iPSでがん治療 理研・千葉大、年内にも治験へ~iPS細胞でがん治療…「頭頸部」患者に治験へ | Just One of Those Things

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科学オタクの主婦が科学物のデータを集めて取り上げております、科学もの報道データ編。昨年は災害が続いたことから、取り上げられないまま、たまりまくっております。
 

今度は最近のものです。

 

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iPSでがん治療 理研・千葉大、年内にも治験へ
科学&新技術 社会
2019/1/10 18:16 日本経済新聞

理化学研究所と千葉大学病院は2019年にも、iPS細胞からがんを攻撃する免疫細胞を作り、顔から首にかけてできるがんを治療する臨床試験(治験)を始める。早ければ今秋にも国に届け出る。免疫を活性化させることでがんの縮小を目指しており、公的保険の適用を見据えている。
 
治験は医師主導で手掛ける。対象となるのは鼻や口、舌、顎、のど、耳などにできるがんの総称である「頭頸(とうけい)部がん」。国内では、がん患者全体の約5%を占める。
 
計画では、他人のiPS細胞からナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)という免疫細胞を大量に作り、患部付近に注入する。NKT細胞はがん細胞を攻撃するだけでなく、他の免疫細胞を活性化させて攻撃力を高める働きがある。
 
治験は再発して標準的な治療法では効果が見込めない患者3人で実施する。iPS細胞から作ったNKT細胞をまず3000万個注入し、副作用などを勘案しながら計3回投与する。
 
NKT細胞は血液1~10ミリリットルの中に1個ほどしかない。理研の古関明彦チームリーダーらは、無限に増やせるiPS細胞からNKT細胞を大量に作る手法を開発。マウスを使った実験で、がんの増殖を抑えるなどの効果を確認した。
 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39868640Q9A110C1000000/
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ナチュラルキラー細胞は、最近、ネイチャーで取り上げましたね。(参照

 

と思ってブログ内を検索してみたら、結構な量、過去に取り上げていました(苦笑)

 

今回は「ナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)」です。

 

ナチュラルキラーT細胞 - Wikipedia

おまけ:記憶免疫機能を持つナチュラルキラーT(NKT)細胞を発見 -長期間生存し、2度目の抗原侵入に強力に反応-(2014年8月19日
理化学研究所)

NKT細胞(ナチュラルキラーT細胞) | 新横浜かとうクリニック

 

NHKの夕方からの報道で幾度も観たのですが、データには上がってきませんでした。なので、他の所も調べました。

 

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iPS細胞でがん治療…「頭頸部」患者に治験へ
2019年01月10日 12時50分 読売新聞

 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から特殊な免疫細胞を作り、顔や首にできる「頭頸部とうけいぶがん」の患者に投与する臨床試験(治験)を、理化学研究所と千葉大学のチームが年内にも始める計画であることがわかった。免疫力を高めてがん細胞の縮小を目指す治療法で、iPS細胞を使ったがん治療の治験は国内では例がないという。
 
 頭頸部がんは、鼻や口、喉、あご、耳などにできるがんの総称で、日本ではがん全体の5%程度を占める。
 
 治験を計画しているのは、理研生命医科学研究センターの古関明彦・副センター長、岡本美孝・千葉大教授(頭頸部腫瘍学)らのチーム。計画では、健康な人のiPS細胞から、免疫細胞の一種「ナチュラルキラーT(NKT)細胞」を作製。この細胞をがん患部につながる血管に注入する。対象は手術などが困難な再発患者3人。最初に3000万個を注入し、副作用などを見ながら細胞数を変えて計3回投与する。2年かけて安全性や効果を調べる予定。
 
https://www.yomiuri.co.jp/science/20190110-OYT1T50056.html
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わかりやすい図は、上記のURLで確認できます。ヨミドクターではNHKの報道されていた詳しい説明が報道されていました。

 

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iPS細胞でがん治療、「頭頸部」患者治験へ…理研・千葉大チーム
2019年1月10日 読売新聞ヨミドクター

 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から特殊な免疫細胞を作り、顔や首にできる「 頭頸部とうけいぶ がん」の患者に投与する臨床試験(治験)を、理化学研究所と千葉大学のチームが年内にも始める計画であることがわかった。
 
 免疫力を高めてがん細胞の縮小を目指す治療法で、iPS細胞を使ったがん治療の治験は国内では例がないという。
 
 頭頸部がんは、鼻や口、喉、あご、耳などにできるがんの総称で、日本ではがん全体の5%程度を占める。
 
 治験を計画しているのは、理研生命医科学研究センターの古関明彦・副センター長、岡本美孝・千葉大教授(頭頸部腫瘍学)らのチーム。計画では、健康な人のiPS細胞から、免疫細胞の一種「ナチュラルキラーT(NKT)細胞」を作製。この細胞をがん患部につながる血管に注入する。対象は手術などが困難な再発患者3人。最初に3000万個を注入し、副作用などを見ながら細胞数を変えて計3回投与する。2年かけて安全性や効果を調べる予定。
 
 NKT細胞は、自らがん細胞を攻撃する上、他の免疫細胞を活性化する働きを持つとされる。頭頸部がんの患者自身のNKT細胞を培養し、患者に戻す同大の臨床研究では、1回の投与でがん細胞が最大3~4割縮小したという。しかし、NKT細胞は血液中に0・1%程度しかなく、培養にも時間がかかるため、繰り返し培養して投与するのは難しかった。
 
 こうした課題を解決するため、古関氏らは無限に増えるiPS細胞に着目。人の血液からNKT細胞を採取し、いったんiPS細胞にして大量に増やした後、再びNKT細胞に戻す方法を開発した。この細胞をマウスに投与した結果、がんの増殖が抑えられた。今回の治験で安全性に問題がなければ、有効性を調べる治験に移る。肺がん治療への応用も検討している。
 
 日本がん免疫学会理事長の河上裕・慶応大教授の話「NKT細胞はがんを攻撃する他の免疫細胞を誘導する可能性も報告されており、腫瘍が縮小するだけでなく、生存期間も延びれば、有効な治療法となりうる」
 
■iPS治療の安全性確認、長い目で
 
 人のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った免疫細胞「ナチュラルキラーT(NKT)細胞」でがん治療を目指す理化学研究所・千葉大チームの臨床試験(治験)計画は、iPS細胞を使った新たな「免疫療法」となる可能性がある。
 
 チームの岡本美孝・同大教授によると、進行した頭頸部(とうけいぶ)がんでは、抗がん剤と放射線を組み合わせた治療が主に行われているが、患者の半数は再発するとされ、新たな治療法が求められているという。
 
 iPS細胞は、無限に増える上、免疫細胞など狙った細胞を作れる。青井貴之・神戸大教授(幹細胞生物学)は「効率よく免疫細胞が作れるiPS細胞を『免疫療法』に活用するのは非常に有効だ」と話す。がん治療への応用を目指した研究は京都大などでも行われている。
 
 iPS細胞には、「がん化の恐れ」という共通の課題がある。今回、投与するNKT細胞は、元は他人の細胞のため、がん細胞を攻撃した後に拒絶反応によって排除され、がん化などの悪影響はないとみられるが、治験で慎重に確認する必要がある。
 
 iPS細胞を使った再生医療を巡っては、昨年、京都大が国内初の治験をパーキンソン病で始めるなど、動きが活発化している。期待は大きいが、長い目で効果や安全性を見極めていくことが求められる。(科学部 伊藤崇)
 
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20190110-OYTET50005/
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調べてみると、理化学研究所は、iPS細胞を用いてがんの治療をする研究を昔から行っています。

 

がん細胞を殺すT細胞をiPS細胞化し若く元気なT細胞に再生 -がんの免疫療法を革新する可能性-- 理化学研究所

2013年1月4日

共同発表:がん細胞を殺すT細胞をiPS細胞化し若く元気なT細胞に再生

2013年1月4日

 

成功することを心から祈ります。

 

次は、究極に溜まりに溜まった恒例のネイチャーを取り上げます。

 

 

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