撮像技術: 二次元材料のための高分解能電子顕微鏡法 | Just One of Those Things

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Let's call the whole thing off

30号目のネイチャーのハイライトより。

 

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撮像技術: 二次元材料のための高分解能電子顕微鏡法
Nature 559, 7714
2018年7月19日  

今回、高感度の電子検出器と、タイコグラフィーと呼ばれる回折撮像技術を組み合わせて、二次元材料を損傷させることなく調べるのに十分に低いビームエネルギーで、情報限界がわずか0.4 Å以下の画像を得たことが報告されている。単層MoS_2と、一方のシートが他方のシートに対して回転しているねじれたMoS_2二重層が調べられた。この二重層の構造によって、2つの原子間の最小分解距離を調べることができた。今回の成果は、低いビーム電圧であっても、従来の電子撮像技術と比較して、画像分解能とコントラストをかなり向上させることができると主張するものである。この方法は、線量の影響を受けやすい他の材料のサブオングストロームの特徴を明らかにする効率的な手段となる可能性がある。

Article p.343
News & Views p.334
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NewView™ 9000 3D光学表面プロファイラー

JAXA ISS 応用利用研究拠点 | 超分子構造解析学研究室

 

サブオングストロームについての参考文献しかないですが・・・。

 

撮像技術より、記録破りの顕微鏡が登場しました。

 

今回、従来の方法で実現できるより高い分解能で撮像し、電子ビームによる損傷を受けやすい脆弱な物質の研究に適した電子顕微鏡が開発されました。

 

この論文はネイチャーのニュースにも取り上げられました。

 

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撮像技術:深サブオングストロームの分解能に達する二次元材料の電子タイコグラフィー
Nature 559, 7714 |  Published: 2018年7月19日 |

収差補正光学によって可能になった原子分解能の電子顕微鏡は、ナノスケール構造を特性評価するための汎用的でしばしば不可欠なツールとなっている。従来、画像の分解能は、レンズの開口数(α)を大きくしビームエネルギーを高めることによって改善されており、最先端の300 keVの電子顕微鏡はこの方法で深サブオングストローム(すなわち0.5 Å未満)の領域へ入りつつある。二次元(2D)材料は、大きな運動量移行による変位損傷を避けるため、より低いビームエネルギーで撮像されるので、空間分解能は約1 Åに制限されている。今回我々は、透過電子の完全な分布を記録するのに必要なダイナミックレンジを有する電子顕微鏡ピクセルアレイ検出器と、全位相空間からの位相情報を復元する全フィールドタイコグラフィーを組み合わせることによって、空間分解能を、従来の開口数で制限される分解能を大きく上回るまでに向上させた。80 keVのビームエネルギーでのタイコグラフィック再構成によって、従来の撮像法では0.98 Åにしか届かない電子線量と撮像条件で、MoS2中の単原子欠陥の画像のコントラストがかなり向上し、5αに近い情報限界に達した。これは、アッベの回折限界分解能の0.39 Åに相当する。
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凄いことになってきそうですね・・・。
 
溜まりに溜まったネーチャー、次回は、心血管生物学より、静脈から動脈への細胞運命切り換えの研究、を取り上げます。
 
今からまわりますね・・・。
 

 

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