がん:グリオブラストーマの代謝脆弱性 | Just One of Those Things

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前回に引き続き、2019年度の12号目のネイチャーのハイライトより。
 

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がん:グリオブラストーマの代謝脆弱性
Nature 567, 7748
2019年3月21日

ほとんどのがんでは、固有の代謝要求を満たすために細胞代謝の再プログラム化が起こっている。今回L Paradaたちは、グリオブラストーマ(神経膠芽腫)細胞で変化した代謝環境を標的とする薬剤を探すために、これらの細胞を標的とするが類似の正常細胞は標的としない化合物を慎重にスクリーニングして、グリオブラストーマの細胞死を誘導する低分子Gboxinを発見した。Gboxinはミトコンドリアの酸化的リン酸化複合体に結合して、F0F1 ATPアーゼの活性を阻害する。Gboxinは複数のマウスモデルで活性を示し、グリオブラストーマの増殖を抑制したが、正常細胞に対する明確な毒性は認められなかった。

Article p.341
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本論文においては、日本語版本誌においては、「がん:Gboxinはグリオブラストーマを標的とする酸化的リン酸化阻害剤である」と題されています。
 
フルテキストを直訳しますと・・・
 
Gboxinは神経膠芽腫を標的とする酸化的リン酸化阻害剤です
 
となり、Abstractを直訳しますと・・・
 
癌細胞のユニークな代謝ニーズを反映する癌特異的阻害剤はまれです。ここでは、初代マウスおよびヒト神経膠芽腫細胞の増殖を特異的に阻害するが、マウス胚性線維芽細胞または新生児星状細胞の増殖を阻害しない小分子Gboxinについて説明します。Gboxinは、膠芽腫細胞における酸素消費を迅速かつ不可逆的に損なう。 Gboxinは、その正の電荷に依存して、ミトコンドリアの酸化的リン酸化複合体と、内部のミトコンドリア膜のプロトングラジエントに依存し、F_0F_1 ATPシンターゼの活性を阻害します。 Gboxin耐性細胞は、pHを調節し、したがってミトコンドリアマトリックスへのGboxinの蓄積を妨げる機能的なミトコンドリア透過性移行孔を必要とします。代謝的に安定したGboxinアナログの投与は、膠芽腫同種移植片および患者由来の異種移植片を阻害します。 Gboxin毒性は、多様な臓器起源の確立されたヒト癌細胞株にまで及び、癌細胞ミトコンドリアのプロトン勾配とpHの増加が、抗腫瘍試薬の開発で標的となることができる作用機序であることを示しています。
 
となります。
 
フルテキストは下記です。詳細が必要な方はご購入をお願いいたします。
 
Full Text:Article p.341
 
Data availabilityによりますと・・・
 
この調査中に生成または分析されたすべての重要なデータは、この記事に含まれています。追加の補足データは、リクエストに応じて対応する著者から入手できます。
 
 
究極に溜まりに溜まったネイチャー。次回は、「天文学:銀河系中心を貫くX線の「チムニー」」を取り上げます。
 
 
※主治医の指示に従い、休み休み行っておりますので、巡回等ブログ活動が大変遅れております。申し訳ございません。
 
 
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