ヒト受精卵で遺伝子改変 中国 | Just One of Those Things

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中国の今回の研究で、科学界が荒れております。


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<ヒト受精卵>遺伝子改変…中国チームが論文
毎日新聞 4月23日(木)20時28分配信


 ヒトの受精卵で遺伝性の病気に関係する遺伝子を改変したとする中国からの研究論文が発表された。ヒトの受精卵を使った遺伝子改変の報告例は世界で初めてとみられる。受精卵や精子、卵子の遺伝子を変化させることは、次世代への影響が分からず、倫理的な問題から国際的に慎重論が根強い。議論の呼び水となるのは必至だ。中国・中山大の研究チームがオンラインの学術誌「プロテイン・アンド・セル」に18日付で発表した。【八田浩輔、須田桃子】


 ◇後手の倫理論議


 論文によると、研究チームは患者から提供を受けた成育できない受精卵を使用。

 近年急速に普及している「ゲノム編集技術」を使い、遺伝性の血液の病気に関する遺伝子の操作を試みた。86個の受精卵で実施したところ、48時間後に生存したのは71個だった。このうち28個で狙った遺伝子の改変を確認した一方、目的外の遺伝子を改変してしまったケースもあり、臨床応用にはさらなる検証が必要と結論付けた。


 この技術を使った基礎研究は、培養したヒトの体細胞や動物の受精卵で進むが、ヒトの受精卵での報告例はない。チームは論文で「倫理的な問題を回避するために元から異常がある受精卵を使用した」旨を説明している。


 英科学誌ネイチャーのニュース記事は「論文はネイチャーや米サイエンス誌にも投稿したが、いずれも倫理的な反対で却下された」との研究チームの話を紹介した。


 ◇「科学的にも問題多い」


 国立成育医療研究センター研究所の阿久津英憲・生殖医療研究部長は「技術は革命的だが、目的外の遺伝情報にも改変が起きてしまう点で未完成。ヒトの受精卵に応用するような段階ではない。論文の結論部分も、やる前からわかっていたはずの内容だ。科学的にも倫理的にも、問題の多い論文と言える」と話す。

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当然、大手の科学誌は倫理的な問題で却下されるでしょう。


様子を見ていると、世界の科学者が異議を出してきました。


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ヒト受精卵の遺伝子を「編集」、中国研究に世界の科学者が異議
AFP=時事 4月24日(金)16時19分配信


【AFP=時事】ヒトの受精卵の遺伝子を編集したとする研究論文が、中国のチームにより発表された。この未開拓の科学分野における突破口となる論文だが、世界各国の科学者からは、物議を醸しているこうした研究の中止を求める声が、改めて上がっている。


 英科学誌ネイチャー(Nature)のニュース記事が22日に最初に報じたこの論文は、中国・広州(Guangzhou)にある中山大学(Sun Yat-sen University)で遺伝子機能の研究を行う黄軍就(Junjiu Huang)氏の研究チームが執筆し、ほぼ無名のオンライン科学誌「プロテイン・アンド・セル(Protein and Cell)」に投稿したもの。


 論文でチームは、不妊治療院から入手した受精卵のゲノムを改変する実験の詳細を記述している。使用された受精卵は、2つの精子を受精したことから染色体の数が通常の受精卵より1組多く、生児出産が不可能なものだった。


 ネイチャー誌の記事によると、研究チームが行ったのは、死に至る可能性もある血液疾患「βサラセミア」の原因となる遺伝子を「CRISPR/Cas9」と呼ばれる遺伝子編集技術を使用して修正する実験。


 欠損しているDNAを置き換える分子を86個の受精卵に注入し、効果が表れるまで48時間待ったところ、生存したのは71個だった。うち54個を検査した結果、28個で遺伝子の接合に成功し、そのうちのごく一部で代替遺伝子が含まれていたことが確認された。


 ネイチャー誌の記事で黄氏は「正常な受精卵でこれを行う場合、100%(の成功率)に近づける必要がある」「だからわれわれは中止した。未熟すぎる段階だと考えている」と述べている。

 より大きな懸念材料は、実験の過程で「驚くべき数の」意図していない遺伝子変異が生じたことにある。これは、マウスやヒトの細胞を使用して行われたこれまでの遺伝子編集研究で見られた割合をはるかに上回るという。


 こうした遺伝子変異は有害である可能性もあり、中国のチームが研究を行っているとの噂が今年流れ始めて以降、科学者らの間で懸念を生んでいた大きな理由の一つとなっていた。


 こうした研究に対しては、将来の世代に未知の影響をもたらす可能性や、望ましい特徴を持つように人間を改造することで新たな優生学の時代を切り開く恐れがあるとの批判の声が上がっている。


■安全性や倫理上の懸念


 AFPに宛てた電子メールによると、ゲノム編集など開発途上の治療法に重点を置く生命科学分野の200以上の企業や研究機関などを代表する国際組織「再生医療連盟(Alliance for Regenerative Medicine、ARM)」は、今回の論文発表を受け、こうした研究の中止を改めて呼びかけた。


 ARMは声明で、「ヒトの生殖細胞のDNAの修正には、安全性や倫理上の重要な意味合いがあると考えられることから、こうした研究は非常に時期尚早だ」と指摘。「世界全体でこの種の研究の自発的な停止を求める」と述べている。


 ネイチャー誌の記事によると、中国では他に少なくとも4研究チームが同様の研究を行っているとみられている。


 研究論文が間もなく掲載されるとの噂が今月流れ出した際には、一部の科学者らが研究中止を求めた一方、ある種の病気や疾患の治療に役立つ可能性があるかを見極めるため、基本的な研究は継続すべきとの意見も出されている。【翻訳編集】 AFPBB News

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Nature誌の記事が確かならば、厄介なことになりそうです。


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