もしものときのための、いぬのきもち編。
今回は、『どんな犬でも発症しうる「認知症」早期発見のためにできることは』についてです。
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どんな犬でも発症しうる「認知症」早期発見のためにできることは
2021/9/8(火) 17:35配信 いぬのきもちWeb編集室
犬の認知症は進行性の病気で、今のところ根本的な治療法はありません。そのため、早期発見・治療によって症状の進行を抑えることが重要とされています。そこで今回は、犬の認知症の症状や早期発見するためのポイントなどについて、いぬのきもち獣医師相談室の先生にお話しを伺いました。
■そもそもどんな病気?犬の認知症の主な症状とは
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認知症はこれまでできていたことができなくなる病気で、国内の調査では、11才くらいから発症し、13才頃から急増するとの報告があります。また、どの犬種も発症しうる病気ではありますが、認知症を発症している犬の83%が日本犬という調査結果もあり、日本犬はとくに症状が強く出やすい傾向にあるようです。
犬の認知症の主な症状
・知っているはずの人を認識できない、障害物を避けられないなどの見当識障害が見られる
・なでられたり遊んだりすることに興味がなくなる
・コマンドへの反応が低下するなど、飼い主さんに対する認識や関係性が変化する
・昼夜逆転など、睡眠・覚醒時間の変化が見られる
・トイレ以外の場所で排泄する、失禁するといった排泄の失敗が増える
単調に鳴き続けたり、夜鳴きをしたりするようになる
・グルグルと同じ方向に回り続けるなどの活動性の変化が見られる
・食欲の増加・減退 など
ただし、上記のすべてが認知症を診断するために必要な症状ではなく、一貫性があるとはされていません。どのような症状が見られるかには個体差があります。
■早期発見は難しい?犬の認知症の予兆とは
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犬の認知症の初期症状はささいなものが多く、早い段階ではなかなか気づきにくいです。しかし、さまざまな飼い主さんに体験談を伺ったところ、認知症の予兆として以下のような症状が見られることがわかりました。
認知症の予兆として考えられる症状
・日中、ボーッと壁や天井を見つめている
・声をかけても反応しない
・夜中に突然起きてしばらく寝ない・ウロウロする など
ただし、これらの行動は「いつも」「毎日」見られるわけではなく、「ときどき」「その日だけ」という場合が多いです。
そのため、飼い主さんが「いつもと様子が違うな」と感じても、その後ふだん通りの様子に戻ることが多く、結果、愛犬が認知症と診断されてから、「あのときの違和感が実は認知症の予兆だった」というケースも珍しくありません。
■早期発見のために飼い主さんができることとは
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このように、犬の認知症は初期段階では気づきにくく、早期発見するのは難しい病気といえます。しかし、飼い主さんに犬の認知症に関する正しい知識があれば、ささいな変化にも気づきやすくなるため、早期発見・治療につながることもあるでしょう。
実際のところ、獣医師が短い診察時間のなかで、認知症と判断するのは簡単なことではありません。一緒に暮らしている飼い主さんがささいな犬のサインに気づくこと、そしてその情報の積み重ねが、獣医師にとっても大切な判断材料となるのです。
飼い主さん向けに犬の認知症や介護に関するセミナーもありますし、愛犬の認知症を経験した飼い主さんが書いたブログなどもたくさんあります。愛犬が認知症になったときのことを不安に感じるかたは、これらを利用して犬の認知症について勉強してみてはいかがでしょうか。
■介護疲れする前にまわりの人に相談を
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愛犬が認知症になって介護が必要になると、その大変さから愛犬が元気だった頃の楽しかった思い出が薄れてしまうかたもいます。しかし、それはとてもさみしいことです。
もしも愛犬が認知症になってしまったときは、一人で抱え込まず、まわりの人に相談したり、サポートしてくれる施設やグッズを活用したりしてみてください。多くの飼い主さんが少しでも前向きに認知症と向き合うことができますように。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
取材・文/ハセベサチコ
いぬのきもちWeb編集室
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