オミクロン株に治療薬は効くのか? 点滴薬と飲み薬で違いが…(まとめ) | Just One of Those Things

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もしもの時のための、新型コロナウイルス対策編。

 

今回は、オミクロン株について、まだ全容がわかっていませんが、上がってきていたものから、取り上げます。

 

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オミクロン株に治療薬は効くのか? 専門家の見方は?
2021年12月6日 19時28分 NHK

 

©NHK

6日は、日本国内で3例目となる新型コロナの新たな変異ウイルス、オミクロン株の感染者が確認されました。
また、NHKが6日午後4時時点でまとめたところ、オミクロン株の感染は日本を含め世界の44の国と地域で確認されています。

瞬く間に世界に広がる新たな変異ウイルスに治療薬は果たして効くのか。
これまでに使われている治療薬や開発中の治療薬など、さまざまな治療薬のオミクロン株への効果について専門家に聞きました。


■「点滴薬」と「飲み薬」効果は?

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話を聞いたのは新型コロナウイルスの治療に詳しい愛知医科大学の森島恒雄 客員教授です。
オミクロン株に対する治療薬の効果について、森島客員教授は新型コロナウイルスの表面にある突起「スパイクたんぱく質」を標的にしている点滴薬は、変異がある場所によっては効果に影響が出るおそれがある一方、ウイルスの増殖を防ぐ軽症者用の飲み薬については、効果は変わらないのではないかと指摘しています。

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新型コロナウイルスの治療薬は、
▽ウイルスが細胞に侵入するのを防ぐ薬、
▽細胞に侵入したウイルスが増殖するのを抑える薬、
▽増殖したウイルスに反応する過剰な免疫の働きを抑える薬
の3つのタイプがあります。

 


■細胞に侵入するのを防ぐ薬 “効果に影響出るおそれ”

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国内で承認されている薬のうち「抗体カクテル療法」の薬と「ソトロビマブ」は抗体医薬と呼ばれ、ウイルスが細胞に侵入する際の足がかりとなる、表面にある突起の「スパイクたんぱく質」を標的にして攻撃することで細胞への侵入を防ぎます。

これらの薬は、患者が軽症のうちに重症化を防ぐために点滴で投与されます。

海外で行われた臨床試験では、新型コロナウイルスに感染した人の入院や死亡のリスクが
「抗体カクテル療法」ではおよそ70%、
「ソトロビマブ」ではおよそ79%低下したとしています。

これらの薬のオミクロン株に対する効果について、専門家からはオミクロン株では「スパイクたんぱく質」におよそ30もの変異があることから、標的としているスパイクたんぱく質の部分に変異があれば、細胞へのウイルスの侵入を防ぐ効果に影響が出るおそれがあるとする指摘が出ています。

愛知医科大学の森島恒雄 客員教授は「抗体医薬はスパイクたんぱく質そのものを標的にしているので、今回の変異による影響は大きいと思う。ただ、標的のスパイクたんぱく質がウイルスが変異した部分と重なっていなければ、治療効果が保たれる見込みがあると思われる」と指摘しています。

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ソトロビマブについて、開発したイギリスの製薬大手「グラクソ・スミスクライン」はオミクロン株に似せたウイルスを使った実験の結果、オミクロン株に対しても効果があることが示されているとしています。

 


■細胞内での増殖を防ぐ薬 “オミクロン株でも効果変わらないか”

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一方、細胞に侵入したウイルスが増殖するのを抑えるタイプの薬は細胞内でウイルスが増殖するのに必要な酵素が作られるのを防ぎます。

国内で承認され、中等症や重症の患者に使われている点滴薬「レムデシビル」もこのタイプです。

また、現在、感染した人が自宅などで療養する際にも使えるよう、主に軽症者用の飲み薬としての開発が進められていて、
▽アメリカの製薬大手、メルクが開発し、厚生労働省に承認申請した飲み薬「モルヌピラビル」や、
▽ファイザーが開発し、アメリカで緊急使用の許可を申請した飲み薬「パクスロビド」、
▽塩野義製薬が開発中の飲み薬も同じタイプです。

会社側によりますと、臨床試験では「モルヌピラビル」は入院や死亡のリスクを低下させる効果がおよそ30%で「パクスロビド」はおよそ89%だったとしています。

森島客員教授によりますと、このタイプの薬は細胞内に入ったウイルスに作用する働きがあり、オミクロン株に見られる変異には大きく影響されないと考えられるため、これまでの新型コロナウイルスに対してと効果は変わらないのではないかとしています。

 


■過剰な免疫抑える薬 “治療効果は期待できる”

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さらに、増殖したウイルスに反応する過剰な免疫の働きを抑える「デキサメタゾン」や「バリシチニブ」などの薬については、免疫の反応を抑えるため変異とは関わりなく、効果は変わらないとみられるということです。

森島客員教授は「抗体医薬の治療効果がいきなりゼロになることはなく、どの程度、下がるのかは、実際の治療の現場を見ないと分からない。開発が進む飲み薬については、実際に細胞の中に入ったウイルスが増殖するのを防ぐ仕組みで、治療効果はそのまま期待できると思う。オミクロン株で影響を受けるとしても今後承認された場合には飲み薬、そして抗体医薬を早めに投与し、重症化を防ぐといった治療戦略は変わらない」と話しています。

 


■デンマークでの確認183件 イギリスは246人に

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海外では連日、オミクロン株の感染が相次いで確認されています。

デンマークの保健当局は、5日までに国内で確認された感染例の数が183件となり、2日前までの18件から大幅に増加したと公表しました。
デンマーク保健当局の担当者は「デンマークでは旅行者やその関係者以外でオミクロン株の感染が確認されている」と懸念を示しています。

イギリスでは5日、1日で新たに86人の感染が確認され、これまでの累計では246人となっています。
イギリス政府は、すでに3回目接種については、2回目からの間隔を6か月から3か月に大幅に短縮するなど警戒を強めています。
また保健当局は、オミクロン株では感染した人がほかの人に感染を広げるようになるまでの期間が、短くなっている可能性があるという分析を明らかにし、7日からは入国の規制についてワクチン接種済みかどうかにかかわらず、すべての人を対象に入国前の検査を義務づけると発表しました。

 


■オミクロン株 日本を含め44の国と地域で確認(6日16:00時点)

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NHKが6日午後4時時点でまとめたところ、新たな変異ウイルス、オミクロン株の感染は、日本を含め世界の44の国と地域で確認されています。
【アジア】
日本、香港、韓国、インド、シンガポール、マレーシア、スリランカ、タイ、モルディブ、
【オセアニア】
オーストラリア
【北米】
アメリカ、カナダ
【中南米】
メキシコ、ブラジル、チリ
【ヨーロッパ】
イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、デンマーク、チェコ、オーストリア、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ポルトガル、スイス、アイルランド、ギリシャ、アイスランド、ルーマニア
【中東】
イスラエル、サウジアラビア、UAE=アラブ首長国連邦
【アフリカ】
南アフリカ、ボツワナ、ナイジェリア、ガーナ、ジンバブエ、チュニジア、ザンビア

 


■松野官房長官 3回目接種「一定程度の国民に前倒し可能」

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また感染の第6波に備えて、今月1日から始まった新型コロナのワクチンの3回目接種。
松野官房長官は午後の記者会見で、3回目のワクチン接種で2回目との間隔を短縮する対象などについて「オミクロン株に対するワクチンの効果や、オミクロン株の特徴については、専門家や製薬企業で検証が進められており、できるだけ早期にこれらを見極めたうえで前倒しの範囲や方法をお示ししたい」と述べました。
そして「ファイザーとモデルナのワクチンを用いるが、合わせて1億7000万回分の供給を受ける契約を締結済みであり、総量として必要なワクチンは確保できる見込みだ。モデルナのワクチンを、ファイザーのワクチンを接種した方にも活用することにより、優先度に応じ一定程度の国民に前倒しが可能だと報告を受けている」と述べました。


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米ファウチ博士 オミクロン株 “重症化の度合い高くないか”
2021年12月6日 21時26分 NHK

 

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アメリカ政府の首席医療顧問を務めるファウチ博士は、新たな変異ウイルス、オミクロン株についてCNNテレビのインタビューで、南アフリカからの情報をもとに「これまでのところ重症化の度合いは、それほど高くないようだ」と述べる一方、断定するのは時期尚早だとしてさらなる研究が必要だとする考えを示しました。

ファウチ博士は5日、CNNテレビのインタビューに応じ、新たな変異ウイルス、オミクロン株について、南アフリカからの情報をもとに「これまでのところ、重症化の度合いはそれほど高くないようだ。これは勇気づけられる兆候だ」などと述べました。

一方で「デルタ株ほど、重症化しないと判断するのは相当慎重にならねばならない。決定的なことを言うのは時期尚早だ」と強調し、最終的な判断にはさらなる研究が必要だとする考えを示しました。

このほか、アメリカ政府が国民向けに出している、アフリカ南部の国々への「渡航中止の勧告」については「現在、オミクロン株に関する多くの情報を入手し、注意深く見ている。できるなら妥当な期間内に解除できるようにしたい」と述べました。
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オミクロン株 感染力は?重症化は?分かってきたこと【12/8】
2021年12月8日 18時56分 NHK


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日本を含め、多くの国や地域で確認されるようになってきている新たな変異ウイルス「オミクロン株」。これまでデルタ株より感染力が強い変異ウイルスはありませんでしたが、南アフリカではオミクロン株に置き換わってきているとされています。

感染力は強いのか、感染した場合に重症化するのか?そして、オミクロン株で“第6波”が起きる可能性はあるのか?
いま分かっている情報をまとめました。
(2021年12月8日現在)


■オミクロン株 デルタ株より感染力強い?


新型コロナウイルスは変異を繰り返していて、これまでにも感染力が強かったり、病原性が高く、感染した場合に重症になりやすくなったりする変異ウイルスはありました。

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この夏以降、デルタ株が世界の新型コロナウイルス感染のほぼすべてを占めるようになっています。

世界中の研究機関から、ウイルスの遺伝子配列が登録されるサイト「GISAID」に報告されているのは、この2か月間でも99.8%がデルタ株。

感染力でデルタ株を凌駕する変異ウイルスはこれまでありませんでした。

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それが、オミクロン株を初めて報告した南アフリカでは、デルタ株をしのぐ勢いでオミクロン株の感染の報告が相次いでいます。

11月に行われた遺伝子解析の結果でみると、4分の3がオミクロン株に置き換わっているとみられています。

デルタ株よりも感染力が強いのではないかと警戒が高まっているのです。

遺伝情報を調べてみると、新型コロナウイルスの表面にある突起「スパイクたんぱく質」の変異が30ほどと、これまでの変異ウイルスより多いことが分かりました。

ウイルスが細胞に感染する際の足がかりとなる部分で、細胞により結び付きやすい変異があり、感染しやすくなっていると考えられています。

また、抗体の攻撃から逃れる変異もあります。

こうしたことから、WHO=世界保健機関は、オミクロン株を最も警戒度が高い「懸念される変異株=VOC」に位置づけました。

 


■現在報告されている以上の広がりか

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ヨーロッパではオミクロン株が報告されていない国から入国した人からもウイルスが検出されているほか、遺伝子解析が十分に行われていない国もあります。

このため、国立感染症研究所は、アフリカ地域を中心にオミクロン株の感染がすでに拡大している可能性があると指摘しています。

専門家は、アルファ株やデルタ株が大きく広がったときと同じように、いま見えている数以上に世界各地で感染が広がっているのではないかと懸念しています。

 


■“第6波で広がるおそれ”指摘も


いま、日本は、新型コロナウイルスの感染者数が去年(2020)夏以降で最も少ない状態です。


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しかし、厚生労働省の専門家会合などは、ワクチンの接種から時間がたって効果が弱まることや、気温が下がり感染が拡大しやすい室内の閉めきった環境での活動が多くなることで、感染拡大の“第6波”が起きるおそれを指摘しています。

専門家は、オミクロン株が感染力が高かった場合、ただでさえ感染拡大しやすい季節に“第6波”として広がってしまい、大きな感染拡大になることを警戒しています。

多くの人が感染すると、重症化しやすい人にも感染が広がります。

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このため、この夏の“第5波”などで経験したような医療が危機的な状態になるおそれがあるとしていて、こうしたことからも感染対策を続けるよう呼びかけています。

いま、ワクチン接種を終えた人は80%近くと高くなっていて、これまでの感染拡大の際とは状況が異なりますが、ワクチンを接種した人でも感染するケースもオミクロン株で報告されています。

感染力や感染した場合の重症になりやすさ(病原性)を見極められるまでは、最大限の警戒をするという対応が取られています。

 


■これまでの変異ウイルスとの比較


感染力や病原性など、いま分かっていることをWHOや国立感染症研究所、各国の公的機関などの情報をもとに、ほかの「懸念される変異株=VOC」と比較する形でまとめました。


感染力


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オミクロン株は、スパイクたんぱく質の変異の数から見ると、感染力が強まっている可能性が指摘されています。

WHOは2021年12月7日現在、「これまでの変異ウイルスと比べて増殖しやすいとみられるが、これで感染が広がりやすくなるかはまだ分からない」としています。

WHOによりますと、オミクロン株を最初に報告した南アフリカでは、11月第2週から感染者数が増加していて、11月末の1週間では前の週に比べて2倍以上になったとしています。

 


■病原性


WHOによると、12月6日の時点で、ヨーロッパの18か国で確認された212の感染例すべてが軽症か無症状だったということです。

一方で、南アフリカでは11月末からの1週間で新型コロナの入院患者は82%増加しましたが、オミクロン株の感染者が占める割合は明らかになっていないとしています。

そのうえで、感染者数が増えれば入院患者の数は増えるとして、全体像を把握するにはより多くの情報が必要だとしています。

厚生労働省専門家会合の脇田隆字座長は12月1日の記者会見で、「去年2月の武漢からのチャーター便でも死亡例はありませんでした。病原性はまだ分かっておらず、市中感染しているところの状況を見るなど、慎重に考えるべきだ」と話しています。

また、アメリカ政府の主席医療顧問を務めるファウチ博士は12月5日、アメリカメディアのインタビューで、「重症化の度合いはそれほど高くないようだ」と述べる一方で、断定するには時期尚早でさらなる研究が必要だとする考えを示しました。

国立感染症研究所 感染症危機管理研究センターの齋藤智也 センター長は、12月7日、NHKの「クローズアップ現代+」で、重症化しやすい人たちに感染していない段階かもしれないことや、感染から重症化までは一定の時間がかかることもあり、重症化しやすいかどうか見分けるには少なくともあと2ー3週間かかるとする見方を示しています。
 

 

■再感染のリスク


▽『アルファ株』
→ウイルスを抑える抗体の働きは維持、再感染のリスクは従来株と同じか

▽『ベータ株』
→ウイルスを抑える抗体の働きは減る、ウイルスを攻撃する細胞の働きは維持

▽『ガンマ株』
→ウイルスを抑える抗体の働きはやや減る

▽『デルタ株』
→ウイルスを抑える抗体の働きは減る

▽『オミクロン株』
→再感染のリスクが上がっている可能性があるという報告も

WHOでは、ワクチンや過去の感染によって免疫を持つ人でも再感染しやすくなる変異があるとしています。

南アフリカでは、再感染のリスクが11月にはそれ以前と比べて2.39倍になっているとする研究報告があるということです。

しかし、WHOは再感染のリスクや、ブレイクスルー感染がどの程度起きるか見極めるためには、さらに研究が必要だとしています。
 

 

■ワクチンの効果(ファイザー・モデルナのmRNAワクチン)


▽『アルファ株』
→感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず

▽『ベータ株』
→発症予防・重症化予防ともに変わらず

▽『ガンマ株』
→感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず

▽『デルタ株』
→感染予防・発症予防・重症化予防ともに変わらず
(感染予防・発症予防は下がるという報告も)

▽『オミクロン株』
→不明(※重症化予防効果あるとの見方も)

オミクロン株について、ワクチン接種を完了した人でも感染しているケースが報告されています。

症状は軽症だとされています。

ファイザーとともにワクチンを開発したビオンテックのCEOは、アメリカメディアのインタビューで、オミクロン株に対しても重症化を防ぐ効果がある可能性が高いという見解を示しています。
 

 

■治療薬の効果

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オミクロン株の変異のため、重症化を防ぐために感染した初期に投与される『抗体カクテル療法』に影響が出ないか懸念されています。

一方で、ウイルスの増殖を防ぐ仕組みの飲み薬には影響が出ないのではないかと考えられています。

また、WHOは、重症患者に使われる免疫の過剰反応を防ぐ薬やステロイド剤は、引き続き効果が期待されるとしています。
 

 

感染経路


新型コロナウイルス感染経路は、飛まつや「マイクロ飛まつ」と呼ばれる密閉された室内を漂う小さな飛まつが主で、ウイルスがついた手で鼻や口などを触ることによる接触感染も報告されています。

オミクロン株について、感染力が強まっているおそれはありますが、同様の感染経路だと考えられています。

 


■専門家「第6波の元になっていく可能性も 油断してはいけない」

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ワクチンやウイルスに詳しい北里大学の中山哲夫 特任教授は「国内に入っているという前提で考えないといけない。検査体制を充実させる必要があり、濃厚接触者を追跡できないと、第6波の元になっていく可能性もある。病原性については、感染しても重症化しにくいかどうかはまだはっきりわからない。それなりに感染力が強いと、重症化する人が一定数出てくると考えられるので油断してはいけない」と話しています。

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また、新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博 教授は「感染性に関してはかなり高いことが推定されているが、重症化しやすいかどうかはまだはっきりと結論が得られていない。まだ、オミクロン株で重症化したという報告はほとんどないが、高齢者や免疫不全の人などがどれだけ重症化するのか注意して見ていく必要がある。ワクチンの効果については、弱まったとしても全く効果が無くなるとは考えにくいのではないか。追加接種を粛々と進めていくことが重要になる。また、治療薬について、抗体カクテル療法は効果が下がる可能性はあるので、これからのデータを待たないといけない。開発中の飲み薬は、ウイルスの遺伝子を増幅する酵素や合成に関わる酵素を阻害するもので、オミクロン株でもその部分には変異が入っていないので、効果は維持されるのではないか」と話しています。

 


■これまでと同様の対策を

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オミクロン株は、▽デルタ株より感染力が強く、病原性も高い変異ウイルスなのか、▽感染力は強いものの、重症化の割合は低い変異ウイルスなのか、2021年12月初めの段階ではまだ見極められません。

オミクロン株の起源は分かっておらず、国際的なウイルスの監視網が届いていないところで発生したと考えられています。

現在、感染力や病原性について、世界中で研究が進められていて、WHOや国立感染症研究所などが情報を更新していく予定です。

私たちができる対策はこれまでと変わりません。

厚生労働省の専門家会合も、ワクチン接種の推進に加えて、マスクの着用、消毒や密を避けるといった基本的な対策を続けるよう呼びかけています。
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オミクロン株 “ワクチン後も感染しやすい” 西浦教授ら分析
2021年12月9日 6時11分 NHK

 

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新たな変異ウイルスのオミクロン株は、ワクチンを接種した人や過去に感染した人でも再感染しやすく、南アフリカで急拡大しているとする分析結果を京都大学の西浦博教授らのグループがまとめました。

西浦教授らのグループは、新型コロナウイルスの遺伝情報を登録するウェブサイトに、ことし9月半ばから11月末までに南アフリカから報告された200件余りのデータをもとにオミクロン株の拡大の勢いを分析しました。

8日、厚生労働省の専門家会合に出された報告によりますと、特にオミクロン株が広がっているハウテン州では、1人が何人に感染を広げるかを示す実効再生産数はデルタ株の4.2倍で、データの偏りを補正しても少なくとも2倍以上になったということです。

この値は、減少傾向にあるデルタ株と急増しているオミクロン株を比べた結果で、オミクロン株そのものが持つ感染力はまだ分かっていないとしていますが、南アフリカでワクチンを接種した人や過去に感染した人の割合を踏まえて解析すると、免疫によるオミクロン株に対する感染予防効果は20%程度にとどまっていて、免疫をすり抜ける再感染によって急拡大しているとみています。

西浦教授は「ワクチン接種が進んだ国でもオミクロン株が流行するリスクは高そうだ。今後出される重症度やワクチンの効果など、かぎになる情報を注視している」と話しています。
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3回目のワクチン接種 オミクロン株への効果を専門家に聞いた
2021年12月9日 21時14分 NHK

 

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オミクロン株の出現で、新型コロナウイルスのワクチンの効果が下がるのではないかと懸念されています。

その中で、進められている3回目の接種。接種するワクチンはこれまでと同じで、従来のウイルスに合わせて作られたものです。

オミクロン株が出てきている中で、なぜ、そのワクチンで3回目の接種をするのか、その効果や意義について専門家に聞きました。


■3回目接種始まる オミクロン出現で急ぐところも

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日本国内では2回目の接種を終えた人が80%に迫り、12月1日からは、医療従事者を対象にした3回目の接種が始まりました。年明け以降は、高齢者などに対しても接種が行われます。

この中で変異の数がこれまでのウイルスより格段に多いオミクロン株の感染が各国で広がってきていて、中にはイギリスのように3回目の接種を早めるところも出てきています。

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いま世界各国で接種が進められているワクチンは、従来の新型コロナウイルスに対応して作られたものです。

オミクロン株は、細胞に感染するときの足がかりとなるスパイクたんぱく質に多くの変異があるため、感染を防ぐ中和抗体が結合しにくくなり、効果が下がると懸念されています。
(重症化予防については、アメリカの製薬大手、ファイザーとともにワクチンを開発したドイツの製薬会社、ビオンテックのCEOは、アメリカメディアのインタビューで、オミクロン株に対しても効果がある可能性が高いという見解を示しています)

 


■3回目接種 抗体増でオミクロンに結合するものも


政府の基本的対処方針分科会のメンバーで、国立病院機構三重病院の谷口清州院長は、オミクロン株でワクチンの効果が低下する可能性があるとしても、3回目の接種を行うことに意義はあるとしています。

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谷口さんは「たとえば、ウイルスが変異して中和抗体の効果が4分の1になったとしても、ワクチンを追加接種することで免疫の機能を高めて、中和抗体の量が4倍になれば、ウイルスに結合する中和抗体も増える」と話しています。

ワクチンを追加接種することによって中和抗体の量を増やせば、中にはオミクロン株に結合するものも出てくるというのです。

 


■3回目接種 重症化や感染を防ぐ効果 期待できる

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また、国立感染症研究所感染症危機管理研究センターの齋藤智也センター長も、今月7日に放送された「クローズアップ現代+」の中で、追加の接種で抗体の量、レベルを上げれば、ウイルスの形が異なっていたとしても重症化や感染を防ぐ効果が一定程度期待できるとする見方を示しています。

齋藤センター長は「いま使っているワクチンは、どうしてもだんだんと免疫力、防御力が落ちてしまうため、免疫のレベルを上げて長く持続させるための接種が3回目の接種になる。今のワクチンに合わないウイルスであっても、接種によって、体の中では防御するためのいろいろな抗体が作られる。ぴったり合う抗体ばかりでなくとも、少しでも合うものがたくさんあれば、多少ウイルスの顔つきが変わっていても、全体の防御レベルが上がっていることで、感染や重症化を抑える効果が期待できる」と述べました。

 


■“プライム・アンド・ブースト”

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3回目の接種に期待されるのは、抗体の量だけではありません。

政府分科会のメンバーで、国立病院機構三重病院の谷口院長は、3回目接種で“免疫の記憶”を確立させることも重要なポイントだとしています。

ワクチンは、1回目の接種で、体に備わっている免疫のシステムにウイルスが攻撃対象の「敵」であると認識させます。

これを英語で事前に教えることを意味する「プライム」と言います。

そして、2回目の接種では、何が攻撃対象なのか、その「敵」の記憶を免疫に定着させます。

3回目の接種では、その記憶を強固にして長続きさせるようにします。

3回目の接種は、英語で強化することを意味する「ブースト」と呼ばれています。

敵が何かを教え、その記憶を強化する「プライム・アンド・ブースト」という戦略です。

谷口さんは「変異が重なって新たな変異ウイルスが出現しても、ワクチンを接種して免疫をきちんとつけておけば重症化は避けられるのではないかということは、オミクロン株にも当てはまることだと思う。ワクチンの追加接種は進めていくことが大切だ」と話しています。

 


■3回目までの間隔は短いほうがよい?

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オミクロン株の感染が各国で報告される中、少しでも早く3回目の接種を行うべきでしょうか?

3回目の接種について、厚生労働省は2回目からの接種間隔を原則8か月以上としていて、医療機関や高齢者施設でクラスターが発生した場合などには厚生労働省に事前に相談したうえで施設の利用者や職員に対しては6か月に前倒しできるとしています。

ウイルスやワクチンに詳しい北里大学の中山哲夫特任教授は、オミクロン株に対する効果が低下することを考えても、2回目の接種のあと、6か月から8か月の間に接種するのが妥当ではないかとしています。

一方で、がん治療を受けている人や糖尿病の持病がある人などは、体内に侵入したウイルスなどを攻撃する免疫細胞が働きにくく、免疫力が弱くなっているため、早めの接種も検討すべきだと指摘しています。

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中山特任教授は「透析やがんの治療、免疫抑制剤を使った治療を受けている人たちなどは、2回目の接種をしても、抗体の上がり方や免疫が誘導されるレベルが低い。感染した時に、重症化するかどうかに関わると考えられる免疫細胞も働きにくい。早く接種する必要があるかもしれず、6か月を待たずに接種するかどうか議論する必要がある」と話しています。

一方、接種の間隔をさらに短縮し、イギリスでは2回目の接種から3か月で3回目の接種を進めていることについて、中山特任教授は、イギリスは感染拡大の局面にあり、これ以上感染を広げないためという意味合いが強いと指摘します。

中山特任教授は「イギリスの状況から見ると2回目の接種から3か月、4か月くらいからブレイクスルー感染が増えていく中で、早めに打つことを選んだのだと思う。日本は感染状況が全く違っていて、今のところ、感染がほとんど抑えられているため、3か月、4か月後にワクチン接種をしようということにはならない。日本でも今後、感染が爆発的に拡大し、ブレイクスルー感染が増えてくれば、接種後どのくらいで増えてきているか見極めたうえで、接種間隔の短縮を考える必要が出てくるかもしれない」と話しています。

 


■「2段構え」で考えるべき

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アメリカの製薬大手ファイザーなどは8日、オミクロン株に対するワクチンの効果について、3回目接種で中和抗体の効果が2回接種の場合の25倍になり、従来のウイルスに対する効果と同じ程度に高まったとする初期の実験結果を発表しました。

ワクチンのオミクロン株への効果については3回目の接種の効果を含め、いま世界各国で研究が進められています。

オミクロン株に適合したワクチンが必要になってくる可能性はありますが、そうなった場合、実際に接種できるようになるにはまだ時間がかかります。

国立感染症研究所の齋藤センター長は、3回目の接種を含め、今あるワクチンの効果を確かめながら、今後、必要になればオミクロン株に適合したワクチンの導入を考えるという「2段構え」で考えるべきだと話しています。
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英調査 オミクロン株 追加接種で約70~75%の発症防止効果
2021年12月11日 11時20分 NHK

 

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イギリスの保健当局は、新型コロナワクチンの追加接種について、変異ウイルスのオミクロン株に感染した人の発症をおよそ70%から75%防ぐ効果があるとする初期の調査結果を公表しました。

イギリスの保健当局は10日、変異ウイルスのオミクロン株に感染した581人を対象にした初期の調査結果を公表しました。

それによりますと、対象者には、ワクチンを2回接種した人や追加接種を受けた人などが含まれていて、このうち、2回の接種を受けた場合は、デルタ株に比べて、発症を防ぐ効果は大幅に低かったということですが、追加接種を受けた場合は、およそ70%から75%発症を防ぐ効果があったとしています。

ただし、初期段階の調査であり、追加接種の効果がどのくらいの期間続くのかなど、さらなる調査が必要だとしています。

イギリスでは10日、オミクロン株の感染が新たに448人確認され、累計で1265人となりました。

保健当局は、このままのペースで感染が拡大すれば、今月中旬までにはオミクロン株が感染者の半数以上を占めることになるとみています。

イギリス政府は、来月末までに18歳以上のすべての人が追加接種を終えるよう対応を急いでいます。
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オミクロン株について(まとめ):その1」に続くようなものですが、まだはっきりわからないことがあるため、その2はわかってから取り上げるとします。

 

※国内でも感染者が出ており、海外は感染か下している所が多々ありますが、ここでは取り上げていませんので下記の最新情報ををご覧くださいませ。

 

※ちなみに、イギリスではオミクロン株で死者が出ましたが、感染者が多ければ多いほど重症者や死亡者が出ることだと思います。

 

 

Natureでの論文の新型コロナウイルスについて

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