量子物理学: 宇宙空間での精密干渉法に向けて | Just One of Those Things

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前回に引き続き、2018年度の43号目のネイチャーのハイライトより。

 

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量子物理学: 宇宙空間での精密干渉法に向けて
Nature 562, 7727
2018年10月18日   

ボース・アインシュタイン凝縮体は、原子気体が絶対零度に近い温度まで冷却されると生じ得る、物質の量子状態である。そうした量子状態は、その特性から、非常に小さい慣性力の検出に最適であるため、重力に起因する加速度の測定に用いることができる。今回M Lachmannたちは、宇宙空間でボース・アインシュタイン凝縮体を初めて生成した。彼らは、観測ロケットが打ち上げられてから6分間宇宙飛行する間に100以上の実験を行うことによって、宇宙空間での低温原子実験の実施に関するさまざまな知見を得ている。そうした知見を利用すれば、宇宙空間で稼働する重力波検出器の開発が可能になるかもしれない。

Letter p.391
News & Views p.351
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ボースアインシュタイン凝縮とは何か(PDF)

ボース・アインシュタイン凝縮を宇宙空間で実現 | Natureダイジェスト(注:購読契約をしている方しか全文を読めません)

 

この論文はネイチャーのニュースにも取り上げられました。

 

日本語版の本誌では「量子物理学:物質波による宇宙の探索」と題され、見出しにおいては「今回、ボース・アインシュタイン凝縮体と呼ばれるエキゾチックな極低温気体が、宇宙空間で生成され、調べられた。こうした気体を用いて、宇宙の性質を極めて高い精度で調べる量子センサーを作製できる可能性がある。」と取り上げられています。

 

フルテキストを直訳しますと・・・

 

物質波で宇宙を探る

 

となり、見出しを直訳しますと・・・

 

ボーズ・アインシュタイン凝縮体として知られているエキゾチックな超冷気体が宇宙で生産され研究されてきた。そのようなガスは、宇宙の性質を極めて正確に調べる量子センサーを構築するために使用することができます。
 

となります。

 

フルテキストは下記です。

 

Full Text:News & Views p.351

Exploring the Universe with matter waves

 

本論文においては、日本語版の本誌では「量子物理学:精密干渉法向けの宇宙で形成されたボース・アインシュタイン凝縮体」と題されています。
 

と題されています。フルテキストを直訳しますと・・・

 

精密干渉法のための衛星搭載Bose ‐ Einstein凝縮

 

となり、Abstractを直訳しますと・・・

 

宇宙における低重力条件のために、宇宙飛行実験室は自由落下時間を延長した実験を可能にする。ボーズ - アインシュタイン凝縮体は非常に低い膨張エネルギーを持っているので、ボーズ - アインシュタイン凝縮に基づく宇宙伝搬原子干渉計は、同様の地上ベースの干渉計よりはるかに大きい慣性力に対する感度を持つ可能性があります。 2017年1月23日、観測ロケットのミッションMAIUS-1の一環として、ボーズ・アインシュタインの凝縮物を宇宙で作成し、レーザー冷却や大きな加速度の存在下での原子の捕獲など、物質波干渉法を中心に110の実験を行いました。打ち上げ中に経験した。ここでは、熱アンサンブルからボーズ・アインシュタイン凝縮体への相転移と、結果として生じる凝縮体の集団ダイナミクスを調べた、6分間の宇宙飛行中に行われた実験について報告します。我々の結果は、精密干渉法のような、宇宙での冷原子実験の実行への洞察を提供し、衛星ベースの実装のための冷原子と光子ベースの量子情報概念の小型化への道を開く。さらに、衛星搭載のボーズ・アインシュタイン凝縮は、低重力条件下での量子ガス実験の可能性を切り開きます[1,2]。
 

となり、Mainを「Fig」が出る前まで直訳しますと・・・

 

重力場の存在下での物質波などの量子系の研究[3]は、一般相対論[4]と量子力学の理解を深めるのに役立ちます。物質波干渉計で慣性力を測定する感度は、原子が干渉計に費やす時間の2乗に比例するため[5]、干渉計内の原子の自由落下が長くなると、感度が大幅に向上します[1,6]。これに関連して、「デルタ - キック」コリメーション[9,10,11]と組み合わせてBose-Einstein凝縮[7,8]によって得られたピコまたはフェムトケルビンスケールの拡大エネルギーを持つゆっくり広がる集団は、より長い間干渉計に残り、したがって不可欠です数十秒のオーダーの時間スケールにわたる干渉計です。精度と精度を組み合わせるには、関連する大きなコヒーレンス長のアンサンブルが必要です[1]。
 

となります。

 

フルテキストは下記です。

 

Full Text:Letter p.391

Space-borne Bose–Einstein condensation for precision interferometry

 

 

究極に溜まりに溜まったネイチャー。次回は、「物性物理学: ディラックフェルミオンの加速を画像化する」を取り上げます。

 

 

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