また寝落ちして、寝過ごして遡っての更新をしないように、起きているうちに予約投稿しておきます（笑）。
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＜解説＞冥王星にメタンの砂丘を発見、なぜ驚き？
6/4(月) 15:20配信 ナショナル ジオグラフィック日本版
■拡大画像に指紋のような模様、これまでの予測を覆す発見
冥王星の極寒の平原では不可思議なことが起きている。数百の隆起が等間隔で並んでいる様子は、巨大な地球外生命体が氷の表面に残した指紋のようにも見える。研究者はこのほど科学誌『サイエンス』に、この奇妙な地形はメタンの「砂」でできた砂丘であると報告した。
これは驚くべき発見だ。砂丘は風の作用によって形成される地形だが、科学者たちは、冥王星では大気が希薄なため、砂丘を形成するほど強い風は吹かないだろうと考えていたからだ。
論文の共著者で、太陽系全域で風が作る地形を研究している米ブリガムヤング大学のジャニ・ラデボー氏は、「冥王星やその他の天体に砂丘があるということは、つまりその天体に粒子を動かせるだけの大気と、動く粒子があるということを意味しています。冥王星では、その粒子は砂粒サイズのメタンの氷です」と言う。
科学者たちは、NASAの探査機「ニューホライズンズ」が2015年に冥王星を訪れた際に撮影した画像中に砂丘を発見した。場所は、白いハート形に見えるトンボー領域の西半分（掲載写真の中央部分）。「スプートニク平原」と呼ばれる広大な氷の平原の北端に、メタンからなる隆起部が連なっているのを見つけた。白っぽい色をした直線状の隆起部の長さは約20キロにもなることがあり、合計面積は約800平方キロになる。
凍ったメタンの「砂」を運んで地球の砂丘に似た地形を作った風は、スプートニク平原の縁に沿ってそびえる山脈からこの氷の平原に向かって吹き下ろしているようだ。これらの風は砂丘に対して垂直に吹き、スプートニク平原に黒っぽい筋を残しているため、科学者たちは風向きをたどることができた。
スプートニク平原は主に柔らかい窒素の氷でできているため、メタンの砂は付近の3000メートル級の山々の冠雪から来たものと、科学者たちは考えている。
凍った山頂や氷原に太陽の光が当たると、氷は液体にならずにじかに気体になり（昇華）、メタン粒子は冥王星の希薄な（しかし量は多い）大気中に上昇してゆく。空中に浮かんだ粒子は、秒速8～11メートルの卓越風によって運ばれる。
こうして形成された砂丘の高さはまだ不明だが、科学者たちは、砂丘はかなり新しく、形成されてから50万年未満だろうと見ている。ラデボー氏は冥王星の砂丘を、北米のデスバレーのメスキートフラットなどの小規模な砂丘や、中国西部のタクラマカン砂漠のような横砂丘（卓越風に対して直角に形成される砂丘）と比較している。
砂丘などありそうにない天体に砂丘が見つかったのは、これが初めてではない。おそらく最も意外だったのは、欧州宇宙機関（ESA）の彗星探査機「ロゼッタ」が、2014年から2016年まで探査したチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星（67P）で、砂丘のようなさざ波模様を発見したことだ。土星の最大の衛星タイタンにも、赤道付近から立ちのぼった凍った炭化水素からなる巨大な砂丘がある。
米コーネル大学のアレクサンダー・ヘイズ氏は、この論文の解説記事で、「冥王星のように大気が希薄な天体に風が運んだ物質が堆積した地形があるなら、木星の衛星イオや海王星の衛星トリトンにはどのような活動が見られるだろう？」と述べている。
カイパーベルトの凍った不毛の天体とされていた冥王星は、誰も予想しなかったほど活動的でカラフルな天体であることが判明している。今回発見された砂丘は、数々の予想外の発見の1つにすぎない。
文＝Nadia Drake／訳＝三枝小夜子
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常識を覆す論文や新発見を大好物とするネイチャーを日頃から目にしているので、驚きというのはないのですが、好奇心がふつふつと湧き出ます。詳細がわかることを首を長くしてお待ちしています。
イオやトリトンがどのような活動をしているのか、早く知りたいものです。
さて、次は、恒例のネイチャーを取り上げます。
