構造生物学: 細菌の光合成複合体の高分解能構造 | Just One of Those Things

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昨日に引き続き、15号目のネイチャーのハイライトより。

 

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構造生物学: 細菌の光合成複合体の高分解能構造
Nature 556, 7700
2018年4月12日


紅色光合成細菌の光合成を駆動する主要な装置は、集光性タンパク質複合体1(LH1)と反応中心(RC)を含む超複合体である。J Shen(岡山大学)たちは今回、好熱性光合成細菌Thermochromatium tepidumのLH1–RC複合体の結晶構造を原子レベルの分解能で明らかにした。この高い分解能によって、これまで得られた構造では分からなかった超複合体の数々の特徴が可視化された。これらのデータは、細菌の光合成で光が使われる仕組みの解明を進めるだろう。


Article p.209
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生物学において、分子レベルで見れるようになったのは2001年で、教育機関のテキストが改定されたのは2004年ですが、原子レベルでみれるようになっていることは凄いことです。

 

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構造生物学:光合成LH1–RC超複合体の分解能1.9 Åでの構造

Nature 556, 7700 |  Published:  2018年4月4日  | 


紅色光合成細菌では、集光性タンパク質複合体1(LH1)と反応中心(RC)が膜タンパク質超複合体を形成し、光合成の初期反応を行っている。LH1–RC複合体の構造が分かれば、タンパク質サブユニットと補因子の配置について情報が得られるが、これまで比較的低い分解能でしか構造が解かれていなかった。今回我々は、好熱性光合成細菌Thermochromatium tepidumのカルシウムイオンが結合したLH1–RC超複合体の分解能1.9 Åでの結晶構造を報告する。原子レベル分解能で得られたこの構造から、タンパク質サブユニットと補因子の構成について、いくつかの新しい特徴が明らかになった。ここでは、損なわれていない状態のRCのループ領域の構造、これらのループ領域とLH1サブユニットとの相互作用、結合しているキノンQBと遊離のキノン分子の交換経路、LH1のリング構造の内外にまたがる遊離キノン分子の輸送、カルシウムイオンが結合している部位の詳細な環境を報告する。この構造は、細菌の光合成で起こる明反応を詳しく調べるための確実な基盤となる。

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まぁ、基盤と言えば、わかりやすくいえば、ポストゲノム時代にこぞって研究が行われたヒトゲノムのようなもです。

 

時代と共に、どんどんサイズが小さくなっていくわけですが、しだいにAIで研究されるようになるのでしょうね。

 

明日は、同じ構造生物学より、胃の酸化についてのものを取り上げます。

 

 

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