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今回は、プロに聞いた「避難所の今」 猫と一緒に避難できる?withコロナでどう変わる?【#コロナとどう暮らす】・・・についてです。

 

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プロに聞いた「避難所の今」 猫と一緒に避難できる?withコロナでどう変わる?【#コロナとどう暮らす】
2020/9/1(火) 13:05配信 ねこのきもちWeb編集室


Okssi68/gettyimages


いぬ・ねこのきもちWEB MAGAZINEが2020年7月に行ったインターネット・アンケート調査で、現在犬・猫を飼っている方2,023名に「防災対策で必要な情報とは?」を聞いたところ、「ペットと一緒に避難できる場所について知りたい」という声が最も多く寄せられました。災害の際、最初に頼る場所は、やはり地域で指定されている「避難所」です。


そこで、地域社会とペット産業をつなげるコンサルティングやセミナーを行っている株式会社ジーパウの代表取締役であり、動物福祉活動家&防災士として、全国の避難所や仮設住宅でペットを飼っている人の支援活動を続けている成田司先生に、withコロナ時代の避難所と、愛猫との避難の現状について聞きしました。
 

※2020年8月取材時の内容です。


■避難所の様子と、現実の猫の受け入れ状況は?


――withコロナの今は、災害時に避難所に行くのも不安があります。成田先生は多くの避難所を見ていらっしゃいますが、新型コロナウイルスで避難所の様子に変化はありますか? 

成田先生
 「今年の梅雨の豪雨災害の際に、九州や広島の避難所でペット支援にも関わったのですが、いずれの避難所でも家族単位で仕切りを立て、スペースを広めに取っていました。新型コロナウイルスに感染した場合に重症化しやすいお年寄りを、その他の人たちと分けるなどの工夫もされていて、しっかり感染症対策がされている印象を受けました。このような工夫は避難所の運営側が行うことですが、個人でできる対策として、避難所でもマスク、手洗いをし、除菌スプレーなども持って行くなど、衛生面に気をつけるとより安心だと思います」

 

――災害が起こった時、避難所に猫を連れて行けるのか、猫と一緒に過ごせるかも気になります。実際のところどうなのでしょう?
 

成田先生
 「ペットを連れて避難することを、“同行避難”や“同伴避難”と言います。行政の部署によって使う言葉が異なるために混乱を招いていますが、どちらも基本は同じで、 “災害が起こった時は猫も一緒に逃げましょう”ということ。現在、これが日本の原則になってきています。とはいえ、飼い主と猫が同じスペースにいられる避難所は、まだまだ少ないのが現状です。ペット専用のスペースが設けられている避難所でも、屋内飼育が認められている場合と、屋外にスペースがある場合などさまざまです」


■避難所のルールは、避難してきた人たちによる自治会で決まる

Aksenovko/gettyimages

――どの避難所がペットOKで、屋内飼育施設があるかなどの情報は、どうやって得れば良いのでしょう? 

成田先生
「あらかじめ公表している施設もありますが、避難所の運営は、基本的に行政ではなく、避難所に避難してきた人たちが自治会を作ってルールを決めます。自治会が“ペットは避難所の中には入れない方が良い”と決めれば、ペット不可や屋外での飼育などになります。避難所には不特定多数の人が集まるので、想定されていたルールが途中で変わる場合もあります。お年寄りや乳幼児にとって、ペットは健康リスクになる場合が少なくありません。最初はペットを受け入れていた避難所が、お年寄りや乳幼児の割合が増えたためにペットNGに変わるケースは少なくありません。災害時のため、行政側も1つひとつの避難所の犬猫の扱いに対する詳しい状況までは把握できません。“役所にペットOKと聞いて行ったら、避難所でダメと言われた”という話をよく聞きますが、それはこのような事情のためです。その避難所がペットOKかどうか、どのような施設があるかは、行って確認するのが確実です」


――避難所ではペットフードや、ペットのお世話グッズなどの支給もあるのでしょうか?


成田先生
「災害時の避難施設では、人間の支援が優先されます。そのためペットのための支援は後回しとなる状況が少なくありません。猫の食事や衛生管理は、原則、飼い主が備蓄しておいたもので対応するのが基本です。普段食べているフードで、常温で保存がきくものを少し多めに購入し、備蓄しておきましょう。定期的に中身を確認し、消費期限の短くなったものから普段の食事で利用し、その分を新しく買い足しておくと、常に一定量の食品を備蓄しておくことができます」


――避難所に獣医師はいますか?


成田先生
「多くの場合、地域の獣医師会から獣医師が巡回に来てくれます。同地域の動物病院が被災している場合は、遠方の獣医師が来てくれます。しかしその獣医師にとっては、どの子も初めて診る猫ですし、避難所では検査ができません。必要な支援を得るためにも、愛猫の正確な健康状態を説明できるよう普段から備えておくことが大切です。例えば、普段の糞尿の回数や予防接種歴、食事や運動の様子などをまとめたノートを作っておくと安心です。特にアレルギーや持病がある場合はその詳しい内容、処方薬を飲ませている場合はその名称と服用量なども、かかりつけ医に聞いてメモしておきましょう」


■猫の性格や災害時の様子によっては「在宅避難」の選択も

chrishumphreys1/gettyimages

――地震が起こった時などは、猫も怖がって逃げます。その時、飼い主は猫にどう接すれば、上手に避難できるでしょうか? 

成田先生
「猫は怖いと動けなくなる特性があります。実際に被災した方々に聞くと、“押し入れの奥に隠れて呼んでも出てこなかった”、“倒壊した棚の向こう側でうずくまって捕まえられなかった”という話が多いです」


――隠れて出てこない、捕まえられない、という場合は? 

成田先生
「猫を探している間に余震が来て、自分がケガをしては意味がありません。災害時はまず自分の身を守ることが最優先。自分が助からなければ、猫を守ることもできませんから。猫は猫なりに自分の身を守るので、そういう時は愛猫を信じてその場に残し、自分達は避難所へ向かう決断も必要です。当初の危険がひとまず去った時点で家に戻って猫を探し出し、家が無事ならばそのままそこで世話をすることもできます。猫を室内で自由に動けるような飼育をしている場合は、いざという時に猫がスムーズにキャリーバックやクレートに入るように、普段から慣らしておくことが必要です。部屋にキャリーバックやクレートのドアを開けて置いておき、猫が自由に出入りできるようにしましょう。猫にとって安心な場所になれば、いざという時、自分からそこに逃げ込んでくれる可能性も高くなります」


――家が無事ならば、避難所に行かずに、猫と一緒に在宅避難するという選択肢もあるということですね。

成田先生
「在宅避難が可能であれば、猫のお世話もしやすいでしょう。ただし、災害後の行政による情報や支援の情報、支援物資などは、全て避難所に集まります。避難所に行かないと、そうした情報や支援が手に入りません。在宅避難を選択する場合は、例えば、家族の一人だけ在宅して他の人は避難所に行ったり、1日数回避難所に顔を出したりして、積極的に情報を集めるようにしてください。また、猫は基本的に室内飼いのため、外の世界に慣らす社会化がむずかしい子が多いようです。そのため、災害地域以外に猫を安心して預けることができる場所を確保しておくことも重要となります。被災の状況にもよりますが、生活を立て直すまでの期間はやるべきことが多いため、親戚や家族、友人などと話し合い、協力を得ることも選択しましょう」


■猫の受け入れを増やすためにも、「6割の人たち」に認められる配慮と管理を

 

Natasa Ivancev/gettyimages

――今後、愛猫と一緒に過ごせる避難所が少しずつでも増えていけばうれしいですが、そのために飼い主ができること、気をつけることはありますか? 

成田先生
「“2:6:2の法則”というのがあります。地域社会や避難所では、2割が猫好きな人、2割が猫が苦手な人、残りの6割は、興味はないけど迷惑をかけられるのは嫌といった嗜好傾向があります。猫が苦手な人を猫好きにさせることは困難です。そのため、周囲に迷惑と感じさせない管理を行い、6割の人たちに認めてもらえるようにすることが重要です」


――認めてもらうためには、どのようなことが必要なのでしょうか? 

成田先生
「避難場所でのペットに関するクレームベスト3は、“鳴き声・威嚇” “臭い(体臭・糞尿)” “毛の飛散”です。飼い猫でも知らない人に攻撃的になる猫は多いですし、手入れが足りず体が汚れている猫もいます。そういう猫が多数避難所に来れば、迷惑と感じる人も多くなるでしょう。そうならないように、普段から猫がケージやクレートの中で生活できるように慣らしておくこと、キャリーバックなどに入れて近所をお散歩し、外の環境や不特定多数の人間に慣れさせること(社会化)は、防災を考えるうえで猫にとっても大切なことなのです。猫の室外での社会化については、個体の性格や感染リスク、逃走などがあるため、悩ましい問題です。避難所でのケージでの管理を想定し、できる範囲で慣らしておくことが対策になります。そのうえで、避難所では猫の衛生面に配慮し、責任を持って面倒をみることが必要です。人と上手に付き合える猫がいる避難所では、逆に人々に笑顔が増え、避難所全体が和やかな雰囲気になったという事例もあります。周りの人々もペットが一緒にいることを認め、大切にしてくれるようになります。そのような関係が作れるように、まず飼い主が努力したいですね」


■災害時、もしも猫とはぐれてしまったら?

 

Nils Jacobi/gettyimages

――災害時に愛猫とはぐれた場合は、どうしたら良いでしょうか? 

成田先生
「ペットに関する情報も避難所に集まるので、まず避難所で情報を集めること。そして保健所を訪ねると良いでしょう。
今は災害後に保健所に保護された動物は、飼い主さんがいることを想定して、しばらくの期間預かってくれます。自分の猫が保護されていないか、こまめに確認しましょう。できるだけ早く見つけられるように、普段から対策をしておくことも必須です。マイクロチップを入れて登録しておけば、すぐ個体識別ができるので、長い目で見ると便利です。首輪に迷子札をつけておくだけでも違いますし、最近は、スマホで情報を読み取ることができるQRコード付きの迷子札もあります。猫のメディカル情報や飼い主の連絡先なども入力できて便利です」


■精神的ショックを受けるのは猫も同じ。以前と同じ生活を取り戻しつつ見守って

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――猫も災害によるストレスで、心身の調子を崩すことはあるのでしょうか? 

成田先生「災害に遭った後、ちょっとした物音に異常に怯えるようになったり、逆に攻撃的になったりした子をたくさん見ました。災害によるストレスや精神的ショックを受けるのは、人間も猫も同じです。それによって心の傷が残ってしまうこともあると感じています。もしも、猫の食欲がずっと戻らない、好きなものさえ食べない、どんどん元気がなくなるなど、心配な様子がある場合は獣医さんに相談しましょう」


――猫のストレスや精神的ショックを軽減するために、飼い主ができることはありますか? 

成田先生
「飼い主が不安になると、猫はますます不安になってしまいます。できるだけ飼い主さんが落ち着くことが第一です。そして、普段通りの時間に、いつものフードをあげる。3日に1回ブラッシングしていたならそれを続けるなど、できるだけ前と同じ生活を続けること。災害のストレスを取り除く最も良い方法は、家族との当たり前の生活を取り戻すことだと思います」


taniche/gettyimages


成田先生、ありがとうございました。


避難所の現状や、猫と一緒に避難した場合のリアルな情報を知る機会は、なかなかありません。成田先生のお話はとても具体的でわかりやすく、愛猫との避難を考えるうえで参考になることがたくさんありました。

特に、避難所の運営が自治で行われていること、飼い主の意識やマナーを高めることが、ペット可の避難所を増やす近道であることなどは、とても重要です。


今の日本では、いつ災害が自分の身に降りかかってもおかしくない状況です。できることを1つひとつ行い、いざという時にしっかり猫を守りたいですね。


監修/成田 司先生
防災士・動物福祉活動家。東日本大震災以降、ペット業界・団体の災害担当者として、環境省・地域行政と連携し、発災地域のペットと飼育者の支援活動に従事する。
文/かきの木のりみ(ライター)


ねこのきもちWeb編集室

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