ノーベル賞 10億人を救った薬 | Just One of Those Things

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Let's call the whole thing off

大村智氏が着目した「放線菌」について取り上げる前に、今日はおさらいしようと思います。


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10億人を救った特効薬=ノーベル賞
時事通信 10月5日(月)20時52分配信


 ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった大村智・北里大特別栄誉教授は、長年にわたり微生物が作る有用な化合物を探求してきた。


 中でも1979年に発見された「エバーメクチン」は、アフリカや東南アジア、中南米など熱帯域に住む10億人もの人々を、寄生虫病から救う特効薬へとつながった。


 大村さんは73年、大手製薬会社メルク社と共同研究を開始。さまざまな微生物が作る抗生物質などの探索を進める中で、静岡県内の土壌から分離された微生物が生産するエバーメクチンを発見した。


 この物質は線虫などの神経系をまひさせる一方、哺乳類の神経系には影響しない特性があることが分かった。エバーメクチンを基に、さらに効果を強めた「イベルメクチン」は家畜の抗寄生虫薬として世界的なベストセラーとなった。


 さらに、失明につながるオンコセルカ症やリンパ系フィラリア症(象皮症)など、熱帯域にまん延する寄生虫病にも効果があることが判明した。


 世界保健機関(WHO)はメルク社の協力を得て、アフリカなど寄生虫病に苦しむ地域にイベルメクチンを配布するプログラムを開始。メルク社によると、2012年までに延べ10億人以上にイベルメクチンが無償提供された。


 WHOによると、西アフリカでは02年までに少なくとも4000万人のオンコセルカ症の感染を予防。象皮症でも00年から対象となる53カ国でイベルメクチンなどの集団投与が進められており、20年までの制圧も視野に入ってきている。

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「イベルメクチン」は、静岡県川奈のゴルフ場近くで採取した土から見つけた菌をもとにつくられました。


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大村智氏にノーベル賞 型破りな研究者の業績と素顔
2015/10/5 19:15 日本経済新聞


 ノーベル生理学・医学賞の受賞が決まった大村智・北里大学特別栄誉教授の理念は「研究を経営する」。「資金がないから研究ができないというのは言い訳」「研究で世の中に貢献すれば、必ずまた研究費は入ってくる」と話し、社会に役立つ研究をいかに持続するかに心を砕いた。


 こうして見いだした多くの化合物が医薬や農薬などとして実用化された。なかでも、静岡県川奈のゴルフ場近くで採取した土から見つけた菌をもとにつくった「イベルメクチン」は寄生虫駆除に高い効果を発揮。米製薬大手メルクとの共同研究で実用化され、アフリカでの熱帯病の撲滅計画にも採用され、何億人もの人を病気から守ったとされる。


 学生時代はスキーに打ち込み、父の「勉強する気があるなら大学に行かせてやる」との言葉をきっかけに学究生活に入った。研究成果で得られた特許収入で病院を建てたほか、絵画収集が高じて美術館をつくるなど、その活動は型破り。大村氏の業績や人柄がわかる2010年7月日本経済新聞夕刊掲載の「人間発見」を再掲する。

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見つけた菌とは、「放線菌」なのですが、一般人には気が遠くなるような、ちょっと難しい話になるので次回に持ち越したいと思います。


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