久しぶりに、秀麗富嶽十二景に行ってきました。
笹子峠からの、笹子雁ヶ腹摺山(1,358m)。
笹子峠〜笹子雁ヶ腹摺山
早朝4時過ぎに家を出発。
GW2日目、行楽日和の予報で、大渋滞が予想されたので、早めに行動。
目指すは「笹子峠」。
5時台でも圏央道、中央道は結構車が多くてびっくり。
それでもさすがに渋滞に巻き込まれることなく、大月ICを降りて国道20号へ。
そこから県道212号(旧甲州街道)で笹子峠(笹子隧道)へ。
狭い峠道ですが、国道20号ができるまではここが甲州街道に代わる国道だったようです。
笹子隧道(旧笹子トンネル)の直前に駐車場があります。
笹子隧道(有形登録文化財)
趣のある、昭和初期のレトロな意匠。
宇津ノ谷峠の「明治のトンネル」や天城トンネルと並んで
トンネル好きにはたまらない雰囲気。
《笹子隧道について》
四方を山に囲まれた山梨にとって昔から重要な交通ルートであった甲州街道。その甲州街道にあって一番の難所といわれたのが笹子峠です。
この難所に開削された笹子隧道は、昭和11年から13年まで、国庫補助を入れて28万6,700円(現在の金額換算で約4億4,000万円)の工費を投入し昭和13年三3月に完成しました。抗門の左右にある洋風建築的な二本並びの柱形装飾が大変特徴的であります。
昭和33年新笹子トンネルが開通するまでこの隧道は、山梨、遠くは長野辺りから東京までの幹線道路として甲州街道の交通を支えていました。南大菩薩連嶺を越える大月市笹子町追分(旧笹子村)より大和村日影(旧日影村)までの笹子峠越えは、距離十数キロメートル、幅員が狭くつづら折りのカーブも大変多いためまさしく難所で、遥か東の東京はまだまだ遠い都だったことでしょう。
昭和前期の大役を終え静寂の中にあるこのトンネルは、平成11年、登録有形文化財に指定されました。
大月土木事務所
新緑の柔らかな緑が眩しい…この季節ならではの色。
イヌシデかと思いましたが、花のつきかたが違うのでチドリノキかも?
7:00 出発します
7:10 笹子峠(この真下が笹子隧道)
気持ちのいい道
聞こえるのは鳥の囀りだけ…今年初めてのツツドリの声を聴きました
GWとは思えない静かな山歩き…
ミツバツツジがちらほら咲いています
道はよく整備されています。
写真を撮りながらのんびり歩きます
アケボノスミレでしょうか?
優しいピンク色のスミレで、花が先に咲くようです。巻いた葉も可愛い…
タチツボスミレはいっぱい…
7:40 分岐
ここから、尾根道と新道に分かれます。
新道はなだらかですが道幅の狭い巻道。
尾根道は細かいアップダウンです。尾根道の方が変化があるので楽しく歩けると思います。
行きは新道、帰りは尾根道で戻ることにします。
あ…
ここから先は木の間越しにずっと富士山が見えている感じ
新道は疲れないけど、崖側は落ち葉が積もって崩れやすいので結構神経を使います。
程なく鉄塔が現れます
鉄塔を回り込んで巻道を進みますが、少し下り気味になっています。
鉄塔脇にも登る道があって、ピンクテープがついているので、そちらに行かないように要注意。
新道の方がお花はたくさん咲いていました。特にスミレが色々…
ヒトリシズカ
終わりかけのもいっぱい…
アカネスミレ? 花の色がとってもキレイでした
たぶん…マルバスミレ
エイザンスミレ(自信があるのはこれだけ)
8:25 尾根道との合流地点
巨大な鉄塔が現れます。新多摩線16号鉄塔より大きいかも?
『西群馬幹線209』とあります。そして富士山もチラ見え…
カラマツの新芽
8:50 秀麗富嶽十二景四番山頂 笹子雁ヶ腹摺山 登頂〜
(1時間20分の行程ですが、2時間近くかけてやってきました)
山頂からの富士山はこんな感じ
少し雲が出てきたかも
南アルプスも見えています
木があってなかなか写真には撮りづらいけど…(間ノ岳と北岳)
お昼を食べてから、少し米沢山の方に歩いてみると
ミツバツツジがすごく綺麗でした
こちらからは八ヶ岳も少しだけ見えます(相変わらず木に隠れていますが…)
山頂には何人も人が来ては(笹子駅から来た人が多いようです)
笹子雁ヶ腹摺山の先にある、米沢山方面に歩いて行きました。
笹子雁ヶ腹摺山と米沢山の間に、国道20号の新笹子トンネル、
中央道と中央本線の笹子トンネルが通っているようです。
あの笹子トンネルの上にいるのかと思うと、不思議な感じ。
米沢山の先には、同じく秀麗富嶽十二景の四番山頂「お坊山」があり、
さらに進めば、滝子山に繋がります。
でも、大きく下って登り返す気になれず、(ご老体なので)笹子峠に引き返すことにします。
10:30 下山開始
マメザクラ
帰りは尾根道で戻ります。尾根道は細かいアップダウンで歩くのは楽しかったけど
お花はあまりなかったので、写真を撮ることもなく、1時間ほどでさっさと下山しました。
新道と尾根道は時間的にはどちらも30分の行程ですが、尾根道の方がずっと短く感じました。
どちらの道も、富士山が木の間越しにずっと見えています。
農鳥が見えますね
11:30 下山して、駐車場に戻ってきました
コース 7:00 駐車場〜7:10 笹子峠〜7:45 分岐(新道へ) 〜8:30 分岐(尾根道と合流)〜8:50 笹子雁ヶ腹摺山山頂 10:10 〜10:30 分岐(尾根道へ)〜 11:00 分岐〜11:30 駐車場
タイム:4時間30分(休憩1時間20分) 距離:3.5km
矢立の杉とブドウの新芽
下山後、車で笹子隧道を抜けてみることに。
たった240mの短いトンネルですが、ここが昭和前期まで、甲州街道の交通を支えていたのですね。
道幅は狭く、車1台分なので、対向車はもちろん、歩行者や自転車の人に要注意です。
甲州市側に出たら(こっち側は普通のトンネルでした)、もう一度、笹子隧道を大月市側に戻り、
県道212号線を下って、途中「矢立の杉」に寄ってみました。
矢立の杉は思ったよりずっと大きくてびっくり。屋久島の縄文杉くらいあるんじゃないか?と。
樹高約26.5m、根廻り幹囲14.8m、目通り幹囲9m、樹齢千年を超すそうです。
中は空洞になっていて、幹上部は折れてしまっていますが、本当に感動的な大きさです。
県指定の天然記念物で、昔の武者が出陣にあたり、矢をこの杉に打ち立てて武運を祈ったとのこと。
設置されている『ゼンマイ式音声ガイド』で、
杉良太郎さんの「矢立の杉」という歌が聴けるんですが、
静かな山間に演歌が流れると、いきなり昭和のドライブインチックにならないでもないのですが、
いい曲でしたよ。(杉良太郎さんが寄贈した地蔵菩薩もあったりします・・・)
行楽日和のGWでも、誰もいない静かな場所でしたが、立派なベンチもあったりして
ちょっと休憩するのにはいいところだと思います。
ここは旧甲州街道の途中(黒野田宿と駒飼宿の間)にあり、山道が続いていましたが
笹子隧道ができる前はここを通って、笹子峠を越えて行ったんですね。
(東海道に続き、甲州街道も、またちょっと歩いてみたくなったりして…)
江戸時代の人々は、この道を歩いていたのかと思うと、感慨深いものがあります。
旧街道といえば、木枯し紋次郎を思い浮かべるのは、私だけでしょうか…
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国道20号に戻り、新笹子トンネルを潜って(さっきまで歩いていた足の下かと思うと不思議)
道の駅「甲斐大和」でお昼を食べて、筍やコゴミを購入。
そして、珍しい「ブドウの新芽」も買ってみました。
この時期、ブドウの芽かきをするのだそうです。ブドウの新芽が食べられるなんて知らなかった。
1時には帰路へ、3時には帰宅。
早速、筍ご飯を炊いて、コゴミとブドウの新芽を天ぷらにしてみました。
ブドウの新芽の美味しさにはびっくり。
笹子に行かなければこの味には出会えなかったと思います。
新緑の笹子雁ヶ腹摺山。人が少なくて、気持ちよくて、富士山もお花もキレイで…
帰ってからも、甲州の春を味わうことができて、大満足の、2024年のGW前半でした。
雁ヶ腹摺三山コンプリート
笹子雁ヶ腹摺山に行こうと思ったのは、単に三つの「雁ヶ腹摺山」制覇をしたかったから(笑)
牛奥ノ雁ヶ腹摺山(2017年9月)・雁ヶ腹摺山(2023年11月)・笹子雁ヶ腹摺山(2024年4月)
ということで、とりあえずこれでめでたく、雁ヶ腹摺三山コンプリートです。
▲牛奥ノ雁ヶ腹摺山に登った時のブログ
▲雁ヶ腹摺山に登った時のブログ