「ゲノム編集で誕生認めず」国の部会 指針案を了承~研究者「批判かまわない」 | Just One of Those Things

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科学オタクの主婦が危機感から一人でこねまくっております、危機管理シリーズ。・・・になりました。

 

ゲノム編集の双子誕生か、中国~“ゲノム編集ベビー”問題批判続発」より、続きます。古い順から取り上げます。

 

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「ゲノム編集で誕生認めず」国の部会 指針案を了承
2018年12月4日 18時20分 NHK

中国の研究者がゲノム編集した受精卵から双子を誕生させたと主張し、国際的な問題となる中、国内のルールを検討する国の部会は4日、ゲノム編集した受精卵から子どもを誕生させることを認めないなどとする指針の案を了承しました。
 
4日開かれた国の「生命倫理・安全部会」では、中国の研究者が、ゲノム編集で遺伝子を操作した受精卵から双子を誕生させたと主張した香港での国際会議について、参加した委員から報告がありました。
 
この国際会議では、行き過ぎた研究をどう規制するのか議論が行われ、罰則を含む法律など厳しいルールを設けるべきといった意見が相次いだことなどが説明されました。
 
部会では、国内でヒトの受精卵に対して行うゲノム編集については、生殖医療の向上のための基礎研究に限って認め、操作した受精卵から子どもを誕生させることは認めないなどとした指針の案を了承しました。
 
国際会議の報告をした早稲田大学の甲斐克則教授は「日本では、罰則を含まないものの、指針ができることは意義がある。しかし、今回と同じような事例が続けば法律による規制など厳しいルールが必要になる可能性がある」と話していました。
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妥当かと思われます。

 

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“ゲノム編集で双子誕生” 研究者「批判かまわない」
2018年12月6日 12時35分 NHK

中国の研究者が「ゲノム編集」で遺伝情報を書き換え、双子が産まれたと主張している問題で、この研究者がことし10月に、別の研究者に「年末までに重要な論文を発表する。ヒトに応用することが重要で、批判されてもかまわない」などと話していたことが分かりました。
 
中国の南方科技大学の賀建奎准教授は11月、ゲノム編集でヒトの受精卵の遺伝情報を書き換えて、双子が産まれたと主張し、中国当局は「法や規則などに違反している」と指摘して、活動の停止を指示しています。
 
この問題をめぐって、賀准教授が公にする前、4回にわたって面会した生命倫理の専門家、アメリカ・スタンフォード大学のウィリアム・ハールバット教授が5日、NHKの取材に応じました。
 
ハールバット教授によりますと、賀准教授は去年1月に「動物の受精卵でゲノム編集を行う計画がある」と話し、ことし10月には「年末までに重要な論文を発表する。ヒトに応用することが重要で、批判されてもかまわない」などと話したということです。
 
ヒトの受精卵でゲノム編集を行うとは言わなかったということですが、ハールバット教授は「賀准教授は科学の知識はあったが、自身の行為によって引き起こされる問題を自覚していなかったのではないか」と話しています。
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賀准教授は本当に科学の知識に網羅し長けていたのでしょうか?

 

私は疑問です。

 

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日本の学会、中国人研究者を批判 「ゲノム編集の子」で
編集委員・瀬川茂子、小宮山亮磨
2018年11月30日15時53分 朝日新聞デジタル
 
 中国・南方科技大の賀建奎副教授が、ゲノム編集によって遺伝子を改変した受精卵で双子を誕生させたと主張していることについて、日本ゲノム編集学会は30日、「事実であれば、倫理規範上も大きな問題がある」と批判する声明を出した。日本医師会と日本医学会も「医学的必要性や妥当性がなく、安全面からも大きな問題がある」とする共同声明を発表した。
 
 ゲノム編集学会の声明は、今回の中国のケースは所属大学にすら報告せず実施しており、「研究の自由の範囲を逸脱し、生まれてきた女児の人権に大きな問題を起こす可能性がある」と指摘。ゲノム編集技術は有効性と安全性が確立されておらず、影響が子孫に引き継がれる可能性がある受精卵に使うことは、現段階で決して許されることではないとした。
 
 中国関係当局には、厳密で透明性のある調査、対応を望むとした。日本でも国内のガイドラインを守り、倫理規範に従って研究が推進されることを求めた。
 
 日本遺伝子細胞治療学会も声明を出し、ヒトの生殖細胞や胚(はい)のゲノム編集の臨床応用を禁止すべきだとする立場を、改めて示した。
 
 一方、柴山昌彦文部科学相は閣議後の会見で、情報収集に努めるとともに、ヒトの受精卵をゲノム編集する研究の指針を速やかに策定する考えを示した。そのうえで「臨床応用については技術的安全性、倫理的課題双方のさらなる検討が必要だ」と、認識を述べた。(編集委員・瀬川茂子、小宮山亮磨)
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これまで、ネイチャーで様々なゲノム編集法が発表されているのですが、一般的に用いられているのはネイチャーの論文「遺伝学: 狙った標的を改変するEvolvR」でも説明に取り上げられていた「CRISPR」です。
 
より
を見ると、
【HIV に感染した夫の精子から洗浄で HIV を除去し、未感染の妻から卵子を採取して、受 精後にゲノム編集を行うために CRISPR-Cas9 タンパク質と sgRNA を注入することで、 HIV が感染するのに重要な遺伝子(CCR5 遺伝子)を破壊したようです。】
とあります。
「CRISPR」ではなく、「CRISPR-Cas9」です。
 
ネイチャーの論文の参考資料に取り上げられていた、
で書かれてある通り、
 
CRISPR-Cas9は、自然界に存在しないまったく新しい酵素で、通常、DNAのひとつの塩基対を挿入したり削除したりするために、DNAのらせん状の鎖を切断するものを、この「一塩基編集」と呼ばれる手法では、DNAの鎖を切らずに修正を行うことができます。
 
ただ、ヒトでも動物でも、ペトリ皿の上の細胞でも、あらゆるDNAの断片を別の断片に自由に置き換えられるわけではありません。
 
これまでも様々な手法がありましたが、新たなCas酵素が発見される可能性もあり・・・。
 
様々な手法の中で、CRISPR-Cas9が最良の技術かどうかは、時間が経ってみなければわかりません。ある世代の研究者たちを触発した最初の技術、というだけの存在に終わる可能性もあります。
 
さまざまな用途に対して、どの技術が最も適しているかはまだわかりません。

 

で、「解説:今回行われたとされるゲノム編集の概要について」を読むと、今は置き換わって、簡単な説明になっていますが、実は、昨日の朝は詳細がありまして、その副作用はとても恐ろしいものでした・・・。その副作用には何パターンかありました。

 

それが置き換わったのは、日本においてはゲノム編集は食産物で行われているので、置き換えたのだと思われます。食産物のゲノム編集に関しては、次回取り上げます。

 

実は「ゲノム編集ベビーは嘘だった」・・・が真実であることを祈ります。ご両親は賛同したかもしれませんが、子供たちが抱えるものが大きすぎます。「ゲノム編集の子」という言葉を引用されるのも心が痛みます。

 

丁度、去年のネイチャーダイジェストの記事を見つけました。ご参考程度に・・・。

ヒト胚を用いたゲノム編集研究の倫理性確保

 

※多忙につき、相変わらずブログでの対応が遅れていますことを、心からお詫び申し上げます。
 

 

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