①の続きです
勝上山から天園まで
12:10 勝上献分岐(勝上山・147m)
ヤマケイの地図では、勝上獄(勝上献)、ヤマップの地図では勝上山となっています。
建長寺から登ってくると、半僧坊から、さらに300m登った地点。
この天園ハイキングコースは鎌倉アルプスとも呼ばれ、
途中に大平山と天園があるのは知っていましたが、ヤマップを見て初めて、
勝上山(147m)・鷲峰山(127.9m)・胡桃山(106m)等の山名を知りました。
なんだか、いくつものピークを越えるのかと思うと、ちょっとアルプスっぽさを感じますね!
ちょっと半僧坊方面に下ると展望台があります
ここからは本当に絶景。
建長寺の伽藍がきれいに見えます。
相模湾。左側は逗子、右側は稲村ヶ崎です。伊豆大島もうっすら…。
そして富士山もまだ見えていました。
その左の箱根の山々も、右側の丹沢も雲に覆われながら見えていましたよ。
ここから建長寺に下ることもできますが、有料(500円)になります。
というより、無料で天園ハイキングコースに来れるなんて、なんかお得感(笑)
もちろん、建長寺もいいところですが、今回はいいかな〜?
ということで、もちろん、(無料の)瑞泉寺・覚園寺方面へ進みます。
天園ハイキングコースは鎌倉アルプスの中でも最もメジャーなコースなので
たくさんの人が歩いているんですが、結構滑るので、登山靴じゃないと怖いところも。
あの岩は…
12:25 十王岩(左から如意輪観音・血盆菩薩・閻魔大王だそうです)
鎌倉時代に流行した十王思想により作られたものでしょう。
風化の度合いが歴史の深さを感じさせます。
十王岩は、夜毎不気味な音をたてていたことから「喚き十王」とも呼ばれているそうです。
建長寺がある場所はかつて地獄谷と呼ばれる刑場だったそうで、そこで処刑された者の嘆き声だと恐れられていたとか…。怖すぎますね 💦
十王岩からは、海がよく見えます。
この景観は「かながわの景勝50選」に選ばれているそうです。
ここからまっすぐ、海に向かって若宮大路が伸びているのがよくわかります。段葛も見える。
つまりここは、鶴岡八幡宮の真上ということになるのでしょう。
若宮大路を境に、左側(東)が材木座海岸、右側(西)が由比ヶ浜です。
鎌倉幕府ができた頃から、十王は世の移り変わりをここから眺めていたのかもしれません…。
お腹が空いたので、ここでお昼にしようと思います。
以前来た時、大平山や天園はすごくトンビが多かった記憶があるので、
山の中で食べたほうが安全かなと思い、大きな木の下で食べる事にしました。
ここならトンビも飛んでこれないでしょう…。
と、思って、娘と二人並んで木の下に座り、サンドイッチを食べようとしました。
私がお手拭きを探している間に、娘はツナサンドを食べ始めました。
娘が「あっ」と言ったので、顔を上げたら…
トンビが目の前から飛び去っていくところでした。
なんと、娘が手に持っていたツナサンドがない!!
あれだけ気をつけて、わざわざ鬱蒼と茂った木の下に潜っていたのに
どの隙間から飛び込んできたのか?
本当に目にも留まらぬ早業で、音もなく、気配すら全く感じませんでした。
多分、背後から、私たちの頭上スレスレに飛んできて、
足を伸ばしてツナサンドを掴んで、そのまま滑空していったのでしょう。
周りでカラスが騒いでいたのですが、多分カラスたちはトンビのおこぼれを狙うか、
集団でトンビから餌を奪うかするために、トンビの近くにいるのだと思います。
華麗なるトンビの「ツナサンドさらい」に、ただ唖然とするしかありませんでした。
考えてみたら、あの木の下はいかにもトンビから身を守れそうなので
あそこで食事する人が多いのかもしれません。
トンビはこの辺りの事は熟知しているのでしょうから、目をつけて狙っていたのでしょう。
空の上から、狙いを定めて、完璧なタイミングで、華麗に攫っていく…まさに神業です。
噂には聞いていたので、神経質なくらい、気をつけていたつもりだったのに、
まんまと餌食にされてしまいました。本当に想像以上でした。
人間の生半可な知識など、野生動物の生きる知恵には敵わないという事でしょう。
娘は一瞬、指に痛みを感じたようですが、傷にはなりませんでした。
怪我をしなくてよかったです!!
その瞬間は全く何が起きたかわからなかったようです。
気づいたら手にあったはずのツナサンドが消えていたという感じ。
トンビの姿さえ見なかったらしく、ちょっと呆然としていました。
それにしても、あの木のどの隙間から入ってきたんだろう?
きっと慣れているんでしょうね。
先日、三浦半島にもいたので、気をつけましょうとブログに書いたばかりなのに!!
もしかすると、あのトンビは喚き十王の遣いなのかもしれません。
さっさと食べ物はしまって、どこか絶対にトンビが来られない場所で食べる事にしました。
…といってもどこかいいとこあるかしら?
さすがに、やぐら(昔の人のお墓)の中に入って食べる気にはなれないよねー💦
しょうがないので、ここにしゃがんで、壁に向かって、
リュックに顔をつっこむようにして食事をしました(笑)
おかしな光景に違いないけど、トンビにサンドイッチさらわれるよりはマシ!
もしかすると…ここもやぐらの跡なのかもしれないけど…
この辺りは『百八やぐら』と呼ばれ、鎌倉最大のやぐら群なのだそうです。
その数、108どころか、180もあるのだとか…。
12:50 今泉台分岐(ここから覚園寺へ下ることができます)
そして…
13:10 天園ハイキングコース最大のガッカリスポット、大平山(159.2m)に到着です。
こんな景色のいい場所に、興ざめなゴルフ場のクラブハウスと駐車場があって
景観を台無しにしているという…『昭和の負の遺産』感がすごい!
もしかするとここはゴルフ場の私有地なのか?
一応、ここは鎌倉市の最高地点らしいのですが、なぜ手書きの頂標?
鎌倉市の持ち物だったとしたら、もっと整備されていてもいいと思うけど…。
いろいろ突っ込みどころ満載です。
とはいえ、景色は最高です。
空が広くて、本当に気持ちのいい場所なんですが…。
後ろを向くと人工物(学校か病院のような…)がどーんとあってガッカリ…。
なので、なるべくそっちを見ないようにして通り過ぎます。
まだ富士山がいた!!
多分…富士山だと思う…💧
大平山にはこんな注意書きがありました💦
確かに、以前に来た時は、ここ、トンビだらけだったんです。
木の枝の下も安全じゃなかった!!次回は傘を持ってくる事にしましょう!!
(余計なお世話だけど、トンビはhawkではなくて、kiteだそうですよ)
さて、大平山はさっさと通り過ぎて
またジャングルに突入です(ホッ)
13:20 天園に到着〜!!
以前、ここには茶屋があったという記憶あありますが、どうも問題があったらしく
2016年に撤去されたのだそうです。
大正時代から続いている天園休憩所は今もあるそうですが、
今回はそこまで行かずに瑞泉寺の方に下ってしまいました。
このパネルは、行政が作ったものだと思いますが、『天園(大平山)』と書かれていて
頂標があった広場については、何も記されていません。(トイレのマークがあるだけ)
何やら大人の事情があるのでしょう…
天園から瑞泉寺方面に下る
こちらもいい感じの道が続きますよ〜
大きな照葉樹…クスノキでしょうか?
樟脳の香りがしました
足元に、ハコベくらいの、白い小さな花がたくさん咲いていました。
最初はマツカゼソウの咲きはじめかな?と思ったのですが、どうも違うみたい。
ヒメウズ(姫烏頭)です。
烏頭はトリカブトのことですが、オダマキの仲間だそうです。
確かに俯いて咲いているところも、花の形もオダマキに似てるかも。
13:45 貝吹地蔵
新田義貞の鎌倉攻めで、北条高時の首を持って逃げていた家来を、
地蔵が貝を吹き鳴らしながら逃がしたという伝説があるそうです。
(…と、2014年3月のブログに自分で書いていました)
この辺りはとてもやぐらが多いエリアです。
木の根っ子が絡みついて、本当にカンボジアの遺跡のようです。
ガジュマルの木が寺院を侵食している『タ・プローム遺跡』は12世紀末に出来たそうなので
日本で言えば、鎌倉時代。つまりここと同年代、ということなんですね。
▲2012年に訪れたカンボジアのタ・プローム遺跡。
とても気持ちのいい山道をサクサク下っていきます
フジの蔓?
14:10 瑞泉寺側出口です。おつかれさま〜!
その後は、永福寺跡を少し散策して、鎌倉宮、鶴岡八幡宮、小町通りを通って
鎌倉駅近くのお蕎麦屋さん『さとう』さんで食事をして、鎌倉駅から電車で帰りました。
鎌倉は平日でもすごい人出。すっかり元に戻ったような気がします。
コース: 9:50 大船駅〜10:30 長窪の切通し〜10:40 六国見山森林公園〜10:55 稚児の墓〜11:10 六国見山〜11:40 明月院通り(庚申塚)〜11:50 天園コース明月院側入口〜12:10 勝上山 〜12:25 十王岩〜12:50 今泉台分岐〜13:10 大平山〜 13:20 天園〜14:10 天園コース瑞泉寺側出口〜14:20 永福寺跡(散策)〜15:30 手打ちそば『さとう』〜16:10 鎌倉駅
タイム:6時間20分
距離:12km 歩数:25,000歩
十年以上前(ブログを書く前)、鎌倉や京都のお寺めぐりにはまっていた事があって、
鎌倉五山はもちろん、いろいろな寺社仏閣を巡って御朱印を集めたり、食べ歩きをしたり、
当時大学生だった娘と、しょっちゅう鎌倉を歩いていました。
建長寺で座禅を組んだり、八幡宮で流鏑馬を見たりした思い出も… 。
その頃は、山歩きをする趣味はなかったのですが、今は通行止になってしまった釈迦堂切通しや、高時腹切りやぐらなどにも行きました。
娘は八幡宮でお正月に助勤をしていたこともあって、鎌倉は本当に馴染み深い場所です。
でも、今回、鎌倉の山を歩いてみると、知らなかったことがいっぱいあって、
とても新鮮に感じられました。
願わくば、鎌倉市最高地点がもっとそれにふさわしい景観に整備される日が来ますように…。
鎌倉で山歩きする時の注意点!
①スニーカーではなく登山靴推奨(街歩きもありますが、山は本当に滑ります)
②お弁当を外で食べるなら、折り畳み傘持参(トンビよけ)
③道をしっかり下調べしておくこと(ハイキングコースは整備されていますが、住宅街と混ざり合っていて、とても迷いやすいので)
メチャクチャ長いブログになってしまいましたが💦
どなたかの山歩きの参考になれば幸いです
(ダラダラ歩いているのでタイムはあまり参考にならないかも…)