デング熱 最大の防御 | Just One of Those Things

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Let's call the whole thing off

デング熱の対策についてのものが上がっていたので取り上げます。


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デング熱 網戸の点検、最大の防御
2015/5/9付 日本経済新聞


 立夏を過ぎ、蚊の季節がやってきた。昨年、約70年ぶりにデング熱の国内感染が確認され、感染症をもたらす蚊の脅威が話題に。記者(34)は昨夏、感染源の代々木公園を横切り、何カ所も刺された。発症はしなかったが冷や汗をかいた。今年は徹底的に蚊を避けたい。


 まずは敵(蚊)を知ることから。害虫の民間調査機関「いきもの研究社」(大阪市)を訪ねた。「日本で吸血する蚊の種類は限られている」と代表の吉田政弘さん。デング熱を媒介するヒトスジシマカは、いわゆるヤブ蚊。庭や公園の茂み、墓地などにいることが多い。主に昼間に活動し、人間を感知したら近寄ってくる。戦後すぐまで日本での生息地の最北端は栃木県だったが、地球温暖化のためか今や青森県でも見つかっている。



■余計な水たまり ベランダを点検


 住宅地に多いのがアカイエカ。動き回るのは夜と朝方で、家に侵入しようとする。寝ている時に耳元でぶんぶんうるさいのがこのタイプで、チカイエカなどの仲間がいる。


 吉田さんによれば、気温がセ氏20度、最低気温が10度を超えると、蚊が増え始めるという。対策を始めるなら今だ。蚊は水中に卵を産み付ける。ベランダや庭に余計な水たまりはないか。植木鉢の受け皿や室外機周り、出しっ放しにしているものにたまっている雨水は取り除こう。排水溝など水が常にたまる場所は、銅を置くと生育を防げる。


 「住居での最大の防御は、網戸をしっかり点検すること」と吉田さんは力説する。破れや、織り目が大きくなっているところがないかチェックすることが大事だ。防虫網メーカーのダイオ化成(東京・中央)の垣内宗一さんに尋ねると、一般的な網戸に使われる織り目1.15ミリ四方の網なら蚊の侵入は防げるという。ただし「ゴミが挟まって立て付けが悪くなったり、網戸の端についているゴムが劣化したりすると、隙間ができてそこから入ってくる」。設置から4、5年たったら、張り替えのタイミングだ。


 教わったことを思い出しながら、自宅を点検してみた。観葉植物の受け皿は雑巾でぬぐってよく乾かし、ベランダの溝は水分はもちろん、小さな葉っぱや土も掃いて捨てた。「蚊の幼虫は少しの有機物で十分成長する。落ち葉1枚で10匹は育つ」(吉田さん)と聞いたからだ。


 では、自分自身に寄りつきにくくする方法はないか。蚊の実態をもっと知れば十分な備えができるはず。


 そこで、殺虫剤メーカーのアース製薬の赤穂研究所(兵庫県赤穂市)へ。100匹以上のヒトスジシマカが入った、約40センチ四方の箱を用意してもらった。側面はメッシュ状になっており、耳を近づけるとブーンという羽音がする。恐る恐る手首まで腕を入れてみた。1匹2匹と群がり、1分間で8匹が止まった。


 「息の二酸化炭素(CO2)や体温、汗など複合的な要因で蚊は人間を察知する」と研究部グループリーダーの島恵子さん。CO2排出はアルコールを摂取すると増える。「新陳代謝が活発で、よく汗をかき、お酒を飲む人は刺されやすい」。代謝が盛んな乳幼児、子どもも同様だ。


 実際にビールをカップに注いで箱の中に置いてみる。蚊が興奮したように、カップに突撃していく。CO2だけでなく、ビールが発する匂いや糖分も蚊を誘いこむようだ。


 続いて色の違いで反応が出るか実験してみた。蚊は光や明るいところを嫌う。白と黒の画用紙を巻いた電気カイロでは、あっという間に黒の方へ蚊が集まった。夏場は黒っぽい服はなるべく避けたほうがいいかもしれない。


 光以外に蚊が嫌がるものはないだろうか。ハーブには殺虫成分を含む種類もあるという。スペアミント、ローズマリー、バジルを近づけると、ザワザワしてよけていく。ハッカ油を使ったスプレーも虫よけになるそうだ。


■殺虫・防虫剤 効果てきめん


 次に虫よけ成分のディートが入ったスプレー「サラテクト」(アース製薬)を腕に吹き付けて、再び箱の中へ手を入れる。甲や指の上に2、3匹止まるものの、少したつと離れていく。液体蚊取りを置いた部屋に箱ごと持って行くと、5分ぐらいでおなかを上にして死んでいった。


 やはり殺虫・防虫剤の効果はてきめんだが、使い方を守らなければ意味がない。レジャーなどでスプレーを使うときは、まんべんなく塗り、汗で流れたらつけ直す。ただし飲んだり、吸引したりしないよう注意する。


 感染症に詳しい地域医療機能推進機構(JCHO)理事長の尾身茂さんは「デング熱はアジアや南米を中心に増えている。今年、日本で再び発生する可能性は否定できない」という。デング熱は人口密度が高い都市部で広がりやすい。公園などで古タイヤや缶に水がたまっていたら、倒して水を捨てておく。「一人ひとりが認識を高めて実行すること」が重要だ。


■刺されてもかかず我慢


 同じ場所にいても蚊に刺されやすい人と、そうでない人がいる。今回のアース製薬の実験では、同席した広報担当者が箱の側面に手をつけると、蚊がびっしり集まった。聞くと体温はいつも高い方で、この時は手のひらにうっすら汗もかいていたという。ひるがえって記者の手は体温が低いのか、さほど蚊が寄りつかない。残念なような妙な気持ちになったが、結果的には4カ所刺されていた。


 蚊が吸血時に皮膚に入れた唾液でかゆみは起きる。かきむしると出血してかさぶたになった。ひどいときは跡がシミになることもあるという。だから刺されたら、かくのは我慢。炎症をおさえる薬で処置しよう。

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昨年、デング熱の被害が出た公園は、すでに消毒作業をしております。


以上、参考になりましたでしょうか。


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