幹細胞: 皮膚再生のための再プログラム化 | Just One of Those Things

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前回に引き続き、38号目のネイチャーのハイライトより。

 

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幹細胞: 皮膚再生のための再プログラム化
Nature 561, 7722
2018年9月13日    

皮膚の潰瘍や創傷は上皮構成要素を置換することで治癒が可能である。栗田昌和(米国ソーク生物学研究所ほか)たちは今回、創傷部に存在する間葉系細胞を、角化細胞の指定に関与する4つの転写因子によって再プログラム化することにより上皮細胞を得る方法を開発した。マウスで、これらの因子を創傷部にin vivoで導入すると、上皮化と皮膚再生が誘導されたことから、さらなる改善や安全性の監視により、この手法でヒトの創傷治癒を改善できる可能性が示唆される。

Letter p.243
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間葉系幹細胞 - Wikipedia
角化細胞とは - コトバンク

in vitroとin vivo|研究用語辞典|研究.net

 

in vivo再プログラム化によって、生体の機能的な器官である皮膚が今回初めて再生されました。
 

本論文は、日本語版の本誌では「幹細胞:創傷部に存在する細胞のin vivo再プログラム化により皮膚上皮組織を作り出す」で取り上げられています。

 

見出しを直訳しますと、
 

ケラチノサイト細胞の運命を特定する4つの転写因子は、マウスの創傷内在性間葉系細胞のin vivoでの再プログラミング、上皮化および皮膚上皮組織の再生を促進します。
 

となります。

 

本論文を見て行きましょう。直訳すると、

 

創傷内在細胞のin vivo再プログラミングは皮膚上皮組織を生成する
 

Abstractを直訳しますと・・・

 

大きな皮膚潰瘍は、重篤な場合には生命を脅かす[1,2]。世界の人口が高齢化するにつれて、非治癒性潰瘍が益々一般的になっています[1,2]。治療は現在、皮膚移植片のような既存の上皮成分の移植、または培養細胞を用いた治療を必要とします[2]。ここで我々はこれらの種類の創傷の治療のための表皮被覆の代替供給を開発する。創傷居住間葉細胞のin vivoでのリプログラミングを使用して拡張可能な上皮組織を生成しました。皮膚 - 細胞系譜を特定する4つの転写因子の形質導入は、マウスの皮膚潰瘍の表面からの効率的かつ迅速な新規の上皮化を可能にした。我々の調査結果は、皮膚創傷を治療するための新たな治療手段を提供する可能性があり、組織の恒常性と修復が損なわれている他の病気の状況に拡張することができます。
 

本論文のフルテキストは下記になります。

 

Full Text:Letter p.243

In vivo reprogramming of wound-resident cells generates skin epithelial tissue

 

究極に溜まりに溜まったネイチャー。次回は、「植物科学: わずかな違いがシグナル伝達の大きな違いにつながる」を取り上げます。

 

 

※明後日までは確実に多忙であるかと思います。ブログ活動が大変遅れておりますが、申し訳ございません。

 

 

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