日高敏隆さんの世界をこんな風に見てごらんのご紹介

このたびのメリッサ読書会で紹介した、 
動物行動学者の日高敏隆さんによる、 
2010年に刊行されたエッセイ集を
ご紹介したいのですが

ダラダラとしたブログで恐縮ですが、

よろしければよんでみてください🙏 


やさしい本📖
この本ですが

本のタイトルがまずやさしい 

表紙絵もやさしい 

文体もとてもやさしい 

なのでほんわかできる本です


日高センセーも人柄がとても優しいヒト

だったといわれてるみたいだし

l
動物行動学ってなに?

日高センセーの研究してた

Q動物行動学ってなに?

についてなんだけれども


動物の行動を学問にするのには

なんだか意味があるらしく

古くはファーブルやダーウィンなんかの
動物の観察から始まるんだけれども



動物行動学

原語ではエソロジー(ethology)
といって

ギリシャ語の ethos(特徴、気質)に
由来するといわれていて

A エソロジーとは

動物の行動をくわしく観察
して記述する学問

のコトなのでした

そして
動物の行動をよーく観察すれば

なんか見えてくる
行動のカタチがあるよ目

というモノなんだけど

日高センセーは
子供のころから昆虫が大好きで、

そもそも昆虫は分類したり解剖したり
してもなんの学びもないし、

殺してしまうのは好きじゃなかったし、

行動のなぜ?とおもうトコロを
よーく観察してみると、

その生態がわかることがあるから、

そーゆー学問の方が性に合ったとゆーから

やっぱりやさしいセンセーなんだろね



エソロジーの草分け🌱

日髙センセーは、
生き物の研究って沢山の標本を集めて
コレクションする死んだ学問よりも、

むしろ

行動のナゼ?とかの生きた
部分を扱うのが生物学の
本来の姿なんじゃねぇの?

という声を上げた日本の草わけ的な先生
なのでした

また、
ヨーロッパでエソロジーが流行ったコロに
同じ時期にこの分野に飛び込んだので

日本にエソロジーを持ち込んだ第一人者とも
されている

また多国語ができる優秀なヒトだったので

ワタシも若いコロに読んだコンラート・
ローレンツを訳して紹介してくれたり

オランダの動物行動者のニコ・ティンバーゲンの著作の紹介をしてくれたり
アーサー・ケストラーの名著の機械の中の幽霊
の紹介とか

利己的な遺伝子のリチャード・ドーキンス
とかとか
沢山の訳書もあるし

自身の著作も多い

奥様はイラストレーターで
日高センセーの著書のやさしいイラストを
描いてるヒトだな
ごとうきくこ名義での絵本もあるとか

都会の昆虫博士🐝

日高センセーは
1930年に渋谷で生まれ育った都会っ子で、
なおかつ両親ともかなり裕福な家柄で、
将来を嘱望されてたおぼっちゃまだったけど

なぜか都会っ子なのに、小さい頃から
虫の行動をよく観察するのが好きで🐝

その当時、昆虫好きがあつまる雑誌とかの
ネットワークがあり、養老孟司先生とかも
小さい頃からの知り合いだったらしい

☁️くもりのち昆虫🐝

小学校時代から昆虫学者を志していたけど
両親はもちろん反対だったし

また当時通っていた広尾尋常小学校は
スパルタ教育で有名だったし

日高センセーは
小さいコロ体が弱かったので
先生たちとか校長先生!をはじめ周りから
いじめられて自殺を考えた

 しんでもむしされる心境か?

しかし、担任教師が、
死を選ぶよりも命を選んでくれと
両親に掛け合ってくれた

そして、日高が昆虫学の道に進むことを
承諾させてくれて、

より自由な校風の東京市笄国民学校に
越境入学させてくれたことで

命を救ってくれたばかりか
ココロのくもりまで払ってくれたのだ☀️
なんともありがたい先生であるな🙏

アタマの良さでエソロジーの道を爆走する🏎

まあ、なんだかんだいっても
アタマのいいヒトなので、
1952年に東大理学部動物学科を卒業してるし

ここで新しい学問である動物行動学の研究に
向かったらしい

若い頃は昼間岩波書店で働いて、
夜間は東京大学の研究室で研究を続けて
いたけど

その後、
東京農工大とか、京大の教授とか、
滋賀県立大の学長にまでなって

2001年には、
総合地球環境学研究所(地球研)の
初代所長になってるから、

もうエソロジーの道を極めて爆走した
それはそれはもう立派なヒトである🏎

エソロジーの具体的視点は?

ところで
エソロジーってなんだろね?となると

たとえば

「アゲハチョウがなんで鳥に狙われるよーな
花も蜜もないよーな高いトコロを狙って
飛ぶんだろう?」

という疑問を持って
延々とアゲハチョウの行動を観察してみる🦋

そしたら、
オスとメスが出会う場所がそーゆー高い
トコロで出会う習性があるよーだな?とか

杉とか松とかの人工林は飛ばずに
自然林の中を飛んでるな?とか🌲

卵も木の高いトコロに産み付ける習性が
あるよーだな?とか🥚

いろいろみえてくるのだ目

これは仮説を推理して法則化して
紙にしたためるんじゃなくて✍️

実際の行動をよくよく観察して、
それがどういう風に環境と関わり
その中で動物がどう行動しているのか?
を深く見るから見えてくるモノだ目

そして、
背後にある生態系の姿も映しだされてくる
ので環境学とも相性がいい

上述のとおり日高センセーは地球研の
初代所長になってたりするしね
エソロジー🐝と科学✍️との違いは?

科学は、
一般化とか数式化とか学問の姿になって
比較や推論とか計量化とかする道
とは相性がいいけど

背景のなぜそーなるのか?とか
どーゆー因果関係があるんだろー?とか
を研究する道とは相性が悪い

自然は、
科学的な議論や具体例や効率なんかとは
相性が悪いけど、

もう複雑でごちゃごちゃしてて、
いろんな要因がからんで、
訳がわからなくなっているよーなモノ

しかし、そこに深く踏み込むと、
なんかの意図とか、背景とか、
そこの次元を作り出している生態系
みえきたりする目

自然は、
工学や科学技術とは対照的で
自然は背景が複雑だし
一つの要因に帰結しないし
すっきりとしないカタチの物だけど

複雑な関係性の中で成立する
モノだし、
全体性の中でバランスを
うまくとって、
生命を維持するシステムを
作りだしている

コスタリカで見えてきたロクなコトがないモノ

科学や工学は、
単純化して理知的な欲を満たして、
雑然としたモノを省いて、
ヒトに役立つモノだけ吸い取る

しかし、
そーゆー反自然のやり方は当然だろーけど
自然をダメにする物だと日髙センセーはいう

コスタリカで貴重な熱帯の生き物がドンドン
消失している現状を現地視察に行ったときに
目の当たりにした衝撃で、そーゆー考えを
強めたらしい

そして、
人間と自然とのかかわりは
物理学の観察者と観察される粒子のハナシに
似ていて、

ヒトが自然に関わると徐々に自然がおかしく
なるんじゃなくて、
関わったら即おかしくなるし、
人が自然に関わるとロクなことがないと
言い切っとる

人間は地球環境から見て厄介な動物なのだ

関係性の中に自然は宿る

人間は変わった生き物で、
他の動物にはない死を意識する動物
だし、
社会システムや文化も大昔からそーゆー
背景を元にカタチとなってきている

死もそーだけど、
人間は幻を真実だと思い込む
生き物だし

けれども真理とか原理とか真実とかいう
よーな大それたモノは自然にはないし、

自然にはただ関係性の
ネットワークがあるだけだし

自然はそーゆー関係性の中でしか
見いだせないモノなんじゃないかな?
とセンセーはいっとる

このセンセーは真理とか原理とかいう
言葉が大嫌いなのだ!

自然を徹底的に観察するコトで、
自然の背景にあるいろんな物が繋がっている
システム論的な世界がみえてくるし

エソロジーは、そーゆーシステムを
やさしくみつめるコトでなんかのヒントが
得られる学問だからいいね!ともいっとる

地球環境と仲のいいスムーズな学問は
いいね!

虫をムシできないハカセ
この本に出てくるエピソードで、

「虫に有効なフェロモンを科学的に分析して
これを農薬に利用すれば、
自然に大きな影響を与えないし、
効率の良い虫退治ができるんじゃね?」

という仮説をとなえた学派があって、
そこに莫大な予算がついて、
大学で大々的に研究がされたコトがあった
らしいけど、

この時に2kmまでフェロモンは飛ぶぞ!
とゆー研究結果がでたこともあり、
いろんな産業の関係者が色めきだったけど

日高先生がよーく観察したら、
2m程度しか虫を呼んでないし、
しかもくる時は偶然くるかんじだし、

なるほど2kmも先から偶然捕まる
マヌケでスケベなヤツもいるけど、
ほとんどつかまってなくね?

とゆーのを発表したら、
予算がつかなくなってボツになったコトが
あったらしい

ヒトの考えは錯覚だね!

日高センセーは、ヒトの概念は
イリュージョン(錯覚)
であると看破している

そしてヒトは
イリュージョンを通してしか物が見えない
生き物だともいう

ならば、いっそのこと
イリュージョンをまじめに考えればいいし、

考える際は、
哲学みたいに考えるんじゃなくて、

ヒトの今置かれている状況を
単純にやさしく丁寧に
みつめれば目

ヒトの生き方の役に立つ視点がうまれるし

生物をシステム的に見る際には
そーゆーやさしい視点は結構有効だね

とも教えてくれる

そーいえば、前回の読書会で紹介した
ライアル・ワトソンもその著作で、

いろんな学問の中でも
生物学こそが、相互的な環境を把握して
環境を改善しうる視点を人間に与えてくれる
から重要な学問なのだ
といっとるのも、
この辺と重なってくるな!

日高視点で読み解く

最後のまとめになりますが、
日高センセーの視点は、
サイコーに肩から力の抜けたモノで
以下のよーな視点をもっている

目
世界は案外なんとでもなる

論理で理屈をコネで
筋を通したつもりになれば
そうなってると勘違いするだけの話で

いい加減で突き詰めない
スタンスとか
どうせ幻だという悟性
があれば自然に近づくよ

と日高センセーはいう

今読んでるウィトゲンシュタインの論考の
最終的な答えも
語りえないものは沈黙せねばならない
というからおなじかな?

ゆらぎと分裂の狭間で幻想を楽しむのは
いいけど思い込みもどーか?とゆー教えだな


目
複数の視点をもって関係性
をつかむこと

人は論理が正しいと思い込めばだまされる
理屈が通れば実証がなくても信じてしまう

なので自分の中に
複数の視点を持って
相対化してモノを見るといい
とセンセーはいう

神でも科学でも一つのことにしがみついて
精神の機敏とするのは弱さ、幼さである

頼ったり目を瞑らせるのは楽だが
本当に関係性が見えなくなってしまう
ともいっとるな

目
絶対はない
精神も拠り所のないところで
よしとする成長をすべき
 
柔らかでなにものにも
縛られない、
科学よりも知性と表現される
べきものが
生き物の本当の力である

とかとかいうよーな

やさしい視点を持つコトで

スポンと抜けた感じがでてくると

いい感じになるよというのだけれど

まるで道元さんのよーな視点を持って
いるなとワタシは感じた⚡️

世界をやさしく観察した達人は、
そーゆー視点を持つことが大事だよと
自然からの気付きを得たとゆーワケだ

日高センセーがやさしく教えてくれてる
エソロジーの視点は、
なんだか禅の世界観にも似ていて

悟りのカタチを考えるのにあたって
とても重要なモノだと改めて思った
この本は青春と読書という、
角川文庫から出されてた情報誌に
若い人向けに書かれたコラムを
集めたモノだからかなり読みやすいし

文量も少なめの本だけど
内容が以上のよーにとても濃い
おススメの本です

よかったら手に取ってみてください!

 📖 📖 📖 📖 📖 📖 📖 

くだらないハナシに長々とお付き合い

くださいましてありがとうございます


ご縁⭕️に感謝いたします🙏


それではまた!👋


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