「体にいい」機能性食品、「根拠薄い」不信感も | Just One of Those Things

Just One of Those Things

Let's call the whole thing off

機能性食品が16日ぐらいから店頭に並び始めましたが、中には根拠が薄いものもあるようです。


----------------------------------------------------------
「体にいい」機能性食品、店頭へ 「根拠薄い」不信感も
岡林佐和、宮崎健 小林未来、毛利光輝、編集委員・大村美香
2015年6月17日02時55分 朝日新聞デジタル


 「健康に効果がある」と企業の責任で表示できる機能性表示食品の、店頭での販売が16日に始まった。企業にとっては、国からお墨付きをもらう特定保健用食品(トクホ)より手軽に発売できるメリットがあり、新商品が今後相次ぐ。ただ消費者団体からは、効果や安全性について疑問が出ている。



■届け出だけで表示OK


 キリンビールが16日に発売したノンアルコールビール「パーフェクトフリー」。「難消化性デキストリン」という成分で、脂肪の吸収を抑えて糖の吸収を穏やかにする、とうたう。


 産声を上げたばかりの機能性表示食品を売り込もうと、同社は東京都中野区の本社前で試供品を配ってPRした。ただ、近くのスーパーを訪れた男性(68)は「従来のトクホとどう違うのか、よくわからない」。


 企業が力を入れるのは、もちろんメリットがあるからだ。キリンビールの布施孝之社長は「機能性表示食品の制度を使うことで、いい商品をスピード感をもって提案できる」と話す。


 1991年に始まったトクホは消費者庁の許可を得るのに審査に時間がかかるため最短でも1年は必要だった。機能性表示食品は発売前に消費者庁に届け出るだけ。企業は速やかに新商品を売り出せる。アサヒビールも23日に同様のノンアルコールビール「アサヒスタイルバランス」を売り出す。


 一方のサッポロビールは「国のお墨付きの方が信頼される」。トクホのノンアル「サッポロプラス」を5月末に発売。機能性表示食品は考えていない。


 新制度は生鮮食品の機能もうたえる。


 浜松市のJAみっかびは三ケ日(みっかび)みかんに含まれる「β―クリプトキサンチン」には骨の密度が下がるのを抑える効果がある、と月内に届け出て、今秋に売り出す計画だ。


 三井物産は北海道の農業ベンチャーと共同開発したタマネギ「さらさらゴールド」を届け出る準備中。動脈硬化予防や血糖値抑制が期待される成分「ケルセチン」を通常の2倍以上含むとしており、早ければ今秋に売り出す。


 民間調査会社のシード・プランニングによると、2013年の健康食品市場は約1兆8388億円。調査を始めた07年(1兆8671億円)より縮んだが、新制度で16年には2兆円を超えると同社はみている。(岡林佐和、宮崎健)



■安全性の根拠に疑問も


 機能性表示食品の制度ではトクホのように国は効果や安全性を審査しないが、届け出情報を公開して消費者らのチェックに委ねる。実際に情報が公開されると、様々な疑問の声が出た。全国消費者団体連絡会は先月26日「機能性表示食品全体に不信感を抱かざるを得ない」との意見書を発表。「食の安全・監視市民委員会」は先月29日付で17商品への疑問点を消費者庁に出した。


 ともに安全性の根拠が薄いとみる。同庁のガイドラインは、一定期間広く食べられていることを意味する「食経験」を求めるが、サプリメントを数年販売した実績を挙げる商品が複数あり、それでは不十分と訴える。トクホに申請された商品の審査で食品安全委員会が「安全性が評価できない」とした成分を使う商品があることも明らかになった。機能性表示食品の届け出が受理された状態で、トクホの方の審査は今も続いている。


 健康への効果の根拠となる論文の精度が低いとも指摘する。全国消団連は、被験者数が少なく質の低い臨床試験で「効果あり」と判定▽臨床試験のデータを曲解、などの事例を挙げた。市民委員会メンバーで科学ジャーナリストの植田武智さん(52)は「ずさんな資料や企業に都合のよい情報だけ」と批判する。


 消費者庁は必要に応じ調査し、根拠がないとわかれば届け出撤回などを求めると言う。ただ現在は約200件の届け出処理で手いっぱい。担当職員は10人程度で、疑問点の指摘に迅速に対応できるかは不透明だ。対応の詳細や調査状況も明らかにしていない。


 企業側は「恣意(しい)的なデータではない」「ガイドラインにはのっとっている」などと反論する。ガイドラインには食経験の年数などの細かな基準はなく、企業に任せられている。


 業界関係者からも改善の必要を指摘する声がある。健康食品のコンサルタントをするグローバルニュートリショングループの武田猛社長は「消費者の信頼を失ったら制度は定着しない。業界として届け出情報の水準を一定レベルに保つ努力をしなくては」と話す。(小林未来、毛利光輝、編集委員・大村美香)

----------------------------------------------------------


ガイドラインには細かな基準がないというのは、信頼性がない商品が出回るってことになります。


そんなことだろうと思い私はまだ手を出していません。


ホントに、業界として届け出情報の水準を一定レベルに保つ努力をしなくてはならないでしょうね。


ペタしてね