細胞シグナル伝達:p53に依存した代謝が腫瘍増殖を抑制する | Just One of Those Things

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前回に引き続き、2019年度の11号目のネイチャーのハイライトより。
 

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細胞シグナル伝達:p53に依存した代謝が腫瘍増殖を抑制する
Nature 567, 7747
2019年3月14日

p53は過剰なアンモニアを除去する機能を持つ尿素回路の遺伝子を抑制し、それによってアンモニア代謝を調節していることが、今回P Jiangたちによって明らかにされた。野生型p53を持つ細胞では、アンモニアの蓄積によってオルニチンデカルボキシラーゼ(ODC)の発現が低下し、ポリアミン生合成が阻害される。このような代謝の変化は、p53による腫瘍増殖抑制の一部となっている。

Letter p.253
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本論文においては、「細胞シグナル伝達:p53は尿素回路を介してアンモニア代謝を調節し、ポリアミン生合成を制御する」と題されています。
 
フルテキストを直訳しますと・・・
 
尿素サイクルによるアンモニア代謝のp53調節はポリアミン生合成を制御する
 
となり、Abstractを直訳しますと・・・
 
癌細胞は、その高い生物遺伝学的要求を満たすために、変化した、通常は増加した代謝過程を示します[1,2]。これらの条件下では、アンモニアは同時に代謝処理の増加によって生成されます。しかし、腫瘍細胞が過剰なアンモニアをどのように処分するか、そしてアンモニアの蓄積によってどのような結果が引き起こされるかは不明です。ここでは、ヒト腫瘍で最も頻繁に変異する遺伝子である腫瘍抑制因子p53が、尿素サイクルを抑制することによってアンモニア代謝を調節することを報告します。 CPS1、OTC、ARG1の転写によるダウンレギュレーションを通じて、p53はin vitroおよびin vivoで尿素生成およびアンモニアの除去を抑制し、腫瘍の成長を阻害します。逆に、これらの遺伝子のダウンレギュレーションは相互にMDM2を介したメカニズムによってp53をアクティブにします。さらに、アンモニアの蓄積により、ポリアミン生合成律速酵素ODCのmRNA翻訳が大幅に低下し、それによってポリアミンの生合成と細胞増殖が阻害されます。一緒に、これらの調査結果はp53を尿素生成とアンモニア代謝にリンクし、さらにポリアミン生合成と細胞増殖の制御におけるアンモニアの役割を明らかにします。
 
となります。
 
フルテキストは下記です。詳細が必要な方はご購入をお願いいたします。
 
Full Text:Letter p.253
 
Change historyによりますと・・・
 
2019年5月14日この書簡の図1cでは、ラベルp53^ + / +とp53^-/-が誤って入れ替えられました。元の図はオンラインで修正されています
 
 
究極に溜まりに溜まったネイチャー。次回は、「細胞生物学:始原的なcGAS経路」を取り上げます。
 
 
※手探り状態ですが、主治医の指示に従って、休み休みで行っておりますので、巡回等ブログ活動が大変遅れて要ります。申し訳ございません。
 

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