ゲノム編集の双子誕生か、中国~“ゲノム編集ベビー”問題批判続発 | Just One of Those Things

Just One of Those Things

Let's call the whole thing off

科学オタクの主婦が危機感から一人でこねまくっております、危機管理シリーズ。・・・になるのかな?(苦笑)。

 

中国の研究者の方は、免疫細胞のストップスイッチを無くすゲノム編集をして、病を無くすことができると喜んでいましたが、日本の有識者に危険だと指摘されたことがありますよね。よく考えましょうよ。今度は、生命倫理と人権倫理等の倫理に引っかかりますよ。

 

古い順から追います。

 

----------------------------------------------------------
ゲノム編集の双子誕生か、中国
11/26(月) 15:53配信 共同通信
 
 【ワシントン共同】中国の研究者が遺伝子を自在に改変できるゲノム編集技術を人の受精卵に適用し、今月に双子の女児が誕生したと主張していると、AP通信が26日報じた。エイズウイルス(HIV)への感染防止目的で行ったという。事実ならば「生命の設計図」とも言われる遺伝子を人為的に書き換えられた人が生まれた初の報告例となる。
 ゲノム編集技術を受精卵に応用すれば、予期せぬ影響が後世に引き継がれる恐れがあり、現時点では慎重な意見が多い。倫理的な是非が問われるのは必至だ。論文などは発表されておらず、実施を疑問視する研究者もいる。
----------------------------------------------------------

 

事実ならば遺伝子を人為的に書き換えられた人が生まれた初の報告例となりますが、それも当然、倫理に引っかかるから誰もやっていないのです。

 

----------------------------------------------------------
中国でゲノム編集による双子の女児誕生か、倫理的問題巡り内外から批判
11/27(火) 13:03配信 Bloomberg

中国の研究者1人が、遺伝子改変を施した赤ん坊を世界で初めて誕生させたと主張しているとAP通信が報じた。事実なら倫理的な境界を越える行為で、保健当局や他の科学者から批判の声が上がっている。
 
APによると、この研究者は中国南部・深圳市にある南方科技大学の賀建奎氏で、同氏は今月生まれた双子の女児について、人の受精卵に遺伝子を改変できる「ゲノム編集」を施したと説明。 エイズウイルス(HIV)への感染防止が目的だったという。
 
報道を受け、中国の一部医療機関は否定的な見方を示し、国家衛生健康委員会は地方当局に調査を指示した。
 
賀氏の主張の場は科学会議や医学誌ではなくユーチューブの動画で、透明性を欠くとして海外からも批判が寄せられている。賀氏はコメントできないと同氏のスポークスマンが語った。
 
賀氏はAPに対し、深圳和美婦児科医院から認可を受けたと述べたが、同院を所有する香港上場企業は認可の付与について関知していないと同社の取締役1人が明らかにした。この取締役によれば、病院側は現在、状況を確認しようと緊急対応を講じている。
 
同取締役は「政府からの承認が必要だ」と指摘。「こうした大事について政府の承認なしに物事を前に進める病院があるとは思えない」と語った。
 
原題:Claim of Gene-Edited Twins in China Ignites Ethics Backlash (3)(抜粋)
Bruce Einhorn, Daniela Wei, Rachel Chang, Naomi Kresge
----------------------------------------------------------

 

事実なら、完全に倫理を逸脱しています・・・。

 

----------------------------------------------------------
中国 “ゲノム編集で双子誕生” の動画 倫理的手続き不明
2018年11月27日 6時20分 NHK
 
中国の研究者が「ゲノム編集」と呼ばれる遺伝情報を自在に書き換える技術を使って、エイズウイルスに感染しないようヒトの受精卵を操作し、実際に双子の赤ちゃんが誕生したと主張する動画を26日公開しました。研究者が所属する大学は、事実とすれば倫理上問題があるとして調査に乗り出し、中国政府も地元の担当部門に調査を指示しました。
 
中国南部、広東省深セン※にある南方科技大学の賀建奎准教授は、「ゲノム編集」という技術を使って、エイズウイルスに感染しないようヒトの受精卵の遺伝子を操作し、今月、双子の赤ちゃんが誕生したと主張する複数の動画を日本時間の26日、インターネットの動画サイトに投稿しました。
 
ヒトの受精卵のゲノム編集は遺伝性の病気の治療につながると期待される一方、影響が予測しきれないことなどから倫理上問題があるという指摘があり、アメリカでは、将来的には透明性を確保したうえで数世代にわたって追跡調査を行うなど厳しい条件のもとでのみ容認しうる、としています。
 
今回は研究内容をまとめた論文が示されておらず、倫理的な手続きも明らかになっていません。
 
南方科技大学は「賀准教授の研究は学術における倫理と規範に著しく違反している」とする声明を発表し、事実とすれば問題があるとして調査に乗り出しました。
 
中国政府も、研究が本当に行われたのか調査し結果を公表するよう、広東省の担当部門に指示しました。
※「セン」は土偏に川。
 
■生命倫理研究者「とてつもない人権問題」
 
生命倫理が専門の北海道大学の石井哲也教授は「生まれた子どもにどのような健康問題が生じるのか検証がされていないので、悪影響が出たときには取り返しがつかず、とてつもない人権問題となる。中国国内の指針でもこうしたことは禁止されているはずで、どのような手続きで行われたのか検証する必要がある。こうした人体実験のようなことは国内でも海外でも行うべきではない」と強く非難しています。
 
ゲノム編集開発者「安全対策できるまで停止すべき」
 
ゲノム編集の技術を開発したカリフォルニア大学のジェニファー・ダウドナ教授は「中国の研究者の主張が本当だとしたら、世界中の科学者が、慎重に、透明性を確保したうえで取り組みを進める中で逸脱した行為だ」とするコメントを出しました。
 
一方、ヒトの細胞でのゲノム編集に世界で初めて成功したアメリカのブロード研究所のフェン・チャン博士は「ゲノム編集を使わなくても子どもへのエイズウイルスの感染を防ぐ効率的な方法はすでに確立されている。今回のように受精卵の遺伝子を操作することは、メリットよりもリスクのほうがはるかに大きい。十分な安全対策ができるまではヒトの受精卵への応用は停止すべきだ」とするコメントを出しました。
 
アメリカを代表する研究者で作る「アメリカ科学アカデミー」は2017年、ゲノム編集の応用をどこまで認めるべきか、中国の研究者も加わって2年近くにわたり議論したうえで報告書をまとめました。
 
報告書では、ゲノム編集のヒトの受精卵への応用について、影響が世代を超えて受け継がれるなど倫理的な懸念がある一方、遺伝性の病気の治療につながる可能性があることから、将来的にはほかに治療の選択肢がない場合、透明性を確保し、数世代にわたる追跡調査を行うなど厳しい条件のもとで実施を容認しうるとしています。
----------------------------------------------------------

 

ゲノム編集ベビーを作らなくても、HIVの対応策するだけのものは研究で進め続けられているのに・・・。(理論上、克服は可能です。研究されつくされれば対応できるはずです。)

 

----------------------------------------------------------

「ゲノム編集で双子」は完成していない技術 反対声明検討
2018年11月27日 17時56分 NHK

中国の研究者が「ゲノム編集」と呼ばれる遺伝子の操作をヒトの受精卵に行い、双子の赤ちゃんが誕生したと主張していることを受けて、日本の専門家でつくる学会は、まだ完成していない技術で世代を超えた影響が出るおそれがあるとして、早急に事実関係を確認し、強く反対する声明を出す方向で検討を始めました。
 
中国の大学の研究者は26日、「ゲノム編集」という最新の技術を使って、ヒトの受精卵の遺伝子を操作し、双子の赤ちゃんが誕生したと主張する動画をインターネットに投稿し、所属する大学は倫理的な問題があるとして調査に乗り出しています。
 
これについて、がんの遺伝子治療などの研究者でつくる日本遺伝子細胞治療学会は、こうした研究がさらに行われるのを防ぐために、強く反対する声明を出す方向で検討を始めました。
 
学会では、今回の問題点として、ゲノム編集は技術的に完成していないため意図しない改変が起き、そうした改変が世代を超えて受け継がれ、人類の進化に影響を及ぼすおそれがあるとしています。
 
また、こうした研究は技術の段階的な進歩と並行した社会的な議論を踏まえて行われるべきもので、そうした手順がない中での実施はあってはならないフライングだとしています。
 
日本遺伝子細胞治療学会の藤堂具紀理事長は「早急に事実確認をしたうえで、理事会のメンバーで協議し、立場を明らかにしたい」と話しています。
----------------------------------------------------------
 
中国でも批判が相次いでいます。ホッと安心したところです。
 
----------------------------------------------------------
“ゲノム編集ベビー” 中国でも批判相次ぐ
2018年11月27日 20時35分 NHK

中国の研究者が「ゲノム編集」と呼ばれる技術でヒトの受精卵の遺伝情報を書き換え、実際に赤ちゃんが誕生したと主張していることに対して、中国国内でも批判が相次いでいます。
 
中国南部、広東省深セン※にある南方科技大学の賀建奎准教授は、「ゲノム編集」という遺伝情報を書き換える技術を使ってエイズウイルスに感染しないよう受精卵を操作し、今月、双子の女の子が誕生したと主張する動画を、26日インターネット上に投稿し、海外の研究者などからは、事実とすれば安全性や生命倫理の点で問題があるという指摘が出ています。
 
こうした中、中国国内では26日、科学者など120人余りが連名で「人体実験であり、常軌を逸していると言わざるをえない。計り知れないリスクがあり『パンドラの箱』が開かれた」とする声明を出しました。
 
そのうえで、公表された内容について「科学者として断固反対し、強く非難する」と批判しています。
 
このほか、感染症の専門家や細胞生物学の学会も反対の声明を出すなど、中国国内では批判が相次いでいます。
 
一方、国営の中国中央テレビも、政府が広東省の担当部門に調査を指示したと伝えるなど、国としても事態を注視していることが伺えます。
 
動画を投稿した賀准教授は、香港で開かれている国際会議に28日出席する予定で、今回公表した内容について発言するのか注目されています。
 
※センは「土」偏に「川」
----------------------------------------------------------
 
当然、「倫理に反する」などと世界中から戸惑いと批判の声が上がっています。
 
----------------------------------------------------------
ゲノム編集で双子誕生も批判噴出…何が?
11/28(水) 17:56配信 日本テレビ系(NNN)

受精卵の「ゲノム編集」でエイズウイルスに感染しにくい赤ちゃんを誕生させたという、中国の研究者。前代未聞の発表に批判の声が噴出する中、28日、関連学会に研究者本人が登場。何を語ったのだろうか?
 
    ◇
 
ゲノム編集とは、遺伝情報を書き換える事。中国の研究者がこれを使って、世界で初めて双子を誕生させたと公表した。「倫理に反する」などと世界中から戸惑いと批判の声が上がっている。
 
発表したのは、広東省深センにある南方科技大学の賀建奎准教授。ある不妊治療中のカップルの男性がエイズウイルスに感染していた。そこで2人の「受精卵」を作ってこれを「ゲノム編集」し、生まれてくる赤ちゃんがエイズウイルスに感染しにくくなるようにしたと賀准教授は言っている。この双子は数週間前、誕生したと公表した。
 
■受精卵に「ゲノム編集」とは?
 
受精卵にある遺伝子、これによって目の色や髪の色、体質など体の全てが決まっている。この中の「操作したい」遺伝子に狙いを定めてハサミ役の物質を送りこんで切断。別の遺伝子と置き換えるなどする、これを「ゲノム編集」という。賀准教授は、これをやってエイズウイルスに感染しにくくしたという風に公表している。
 
Q:今回は「遺伝情報を根本的に変えた」という事が問題なのか?
 
そういう事だ。受精卵をゲノム編集する事はタブーなので、発表が本当だとすると「一線を越えた」事になる。今回、賀准教授は学会や論文の発表をする前に、突然ゲリラ的に動画配信をした。どんな説明をしているのだろうか。小西美穂キャスターが解説する。
 
※詳しくは動画でご覧ください。(news every.「ナゼナニっ?」より)
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20181128-00000070-nnn-int
----------------------------------------------------------
 
Yhhoo!ニュースの記事の削除は早いですので、今なら上記のリンクから動画を見ることができます。
 
問題視される理由は、想定外の遺伝子変異などで、予期せぬ影響が世代を超えて伝わる恐れがあることや、親が望む能力や容姿を持つ「デザイナーベビー」作りにもつながりかねない、といったことなども挙げられます。
 
----------------------------------------------------------
<中国>「ゲノム編集で出産」 影響、世代超えて伝わる恐れ
11/28(水) 20:00配信 毎日新聞

 ゲノム編集で遺伝子改変した子を誕生させる行為が問題視されるのは、想定外の遺伝子変異などで、予期せぬ影響が世代を超えて伝わる恐れがあるからだ。また、遺伝子の修復と改良との差は紙一重のため、親が望む能力や容姿を持つ「デザイナーベビー」作りにもつながりかねない。
 
 ◇法規制、日本は遅れ
 
 日本では、政府の生命倫理専門調査会が2016年、遺伝子改変した受精卵の母胎への移植は「容認できない」とする見解を示し、研究指針の整備を進めているが、法的な規制はない。医療行為として実施した場合も規制の対象にならない。
 
 海外では英国やフランス、ドイツなどが法的に禁止している。一方、米国科学アカデミーは昨年、「代替手段がない」「深刻な疾患を防ぐ目的」など厳しい条件を満たす場合のみ臨床応用も認める報告書をまとめている。
 
 今回の中国人研究者の発表に対し、ゲノム編集技術の開発者の一人、米国のジェニファー・ダウドナ氏は「医学的必要性を満たしていない」と批判する声明を発表。日本ゲノム編集学会長の山本卓(たかし)・広島大教授は「遺伝子改変した受精卵を子宮に戻さないという国際的合意をないがしろにする行為。本当に生まれたのなら子どもへの人権侵害にもなる。日本でも臨床での具体的な規制を検討していくべきだ」と指摘した。【千葉紀和】
----------------------------------------------------------
 
中国政府の対応は、ヒトの受精卵の取り扱いについての政府指針に違反している疑いがあるとして本格的な調査を開始。近く本人からも事情を聴く方針とみられます。
 
----------------------------------------------------------
<中国>「ゲノム編集で双子」政府指針違反の疑いで調査開始
11/28(水) 18:59配信 毎日新聞

 ◇近く本人からも事情を聴く方針
 
 【北京・浦松丈二】中国の研究者が遺伝子を改変できるゲノム編集技術をヒトの受精卵に適用し、双子の女児が誕生したと主張していることについて、中国政府は、ヒトの受精卵の取り扱いについての政府指針に違反している疑いがあるとして本格的な調査を開始した。近く本人からも事情を聴く方針とみられる。28日付の中国各紙が報じた。
 
 研究者は南方科技大(広東省深セン)の賀建奎(がけんけい)副教授。不妊治療をしていた7組のカップルの受精卵に、エイズウイルス(HIV)感染を抑止するための遺伝子改変を施し、うち1組が双子の女児を今月初めに出産したとしている。
 
 中国政府の科学技術省と国家衛生計画出産委員会が調査に乗り出した。南方科技大も副教授の研究室を封鎖し、現場を保存して調査に協力している。
 
 報道によると、賀副教授の行為は、中国科学技術省などの指針「人胚胎幹細胞研究倫理指導原則」などに違反している。指針の第6条は、ゲノム編集技術などを施したヒトの受精卵を14日以上培養したり、ヒトや動物の子宮に戻したりすることを禁じている。
 
 また、双子が生まれたとされる深セン市内の病院は体外受精や人工授精を施すことができる医療施設リストに載っておらず、規定違反の疑いがある。一方、病院側は副教授への協力を否定している。
 
 この問題では、中国科学技術協会など研究者団体が相次いで副教授の行為が倫理に違反していると批判する声明を出している。
----------------------------------------------------------
 
んー。これは科学界の大問題になりますね。次のネイチャーでも取り上げられるかもしれません。
 
----------------------------------------------------------
<中国>「ゲノム編集で双子」研究者、説得力ある説明せず
11/28(水) 19:43配信 毎日新聞

 中国の研究者がゲノム編集技術を使ってヒトの受精卵の遺伝子を改変し、双子が生まれたと主張している問題で28日、香港で開催中の国際会議で本人が研究の経緯を発表した。だが、双子の実在を示す具体情報は明らかにせず、出産の真偽は不明のまま。研究の妥当性も説得力のある説明がなく、会場から批判的な意見が相次いだ。
 
 研究者は深セン・南方科技大の賀建奎(がけんけい)副教授で、ゲノム編集をテーマに学術団体が主催する会議に登壇。公の場での初の発言となった。賀氏は、7組のカップルの受精卵計31個についてエイズウイルス(HIV)感染を抑止するよう遺伝子を改変。うち1組から健康な双子の女児が誕生したという。胎盤などの遺伝情報を解析し、目立った異常がないことを確認したという。論文は近く投稿するとし、もう一人の妊娠の可能性も明かした。
 
 医学的・倫理的な問題点や透明性の欠如を問う会場の質問に、賀氏は「この技術を求めている人が大勢いる」などと主張。カップルの同意を得る過程について、「米国の複数の専門家の協力や助言を得た」とも述べた。
 
 会議に出席した堀田秋津(あきつ)・京都大主任研究員は「子供が本当に生まれたのか詳細に分からず、なぜ正規の審査を経なかったのかなどの疑問にも答えていない。きちんと手続きを踏んでいたら母胎に戻すことは許されないはずだ」と話した。【須田桃子、荒木涼子】
----------------------------------------------------------
 
これは、本当に一大事ですね。
 
※多忙につき、相変わらずブログでの対応が遅れていますことを、心からお詫び申し上げます。(参考:おしらせ:その後の我が家のニャンコについて
 
 

ペタしてね