前回に引き続き、2019年度の2号目のネイチャーのハイライトより。
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古気候学：ゆりかごを揺らす気候
Nature 565, 7738
2019年1月10日
古気候学：ゆりかごを揺らす気候
Nature 565, 7738
2019年1月10日
南アフリカ・ヨハネスブルクの北西に、ヒト族の記録が集中した「人類のゆりかご」と呼ばれる地域がある。ところが、この地域の遺跡の数々には、崩壊した洞窟であるために全ての堆積物が混ざり合っており、洞窟堆積物の正確な年代測定が極めて困難だという問題がある。R Pickeringたちは、これらの洞窟の多くにフローストーン（石筍および鍾乳石）の非常に厚い堆積層があり、これらにウラン–鉛放射年代測定法を用いることが可能であることに気付いた。化石を伴っているのは、フローストーンとフローストーンの間のそれらに挟まれた堆積物層である。彼らは今回、さまざまな洞窟のフローストーンの年代を測定し、それらの相互関係を統計学的手法によって明らかにすることにより、人類のゆりかごの有効な時系列を得ている。これは多くの点でヒト族の記録と一致するが、一致しない点もある。フローストーンは形成するのに水が必要で、洞窟が外界から閉ざされた湿潤期に成長した。一方、化石を含む堆積物は、気候が乾燥して侵食が大きくなり、洞窟が開放された時期に蓄積した。これは、人類のゆりかごの化石記録が乾燥した天候に適応した動物相へと大きく偏ることを意味している。
Letter p.226
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南アフリカの「人類のゆりかご」地域の洞窟の1つに見られる、分厚いフローストーンの層（白っぽい部分）とその下の堆積物の層（褐色の部分）。
Credit: Robyn Pickering
Credit: Robyn Pickering
■鍾乳洞 - Wikipedia（フローストーン（流華石））
本論文においては、日本語版本誌では、「古気候学：フローストーンのU–Pb年代測定によって乾燥気候期に限定された南アフリカの初期ヒト族の記録」と題されています。
フルテキストを直訳しますと・・・
U–Pb日付のフローストーンは、南アフリカの初期の人類の記録を乾燥気候期に制限します
となり、Abstractを直訳しますと・・・
南アフリカの人類のゆりかご（ゆりかご）は、アウストラロピテクス、パラントロプス、およびホモ[1]を代表する化石人類の豊富なコレクションを保存しています。これらの化石の年代は論争的であり[2,3,4]、南アフリカの人類の記録が人間の進化の仮説をテストするために使用できる程度を危うくしました。ただし、炭酸カルシウム（フローストーン）の水平層のウラン鉛（U-Pb）分析は、堅牢な年代学を取得する潜在的な機会を提供します[5]。 Flowstoneは遍在する洞窟の特徴であり、古気候のコンテキストを提供します。なぜなら、それらは効果的な降水量が増加した段階でのみ成長するためです[6,7]。ここでは、8つのクレードル洞窟のフローストーンが、320万年から130万年前の6つの狭い時間間隔にまで遡ることを示します。カーネル密度の推定値を使用して、29 U–Pbの年齢をフローストーン成長間隔の単一レコードに結合します。給水量の増加、より広範な植生被覆、および少なくとも部分的に閉じた洞窟により、流石の邪魔されずに半連続的な成長が可能になった場合、これらを主要な湿潤相と解釈します。介入時間は実質的に乾燥期であり、その間、ヒト族の化石や他の化石が開いた洞窟に蓄積しました。より乾燥した間隔に制限された化石の保存は、したがって、人類の進化の歴史と行動の見方を偏らせ、人類を比較的乾燥した適応動物相のコミュニティに置きます。洞窟の閉鎖の期間は南アフリカの化石記録に一時的なギャップを残しますが、流石自体は地元および汎アフリカの気候変動性に関する貴重な洞察を提供します。
となります。
フルテキストは下記です。詳細が必要な方はご購入をお願いいたします。
Full Text：Letter p.226
Data availabilityによりますと・・・
著者は、この研究の結果を裏付けるすべてのデータが、論文および補足情報内で入手可能であることを宣言しています（補足情報および補足表1を参照）。
究極に溜まりに溜まったネイチャー。次回は、「微生物遺伝学：イエメンでのコレラのエピデミックを追跡する」を取り上げます。
