前回に引き続き、2019年度のネイチャー18号目のハイライトより。
今回は、『分子進化学：適応免疫の進化』についてです。
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分子進化学：適応免疫の進化
Nature 569, 7754
2019年5月2日
これまでの研究で、抗体を作り出す過程であるV(D)J組換えを担う酵素は、祖先的なトランスポザーゼから生じたことが示されている。このトランスポザーゼのリコンビナーゼへの変換に関与する分子事象は未解明だった。D Schatzたちは今回、この進化経路の土台となる変化を明らかにしている。
ARTICLE p.79
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本論文は、日本語版本誌では「分子進化学：トランスポゾンの分子的ドメスティケーションとRAGリコンビナーゼの進化」と題されています。
直訳しますと・・・
トランスポゾンの分子家畜化と RAG リコンビナーゼの進化
となり、Abstractを直訳しますと・・・
抗体と T 細胞受容体の多様なレパートリーを生成する RAG1-RAG2 リコンビナーゼ (RAG) と V(D)J 組換えを引き起こすトランスポゾン (ゲノム内の位置を変更できる DNA 配列) の家畜化は、有顎脊椎動物の適応免疫システムの進化における極めて重要な出来事。祖先の RAG トランスポザーゼを適切に調節された DNA 切断および転位活性を持つ RAG リコンビナーゼに変換した進化的適応は理解されていません。ここでは、ナメクジウオの ProtoRAG トランスポザーゼ (RAG の進化的近縁種) のクライオ電子顕微鏡構造から始めて、結合切断に対する RAG の傾向、非対称 DNA 基質に対する優先性を支えるアミノ酸残基とドメインを特定します。そして、細胞内で転位を行うことができない。特に、有顎脊椎動物に固有の 2 つの適応 (RAG1 のアルギニン 848 と RAG2 の酸性領域) を特定し、これらが一緒になって RAG を介した転位を 1,000 倍以上抑制します。私たちの調査結果は、RAGを介した転位の抑制の2段階のメカニズムを明らかにし、V（D）J組換えの進化を明らかにし、トランスポゾンの分子家畜化を支配する原則への洞察を提供します。
となります。
フルテキストは下記です。詳細が必要な方はご購入をお願いいたします。
Full Text：ARTICLE p.79
Transposon molecular domestication and the evolution of the RAG recombinase
Data availabilityによりますと・・・
cBbRAGL ニック 3'TIR シナプス複合体のモデルは、アクセッション コード 6B40 で PDB に登録されています。無傷またはニックの入った 3'TIR と複合体を形成している cBbRAGL の低温 EM マップは、登録コード EMD-7043、-7044、-7045、および -7046 で電子顕微鏡データバンクに登録されています。ヒトゲノムの転移事象を特定するためのハイスループット DNA 配列データは、アクセッションコード SRR8430227–SRR8430233 (プロジェクト PRJNA514369) で NCBI Sequence Read Archive に寄託されました。
究極に溜まりに溜まりまくっているネイチャー。次回は、「材料科学：高温で強いバルク金属ガラス」を取り上げます。あまりに溜まりに溜まりまくっているので、今後は余裕がある時に取り上げるようにします。
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※政宗（いぬのきもち・ねこのきもちのデータベース）については、体調をみながら随時、最終更新日から取り上げています。癒し＆知識の増強にお役立てくださいませ。
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