構造生物学: ガスダーミンが膜に形成する小孔の構造 | Just One of Those Things

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Let's call the whole thing off

昨日に引き続き、18号目のネイチャーのハイライトより。

 

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構造生物学: ガスダーミンが膜に形成する小孔の構造
Nature 557, 7703
2018年5月3日 


ガスダーミン類は膜に小孔を形成するタンパク質で、その一部は炎症シグナルにより活性化されて細胞死を引き起こす。H Wuたちは今回、マウスのガスダーミンA3が形成する膜小孔の高分解能クライオ(極低温)電子顕微鏡構造を報告している。この構造によって、小孔形成の詳細な機構についての手掛かりが得られた。このタンパク質ファミリーでは、がんに関係するいくつかの変異が以前に見つかっており、今回の結果はこれらの変異の影響を説明する助けにもなりそうだ。


Article p.62
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本日も、直接的ではありませんが、がんに関連する論文です。

 

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構造生物学:ガスダーミンA3が形成する膜小孔のクライオ電子顕微鏡構造

Nature 557, 7703 |  Published:  2018年5月3日  |


ガスダーミンは、カスパーゼ、あるいは未知の他の酵素による切断を受けると炎症型の細胞死を仲介するようになる。切断されたN末端断片は酸性の膜脂質に結合して小孔を形成するが、小孔の形成機構はまだ解明されていない。今回我々はクライオ(極低温)電子顕微鏡を使って、マウスGSDMA3のN末端断片(GSDMA3-NT)により形成された27回対称および28回対称の一重リング小孔の3.8 Åおよび4.2 Å分解能での構造と、二重リング小孔の4.6 Å分解能での構造を得た。27回対称の小孔では、108本のストランドからなる逆平行βバレルが、球状ドメインによりキャップされた個々のサブユニットからの2つのβヘアピンによって形成されている。我々は、酸性脂質のカルジオリピンと相互作用する、正電荷を帯びたヘリックスを明らかにした。GSDMA3-NTは膜に挿入されると大規模なコンホメーション変化を起こし、長くて膜を貫通するβストランドを形成する。また予想外なことに、二重リング小孔中にGSDMA3-NTサブユニットからなる別の対称的なリングが観察されたが、これは膜に挿入されないのでGSDMA3-NTの小孔形成前の状態に当たるのかもしれない。これらの構造は、がんと関連する欠損変異体などの複数のガスダーミン変異体の活性を説明する際の基盤となる。

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調べてみると、ほとんどがネイチャーのもので、ガスターミンはこれまで数多く研究されています。

 

ネイチャー以外のものを取り上げると、下記です。

 

ピロトーシスを誘導するガスダーミンA3が形成する膜小孔のクライオ電顕構造と形成過程

 

明日は、天文学を取り上げます。

 

PS:ほとんど回れておらず、申し訳ありません。今から回ります。^^;

 

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