先週後半より最新号と入り乱れておりますが、今度こそ、従来の今週のNatureのハイライトです。
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神経科学: 非社会的遺伝子
Nature 543, 7646
2017年3月23日
15番染色体のある領域(15q11–13)の重複は、臨床的な発達障害症候群を引き起こし、自閉症もその中に含まれる場合がある。自閉症患者は、母親から受け継いだUBE3A遺伝子のコピーを余分に持っており、UBE3Aは脳の複数の領域で発現する。今回M Andersonたちは、マウスでUbe3aタンパク質レベルが増加すると社交的な行動が抑制されること、そしてこの抑制は報酬と嫌悪の処理に関わるとされる脳領域である腹側被蓋野でのCbln1の発現低下と関連することを示している。てんかん発作は一部の自閉症患者でよく見られ、この経路を介する社会性低下を悪化させる。著者たちは、この回路でCbln1の発現を回復させるだけで、Ube3aが過剰でてんかん発作を起こすマウスの社会性を回復させられることを見いだした。
Article p.507
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米国では遺伝子操作が条件付で可能と倫理上で判断されたばかりですが、条件付な上、トランプ政権の予算削減で、幅は狭まるものだと思います。
てんかん発作を回復させることが出来るのならば、是非応用で実現して欲しいものですね。