危険な洪水後の感染症 | Just One of Those Things

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ボランティアも予防対策が必要です。


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危険な洪水後の感染症 ボランティアも予防対策を
2015/9/19 3:30 日本経済新聞 電子版


 台風18号の影響による記録的な豪雨で、茨城県や宮城県で堤防が決壊するなどして多くの被害が出た。復旧作業が本格化しつつあるなか、被災者や被災地に応援に入るボランティアなどに対して、医療関係者が感染症への注意を呼びかけている。なかには破傷風など重症化すると命に関わるものもあり、消毒やガレキを片付ける際には肌を露出しない服を着るなどの対策を徹底したい。



■東日本大震災でも1週間たってから増加 片付けはケガ防ぐ服装で


 洪水被害をうけ、感染症対策の専門家で構成する日本環境感染学会(理事長・賀来満夫東北大学大学院教授)は緊急対応チームを立ち上げた。被災地の医療機関に対する支援を進めるとともに、注意事項をまとめたパンフレットを配布するなどして被災者などへの感染症に対する注意や対策を呼びかけている。「東日本大震災の際には、被災の1週間後から感染症の患者が増えた。これからが注意が必要」と賀来教授は注意を促す。


 洪水後に注意が必要な感染症はカゼやノロウイルスに代表される感染性胃腸炎などにはじまり、呼吸器系の感染症であるレジオネラ症や傷口から感染する破傷風など多岐にわたる。洪水による汚水などに病原菌が残るなどの衛生環境の悪化に加えて、避難所などの集団生活で広がりやすくなるためだ。また感染してから実際に症状が出るまで数日から数週間の潜伏期間があることも、被災して1週間程度たってから患者が増える理由だ。


 例えば破傷風は、2011年3月に起きた東日本大震災では、被災後の約1カ月に宮城県では6人の感染が確認された。前年は1年間通じて3人だったので、短期間に2倍の感染者が出たことになる。


 このときの感染者は震災当日のケガが原因とみられるが、津波や洪水が引いたあとのガレキの片付けの際などに傷口から細菌に感染する可能性もある。ガレキの片付けなどボランティアに参加する場合も、肌を露出しない服を着るとともにしっかりした長靴やゴム手袋をつけるなどして備え、ケガをしないように注意したい。特に免疫が低下する50代以上に発症者が多く、ワクチン接種などの予防をすることが望ましいという。


 破傷風以外にも、ノミや動物が病原菌を持っている感染症も広がりやすくなる。海外で多い発疹チフスや、ネズミなどが媒介するレプトスピラ症がそうした感染症の代表だ。レプトスピラ症は秋疫(あきやみ)やワイル病などの名前でも知られ、感染すると発熱や目の充血などの症状が出て、重症化すると腎障害などを起こす。初期は発熱や下痢などカゼに似た症状が多いので見過ごされることも多く、洪水後の発熱などは軽く考えず注意することが必要だ。


 避難所で集団生活することで、カゼや感染性胃腸炎など、日常的に感染する感染症も広がりやすくなる。避難所などでの生活が長期化して体力が低下することで、1週間を過ぎた頃から「肺炎や尿路感染症などもおこしやすくなる」(賀来教授)。



■発熱や下痢、ひどいせきなどは要注意


 食事前などの消毒を徹底することなどに加え、体調が優れない場合は、早めに医師などに相談するようにしたい。特に、せきがひどい、黄色いたんが多い、息苦しい、呼吸が荒い、ぐったりしている、といった症状がある場合はきちんとした治療が必要になることも少なくないので、迅速な対応が求められる。また子供や高齢者の場合は症状が現れにくいこともあるので、周囲の人からみていつもと様子が違うと感じたときは、早めに相談した方がよいという。


 被災地では復旧工事が始まったとはいえ、まだ自宅に戻れず避難所で生活する被災者も少なくない。加えて週末には、あと片付けの応援などで被災地に入るボランティアも多くなる。被災地の消毒など自治体も対策を進めてはいるが、個人でも感染症の予防に関心を払うようにしたい。


(電子編集部シニア・エディター 小玉祥司)

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災害後は、こういったことが付きまといます。


今後、地球温暖化の影響などで自然災害が増えてくると思いますので、気をつけて行きたいものですね。


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