構造生物学: 代謝ホルモンの作用機構 | Just One of Those Things

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Let's call the whole thing off

昨日に引き続き、今年に入って4号目のネイチャーのハイライトより。

 

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構造生物学: 代謝ホルモンの作用機構
Nature 553, 7689  
2018年1月25日
     

内分泌型の繊維芽細胞増殖因子(FGF19、FGF21、FGF23)は、脊椎動物において重要な代謝機能および生理機能を調節する血中ホルモンである。古典的FGFは、FGF受容体を活性化するのにヘパラン硫酸プロテオグリカンを必要とするが、内分泌型FGFは代わりにクロトータンパク質に依存してFGF受容体を活性化する。クロトーには、異なる遺伝子にコードされる2種類があり、βクロトーはFGF19とFGF21に依存したシグナル伝達に必須であるのに対し、αクロトーはFGF23に依存したシグナル伝達に必要である。今週号では、J Schlessingerたちが、βクロトーの細胞外ドメインについて、リガンドのない遊離状態とFGF21のC末端ペプチドに結合した状態の両方の結晶構造を報告している。さらに、別の論文でM Mohammadiたちは、膜に繋留されたαクロトーから切断された細胞外ドメイン、FGFR1cのリガンド結合ドメイン、FGF23の3つが1:1:1の割合で含まれる三重複合体の原子構造を明らかにしている。これらのホルモンおよびその受容体は、代謝と生理機能において中心的な役割を果たしているため、非常に有望な薬剤標的となる。クロトーの姿を初めて明らかにしたこれらの構造から、内分泌型FGFによって調節されるシグナル伝達経路について長く待ち望まれてきた機構的手掛かりが得られた。


Letter p.501
Article p.461
News & Views p.409
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この2つの論文は、ネイチャーのニュースにも取り上げられました。

 

非常に有望な薬剤標的となることから、一日も早く薬剤が作られることを祈ります。

 

尚、前に取り上げたネイチャーの論文の報道にあった論文は、ハイライトには挙がっていなかったので、アルツハイマー検査に興味のある方は、前文の記事をご覧くださいませ。

 

 

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