存在しない
 から沈黙しなければならないとゆーのは😷

□語りえないもののZの領域は崇める対象
 であって☀️

 この神の領域に無遠慮に
 ヒトが狭い了見で踏み込まないよーに

 Yでコトバの限界づけを行ったコトが
 重要なポイントであり

□決してZ領域を訳のわからんものとして
 切り捨てるモノではなく
 
□Aの領域で乱雑に、闇雲に、自堕落に、
 面白おかしく、無責任に内外の環境を
 無駄使いするのではなく
 
□責任感と、安定感と、のっぺり感のある
 地に足のついた、
 イノチを大事にする、
 シンプルな生き方をするコトだし

 
□Zの領域を目指して
 Ωの地点で、ただありがたく
 道元さんのいう身心脱落のよーな
 心境で直観をいただくとか💧

□トルストイさんの言うような
 素朴で信仰心に満ちた生き方とかの
 重要性を説いたモノだと思った☀️

□おそらくだけどウィトゲンさんは
 トルストイさんのシンプルな思想に
 惚れていたので
 
□要約福音書のシンプルな12個の教えを
 自身の哲学に反映させたんじゃないかな?
 というのがワタシの見方で

□ウィトゲンさんの哲学は難しいので、
 細かい部分を検証するのは論理学の
 専門家じゃなきゃ無理なので、
 そっちの方はテキトーにしておいて

□ワタシの出来る?ことといえば
 トルストイさんとウィトゲンさんの思想
 の骨組みを比較するコトだとおもうので
 次回、この辺りを書きたいと思います


🐾 🐾 🐾 🐾 🐾 🐾 🐾 🐾

またまた、長くなっちゃったので、

ウィトゲンさんの思想について、
また次回も、テキトーな感じで
紹介していきたいなとおもいますので
よろしければ読んでみてください🙏

くだらないハナシに長々とお付き合い
くださいましてありがとうございます🙏

ご縁⭕️に感謝いたします🙏

それではまた!👋