神経科学: 運動で生じる音を抑える仕組み | Just One of Those Things

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前回に引き続き、39号目のネイチャーのハイライトより。

 

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神経科学: 運動で生じる音を抑える仕組み
Nature 561, 7723
2018年9月20日     

発声や歩行など、自分自身の運動によって音が生じるが、運動に関連した信号が聴覚系の多くのレベルで活動抑制をかけることが一因となって、自分の立てる音が正常な聴覚を妨害することはない。今回R Mooneyたちは、より恣意的で柔軟な音響挙動によって引き起こされる聴覚活動の抑制を学習する神経回路を探求した。彼らが開発した音響バーチャルリアリティー(aVR)システム中で、マウスは自身の移動運動と特定の音を関連付けることを学習した。in vivo電気生理学的方法と二光子画像化法を用いることで、aVRの経験により徐々に特定の周波数への聴覚皮質応答の選択的抑制が起こるようになることが分かった。この抑制は、運動中にのみ起こり、聴覚視床では見られず、聴覚皮質の可塑性の運動依存的な1つの形と一致する。この可塑性は行動的適応性を持ち、それはこの訓練を受けたマウスが、運動中に再求心性音以外の音を感知する能力を高めていたことから分かる。これらの知見から、聴覚皮質は、運動によって生じる予測可能な音を選択的に抑制するよう、経験によって形成されると考えられる。

Letter p.391
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一次聴覚野 - Wikipedia

 

本論文においては、日本語版の本誌では「神経科学:運動に起因する音の抑制を学習する皮質のフィルター」と題されています。

 

見出しを直訳しますと・・・

 

特定の音の周波数を自発運動と関連づけるためのマウスの訓練は、運動中の聴覚皮質可塑性の形態と一致して、運動中のその周波数に対する皮質反応の選択的抑制をもたらす。
 

となります。

 

フルテキストを直訳しますと・・・
 

運動の音響的影響を抑制することを学ぶ皮質フィルタ
 

となり、Abstractを直訳しますと・・・

 

音は環境から発生する可能性があります。また、声を出したり、歩いたり、音楽を演奏したりするなど、私たち自身の動きの多くからも予想通りに発生します。通常の聴覚には、これらの運動に関連した(関連する)音を予測して環境音と区別する能力が不可欠ですが、私たちの運動から生じる恣意的で変化しやすい音を予測することを学ぶ神経回路はほとんど知られていません。ここでは、マウスが新しい音をその運動運動と関連づけることを学習する音響バーチャルリアリティ(aVR)システムを開発しました。これにより、関連する音を抑制し、この予測可能な感覚運動の行動的影響を調べることを学ぶ神経回路メカニズムを特定できます経験。我々はaVRの経験が徐々にかつ選択的に、反対の緊張に反応する聴覚皮質抑制性ニューロンの運動皮質活性化を強化することによって、反対の頻度に対する聴覚皮質反応を抑制することを見出した。 aVRを経験したマウスは運動中に非関連性の音を検出する能力が増強されたので、この可塑性は行動的に適応的である。まとめると、これらの知見は、運動の予測可能な音響的影響を選択的に抑制するために経験によって形作ることができる聴覚皮質への運動皮質入力を含む動的感覚フィルタを説明している。
 

となります。

 

フルテキストは下記です。詳細が必要な方はご購入をお願いいたします。

 

Full Text:Letter p.391

A cortical filter that learns to suppress the acoustic consequences of movement

 

究極に溜まりに溜まったネイチャー。次回は、「再生: 脊髄を治療する」を取り上げます。

 

 

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