シナプスの彫刻:接着分子によってアストロサイトとニューロンの相互作用が生じる仕組み | Just One of Those Things

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昨日に引き続き、Natureの今週号ですが、カバーストーリーより。

 

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Cover Story: シナプスの彫刻:接着分子によってアストロサイトとニューロンの相互作用が生じる仕組み
Nature 551, 7679   
2017年11月9日     


表紙は、3D印刷したマウスのアストロサイトモデル2つ(オレンジ色と灰色)を、脳内で見られるように互いに並べて置いた画像である。アストロサイトは、ニューロンと密接な関係があり、その結果として、シナプスの機能に大きな影響を及ぼし得ることが、ずいぶん以前から知られている。しかし、アストロサイトが複雑な構造を獲得してニューロンとの関係性を維持する分子的な仕組みは、よく分かっていない。今回C Erogluたちは、マウスでは、そのカギの1つが、ニューロンのシナプスにおける役割が知られている細胞接着分子群のニューロリギンを発現するアストロサイトの能力であることを示している。アストロサイトでは、ニューロリギンが、ニューロン上に発現するニューレキシンタンパク質と相互作用し、アストロサイトの形態発生を調節することで、シナプスの密度や機能を調整する。具体的には、著者たちは、アストロサイトがニューロギリン2を発現していない場合、大脳皮質の興奮性シナプスの形成と機能が損なわれることを見いだした。ニューロギリンの変異が統合失調症などの神経疾患と関連していることがすでに知られていることから、著者たちは、アストロサイトが疾患の原因となる機構に関与している可能性を示唆している。


Article p.192
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この論文は、表紙にも取り上げられました。

 

アストロサイトが疾患の原因となる機構に関与しているか、今後の研究でわかってくることを祈ります。

 

 

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