材料科学: マルチ燃料型セラミック燃料電池の未来 | Just One of Those Things

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Let's call the whole thing off

昨日に引き続き、19号目のネイチャーのハイライトより。

 

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材料科学: マルチ燃料型セラミック燃料電池の未来
Nature 557, 7704
2018年5月10日  

燃料電池は、化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換する。水素は最も一般的な燃料であり、現在市場に出ている燃料電池車は全て水素を動力源として用いている。プロトンセラミック燃料電池(PCFC)は、より一般的な固体酸化物燃料電池よりも低い温度で動作するが、長期耐久性がまだ確認されていない。今回R O’Hayreたちは、炭化水素やアルコールなどの11種類の燃料でPCFCを直接動作させる試験を数千時間にわたって行い、PCFCデバイスの構成や構造を変える必要がなかったことを報告している。この試験には、通常は燃料電池にとって有害な硫化水素を含む燃料を供給した際の動作が含まれる。今回のPCFCの耐久性は、アノードの耐コーキング性と耐硫黄性に由来する。実施された耐久性試験が市場導入や技術目標に必要な時間スケールに近いことから、今回のPCFCが商業化を実現できる対象となる可能性があることが示唆される。

Letter p.217
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経済の分野からですが、プロトンセラミック燃料電池の資料は下記になります。
 
プロトンセラミック燃料電池は、日本では研究中の段階で、たいして資料がないので、燃料電池のものをとりあげます。
 
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材料科学:耐久性、耐コーキング性、耐硫黄性が高く多様な燃料に対応できるプロトンセラミック燃料電池
Nature 557, 7704 |  Published: 2018年5月10日 |

プロトンセラミック燃料電池は、より高い温度で動作する固体酸化物燃料電池と同様に、水素燃料と炭化水素燃料の両方を直接使用して50%以上の効率で発電できる可能性がある。これまでの直接炭化水素燃料電池の研究の大半は、酸素イオン伝導性電解質を用いる固体酸化物燃料電池に重点を置いていたが、そうした燃料電池を炭化水素や硫黄を含んだ燃料で直接動作させると、炭素析出(コーキング)や硫黄被毒が起こることが多く、時間とともに性能が大幅に劣化する。複数の研究で、炭化水素燃料を用いるプロトンセラミック燃料電池における優れた性能と耐コーキング性が示唆されているが、長期耐久性は系統的に調べられていなかった。今回我々は、水素、メタン、家庭用天然ガス(硫化水素を含むものと含まないもの)、プロパン、n-ブタン、i-ブタン、イソオクタン、メタノール、エタノール、アンモニアという合計11種類の燃料を用いて、500~600°Cの温度で、プロトンセラミック燃料電池の長期試験を行った結果を報告する。複数の電池について6000時間以上にわたって試験を行ったところ、全ての燃料で、電池の構成や構造を変えることなく非常に優れた性能と耐久性(大半の事例で劣化が1000時間につき1.5%未満)が実証された。また、これらの電池は大きな温度変動に耐え、数千時間の連続動作後もコーキングは見られなかった。さらに、低温燃料電池にとっても高温燃料電池にとっても有害であることが知られている硫黄を商業用燃料と同じレベルで供給しても、プロトンセラミック燃料電池の性能に影響はなさそうに見受けられた。今回のプロトンセラミック燃料電池で実証された燃料柔軟性と長期耐久性は、この技術の有望性と商業的応用の可能性を浮き彫りにしている。
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ネイチャーが溜まっている状態で、なぜプロトンセラミックを取り上げるのか?・・・それは、この技術の有望性と商業的応用の可能性があるからです。んー、私の脳はどうなっているのでしょうか?(笑) まずは車の話になりそうで、ほかの話に、飛び火する前に、やめておきます。家庭用天然ガスに使えるというのは、なかなかおいしいですね(こう考えるのも、ちと異常?)。いいのよ、どうせ、科学オタクだからw・・・と爆発したところで、次に行きます。
 
明日は、進化学よりヒト科の起源関連のものをとりあげます。中には失望する方もおられるかもしれませんが、現段階においての科学で立証されたものをとりあげますので、ご了承くださいませ。
 
 

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