構造生物学: NPY受容体の構造 | Just One of Those Things

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Let's call the whole thing off

昨日に引き続き、17号目のネイチャーのハイライトより。

 

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構造生物学: NPY受容体の構造
Nature 556, 7702
2018年4月26日 


神経ペプチドY(NPY)受容体はGタンパク質共役受容体(GPCR)ファミリーの1つであり、中枢神経系と末梢神経系で多様な生理過程に関わっている。GPCRファミリーとしては珍しいことに、NPY受容体には内在性ペプチドリガンドが3種類あり、それらは4種類の受容体サブタイプに結合する。リガンドの1つであるNPYは非常に大量に存在するペプチド性神経伝達物質で、摂食と食欲を亢進させ、エネルギー貯蔵を促進する。今回B Wuたちは、2種類の異なるアンタゴニストと複合体を形成した神経ペプチドY_1受容体の結晶構造を報告している。さらに、NMR、ドッキング実験や生化学データに基づいて、内在性アゴニストであるNPYなどの他のリガンドとの結合モデルも提案された。


Letter p.520
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既に気がついているのですが、毎日上げている論文を元に応用して、IT技術で悪用されないことを祈っています。

 

で、本文に入ります。

 

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構造生物学:神経ペプチドYのY1受容体におけるリガンド結合様式の構造基盤

Nature 556, 7702 |  Published:  2018年4月26日  | 


神経ペプチドY(NPY)受容体はGタンパク質共役受容体スーパーファミリーに属し、摂食、不安やがんの生物学的性質に重要な役割を果たしている。NPY–Y受容体系は最も複雑なネットワークの1つであることが明らかになっていて、ほとんどの哺乳類で3種類のペプチドリガンド(NPY、ペプチドYY、膵臓ポリペプチド)が4種類の受容体(すなわちY_1、Y_2、Y_4、Y_5受容体)に結合し、結合の親和性や選択性はさまざまに異なっている。NPYは最も強力な摂食促進因子で、この作用は主にY_1受容体(Y_1R)によって仲介される。複数のペプチドや低分子化合物がY_1Rのアンタゴニストであることが明らかになっており、肥満、腫瘍、骨量減少の治療に臨床で使える可能性が示されている。しかし、効果と選択性が低く、脳への透過性が不良で、経口摂取した場合の生体内利用可能量が不足していることが、これらの臨床使用を妨げてきた。今回我々は、2種類の選択的アンタゴニストUR-MK299とBMS-193885に結合したヒトY_1Rの結晶構造を、それぞれ2.7 Åと3.0 Åの分解能で決定した。変異誘発実験とこれらの構造を組み合わせることにより、構造的に違いのある複数のアンタゴニストに対するY1Rの結合様式と、リガンド選択性を決定する要因が明らかになった。Y_1Rの構造と内在性アゴニストであるNPYの分子ドッキング法による研究は、核磁気共鳴法や光架橋実験、機能研究の結果と共に、NPYの結合挙動について手掛かりを与えるもので、またNPYのN末端と受容体との相互作用が、我々の知る限り初めて明らかにされた。Y_1Rに関するこれらの知見によって、NPY受容体を標的とする薬剤の構造に基づく創薬が可能になるだろう。

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まぁ、私事ですが、現在、PCは阻害剤を入れられた状態になっております。ネットにある対応は全てしましたが、根本のものはネットには載っていないので、修理屋に事前電話でこうで説明しましたが、事態は最悪のようです。本来は95を譲って98を扱いまわすのが大好きだったのですが、今の状態ではXPが押しなのではあります。がサポートが切れているので7なのですが、10は使いにくいから躊躇しているのですよねぇ・・・。おっと、時間がなくなりました。

 

今回の論文は、摂食、不安やがんにおいて、NPY受容体を標的とする薬剤の構造に基づく創薬が可能なるであろうとする論文です。創薬がうまく行くことを祈ります。

 

神経ペプチドY(NPY)

 

明日は、カバーストーリーを取り上げます。

 

 

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