免疫学: ミトコンドリアRNAの自己認識 | Just One of Those Things

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前回に引き続き、33号目のネイチャーのハイライトより。
 

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免疫学: ミトコンドリアRNAの自己認識
Nature 560, 7717
2018年8月9日    

今回N Proudfootたちは、ミトコンドリア二本鎖RNAが細胞質に放出されると、インターフェロン応答を誘導し得ることを報告している。細胞質の二本鎖RNA受容体による自己認識は、ミトコンドリアの二本鎖RNAヘリカーゼのSUV3やエキソリボヌクレアーゼのPNPアーゼが関与する恒常性機構によって阻止されており、これらは共に細胞質にミトコンドリア二本鎖RNAが蓄積するのを防いでいることが分かった。この経路の調節異常は、全身性エリテマトーデスやアイカルディ・ゴーシェ症候群などのI型インターフェロンシグネチャーを持つ自己免疫疾患に関与する可能性がある。

Letter p.233
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ミトコンドリアRNAとは - 生物学用語 Weblio辞書

補足:ミトコンドリアDNA - Wikipedia

細胞内におけるミトコンドリアRNAの可視化検出法の開発

ミトコンドリア DNA 複製の常識の一端が覆る- ミトコンドリア DNA 複製開始には遺伝的組換え開始と共通の装置がはたらく -(PDF)

small RNA二本鎖のATP依存的なRISC積み込み反応はHsc70/Hsp90シャペロンマシナリーによって媒介される

インターフェロン - Wikipedia

インターフェロン応答:バイオキーワード集|実験医学online

Toll様受容体 - Wikipedia

自然免疫系 RNA 受容体 TLR8 - J-STAGE Home(PDF)

Toll様受容体8はRNAの分解物を認識する ~ウリジンが活性化に必須~

3. 自然免疫系におけるDNAセンサー(PDF)

ヘリカーゼ - Wikipedia

エキソリボヌクレアーゼとは - 生物学用語 Weblio辞書

エンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼの違い

JP2013514797A - ヌクレオシド合成のための耐熱性生物触媒組合せ(PNPアーゼ)

全身性エリテマトーデス(SLE)(指定難病49)

全身性エリテマトーデス - Wikipedia

アイカルディ症候群

KEGG DISEASE: アイカルディ-ゴーシェ症候群

アイカルディ症候群とはどんな病気? | メディカルノート

I型インターフェロン - Wikipedia

2016年 Pediatric Dermatology|Dermado デルマド |(I型インターフェロンシグネチャー)

※注:医療関係者しか見れません。

 

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免疫学:ヒトにおいてミトコンドリアニ本鎖RNAは抗ウイルスシグナル伝達を開始させる
Nature 560, 7717 |  Published: 2018年8月9日 |

ミトコンドリアは、細胞内共生細菌の末裔であり、コンパクトな環状ゲノムなど、原核生物の本質的な特徴を残している。そのため哺乳類では、ミトコンドリアDNAは双方向性の転写を受けて、重複する転写産物を作り出し、それらが長い二本鎖RNA構造を形成できる。しかし、我々が知る限り、ミトコンドリア二本鎖RNAのin vivoでの特徴は、これまでに明らかにされていない。今回我々は、非常に不安定で固有のミトコンドリア二本鎖RNA種が存在することを単一細胞レベルで示し、デグラドソームの構成要素であるミトコンドリアRNAヘリカーゼのSUV3やポリヌクレオチドホスホリラーゼのPNPアーゼが、ミトコンドリア二本鎖RNAのレベルを制限する際に担っている重要な役割を明らかにする。どちらかの酵素を喪失すると、ミトコンドリア二本鎖RNAが大量に蓄積してPNPアーゼ依存的に細胞質に流出する。この過程は、MDA5駆動型の抗ウイルスシグナル伝達経路に働き掛けてI型インターフェロン応答を開始させる。これらのデータと一致して、PNPアーゼをコードするPNPT1遺伝子のハイポモルフ変異を持つ患者では、ミトコンドリア二本鎖RNAの蓄積と、インターフェロン誘導遺伝子群や他の免疫活性化マーカーの発現上昇が見られた。PNPアーゼは、ミトコンドリアの膜間腔やマトリックスに局在することから、ミトコンドリア二本鎖RNAの形成および細胞質への放出を防ぐという二重の役割を持つと考えられる。これは次に、微生物やウイルスの攻撃から脊椎動物を保護するように進化した強力な自然免疫による防御機構の活性化を防止する。
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エキソソーム複合体 - Wikipedia(デグラドソーム)

(デグラドソームに似た構造を持ちます)

KAKEN — 研究課題をさがす | 齲蝕原因菌が生成する新規タンパク複合体デグラドソームの環境適応に果たす役割

ハイポモルフ - meddic

細胞外マトリックス - Wikipedia

 

溜まりに溜まった恒例のネイチャー。次回は、遺伝学より、 狙った標的を改変するEvolvR、を取り上げます。

 

 

※多忙につき、相変わらずブログでの対応が遅れていますことを、心からお詫び申し上げます。

 

 

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