工学: 論理デバイスとメモリーデバイスをつなぐ光 | Just One of Those Things

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Let's call the whole thing off

昨日に引き続き、16号目のネイチャーのハイライトより。

 

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工学: 論理デバイスとメモリーデバイスをつなぐ光
Nature 556, 7701
2018年4月19日 


コンピューティング、通信、センシング、画像化の技術の多くは、バルクのシリコン基板を用いている。こうした基板は、エレクトロニクス技術の優れたプラットフォームであるが、その光学特性のためにフォトニクス機能の集積が大きく制限されている。今回A Atabakiたちは、フォトニック部品と最先端のナノ電子デバイスを集積する方法を実証している。彼らは、マイクロエレクトロニクスファウンドリー内で標準プロセスを用いて、トランジスターのそばに作製した酸化シリコンアイランド上に多結晶シリコン層を成膜した。これによって、電子部品の性能に影響を与えることなく、集積フォトニックプラットフォームを作ることができる。今回、バルク相補型金属酸化膜半導体技術によるチップにおいて光トランシーバーが実証されたことは、光を使って論理デバイスとメモリーデバイスを接続する高速コンピューティングへの一歩となる可能性がある。


Letter p.349
News & Views p.316
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今回は、工学より、 エレクトロニクスとフォトニクスの統合について取り上げています。

 

今回、フォトニックデバイスと最先端のナノ電子デバイスを集積する方法によって、これまでの限界が克服されました。この方法は、高速で低電力のオプトエレクトロニクス技術を実現できる見込みがあります。

 

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工学:次世代システムオンチップのためのシリコンナノエレクトロニクスとフォトニクスの統合

Nature 556, 7701 |  Published:  2018年4月19日  |


電子技術とフォトニック技術は、コンピューティングやモバイル機器から情報技術やインターネットまで、私たちの生活を一変させた。これらの分野において将来求められるものは、各技術を個別に革新する必要があるだけでなく、統合されたソリューションを通してこうした技術の相補的な物理を活用できるかどうかにも依存している。この目標は、プロセッサー、コンピューターメモリー、通信チップ、イメージセンサーを可能にしているシリコンナノテクノロジーの大半が、バルクシリコン基板に依存しており、豊富なサプライチェーンを持つ費用効果の高いソリューションであるものの、フォトニック機能の集積が実質的に制限されるため、実現が困難である。今回我々は、トランジスターのそばに作製した酸化シリコン(ガラス)アイランドの上に成膜した多結晶シリコン層を用いて、バルクのシリコン相補型金属酸化膜半導体(CMOS)チップにフォトニクスを組み込んだ。我々は、この単一成膜層を用いて、光導波路と光共振器、高速光変調器、高感度アバランシェ光検出器を実現した。我々は、マイクロエレクトロニクスファウンドリーにおいて、65 nmトランジスターのバルクCMOSプロセス技術を用いてこのフォトニックプラットフォームを300 mm径のウエハーに集積した。次に我々は、このプラットフォーム上に、集積高速光トランシーバーを実装した。このトランシーバーは、10ギガビット毎秒で動作し、数百万のトランジスターで構成され、波長分割多重方式用の単一の光バス上に配列したもので、データセンターや高性能コンピューティングの高帯域光インターコネクトの要求に対応する。この集積方法は、フォトニックデバイスの形成をトランジスターの形成から切り離すことによって、マルチチップソリューションの多くの目標を達成しながら、「システムオンチップ」の性能、複雑性、スケーラビリティーも達成できる。さしわたし10 nm以下のトランジスターは市販されるようになっており、新しいナノテクノロジーも出てきているので、この手法は、フォトニクスを最先端のナノエレクトロニクスに集積する方法をもたらす可能性がある。

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この論文は、ネイチャーのニュースにも取り上げられました。

 

AIと言えば、最近では、医療や福祉介護に導入されるようになり、ぼつぼつ私たちに恩恵をもたらすようになりそうですが、この手の研究は、私たちに直接恩恵を受けるものとなっています。

 

今回の論文によって、フォトニクスを最先端のナノエレクトロニクスに集積する方法をもたらすようになるかもしれません。凄いですね^^

 

明日は、ナノスケール材料についてのものを取り上げます。

 

 

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