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原発比率20~22%に落ち着いたようです。


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エネルギーミックス 原発比率20~22%に
4月23日 18時13分 NHK


2030年時点の電力需要をどのような電源で組み合わせて賄うかを決める、いわゆる「エネルギーミックス」について、経済産業省は、原子力発電の比率を「20%から22%」と原発事故前よりも低くし、太陽光などの再生可能エネルギーを「22%から24%」とする方針を固めました。


経済産業省は、2030年時点のエネルギーミックスを示すため、ことし1月から有識者会議を開き、取りまとめに向けた議論を続けてきました。このほど経済産業省の素案の内容が明らかになりました。


それによりますと、焦点となる原発の比率については、原発事故が起きたことを踏まえて、事故前の28%余りから引き下げて、「20%から22%」と幅を持たせて示す方針です。


これは原発事故後、火力発電への依存が高まり、増えている燃料費の負担を減らすとともに、温室効果ガスの削減を進めるためには一定程度原発を稼働させる必要があるとの判断からです。この原発の比率には、既存の原発が運転を再開する一方、先月、廃炉が決まった5基に加えて、さらに一部の原発が廃炉になることが計算に入っています。


一方、太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、平成25年度で10%余りだった比率を「22%から24%」と2倍以上に増やす方針で、2030年には原発の比率を上回ることになります。

経済産業省は、今月28日に有識者会議に素案として示したうえで、与党との調整を進め、温暖化対策が話し合われる6月のG7=先進7か国の首脳会議までに策定したい考えです。

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ここまでに至るまではさまざまな議論がなされていました。


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温室ガス目標、調整大詰め 経産省「20%台前半」・環境省「後半」
2015年4月22日05時00分 朝日新聞デジタル


 2030年の温室効果ガス削減目標について、調整が大詰めを迎えている。経済への影響を心配して現状からの削減を20%台前半に抑えたい経済産業省と、20%台後半でないと国際的な責任を果たせないとする環境省で意見が相反しており、官邸を交えて最終判断する。政府は近く原案を示し、安倍晋三首相が各国首脳と会談する6月のG7サミットまでに正式決定する。


 ■月内にも政府原案


 政府内では、温暖化対策を手がける環境省と、エネルギー政策を担当する経産省に加え、国際交渉を担当する外務省が削減目標のとりまとめに関わっている。


 経産省では、国内の温室効果ガス排出量の4割を占める電力部門の電源構成の議論が佳境を迎えている。今のところ、原発は震災前より減らして20~22%、再生可能エネルギーはそれを上回る21~23%で調整中だ。発電コストが安いとしている原発や石炭火力などの「ベースロード電源」は6割程度としていたが、発電時に二酸化炭素(CO2)排出量が多い石炭火力を減らし、その分天然ガス火力を増やす。これらの考えに基づくと、温室効果ガスの削減量は20%を超える程度になるという。


 一方、環境省は、これまでに削減目標を提出した欧州連合(1990年比40%減)や米国(05年比26~28%減)など他国との比較から、高い目標を掲げるべきだと主張。閣議決定もしている「2050年80%減」を目指すためには「30年に29%減」が必要と試算する。


 削減の基準となる年でも溝がある。経産省は東日本大震災後にエネルギー構造が変わったとして、これまでの05年から、直近の13年に変えることを主張。これに対し環境省は「基準年を変えることで国際的な信頼を失うことの方が影響がある」と反対している。


 両省の数字は安倍首相に報告済みだ。国民の中で議論のある原発比率や電気料金への影響といった国内事情に加え、国際社会の動向も踏まえ、どの程度の目標値にするか、最終判断する。ひとつの数値に絞り込まず、幅を持たせた目標となる可能性もある。月内にも政府原案を公表し、6月にドイツで開かれるG7サミットで安倍首相が各国首脳に説明する。


 地球温暖化対策の新たな枠組みを作るために、世界は年末にパリで開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)での合意を目指している。COP21に先立って、各国は2020年以降の温室効果ガス削減目標案を事務局に提出することになっている。3月末が先進国に求められた目安で、欧州連合や米国などが提出しているが、日本は間に合わなかった。


 ■最適目標へ試算様々


 「G7サミットまでに野心的な目標を発表すれば、日本は再びリーダーグループに入ることができる」


 21日、都内で開かれた欧州連合代表部と加盟各国大使館の気候変動セミナーで、ヒッチンズ英国大使をはじめとする各国大使が口をそろえた。


 日本にふさわしい削減目標はどのぐらいなのか。各研究機関やNGOが試算や評価をしている。


 経済界がお金を出す「地球環境産業技術研究機構(RITE)」は、エネルギーコストを減らすためベースロード電源比率を6割と設定。原発比率を20%程度とした場合、30年の温室効果ガス削減量は05年比10%程度にとどまった。15%削減に近づけるなら原発比率を25%に高める必要があるとした。


 経産省系の財団法人「日本エネルギー経済研究所」は、電源構成に応じて四つのシナリオを提示。「05年比26%削減」に近いものが望ましいとしている。


 これに対し、環境省所管の国立環境研究所は原発の再稼働を見込まなくても「05年比30%削減」が可能とする試算を今月8日に発表した。


 各国の削減目標を格付けしている世界の四つの研究機関で作るNGO「クライメート・アクション・トラッカー」は15日、一部報道で日本の削減目標が「13年比20%減」とされたことについて、「ほかの国が日本と同じ削減レベルなら今世紀末の気温上昇は3~4度になる」として、「全く不十分」と評価した。

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まぁ、いろいろと問題を含んでいるわけです。


ソーラー発電を拡大しても、電力の安定供給のために火力発電が必ず付きまとうので、温室効果ガス削減のメインには難しく、インフラも追いついていないという状況で、いますぐともいきませんし、拡大すれば拡大するほど電気代が高くなる可能性が出てきます。


まぁ・・・難しいですね。


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CO2削減、原発の効果は?
2015年4月22日05時00分 朝日新聞デジタル


 発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しない低炭素なエネルギーである原子力。政府は、温暖化対策の「切り札」と期待をかけてきた。ただ、思うような働きはしてこなかった。


 原発は、CO2排出の多い石炭火力を代替すれば、1基あたり日本の温室効果ガス排出量を0・4~0・5%程度引き下げる効果があるとされる。天気や昼夜を問わず安定して発電が可能なことから、昨年4月のエネルギー基本計画では「重要なベースロード電源」と位置づけられた。


 「事故で感情的になって、原発を否定的に見過ぎるのは間違いだ。CO2も削減できる」


 今年3月30日に開かれた経済産業省の電源構成に関する審議会で、山名元・京大教授は原発の効用を説いた。


 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、世界の気温上昇を19世紀の工業化前と比べて2度未満に抑えるには、2050年に低炭素エネルギーの割合を現在の3割から8割に引き上げる必要があると指摘した。太陽光や風力、水力などと並び、原子力は候補の一つだ。


 しかし、国内では、原発をあてにし過ぎてつまずいた過去がある。


 03年度の原発の稼働率は、80年度以来初めて60%を下回った。前年の「トラブル隠し」の余波で、東京電力の原発全17基が、緊急点検のために停止したからだ。07年には新潟県中越沖地震で東電の柏崎刈羽原発7基が止まり、再び60%台に低下した。11年3月には東日本大震災が発生し、動いていた原発は順次止まっていった。11年度の稼働率は23・7%、12年度は3・9%、13年度は2・3%と徐々に落ち込んだ。原発ゼロの状態は1年半以上も続いている。


 これまでの政府の温室効果ガス削減目標は、原発の現実離れした建設計画の影響を受けてきた。京都議定書を受けた98年の地球温暖化対策推進大綱は「10年までに原発20基新設」に基づいていた。00年以降に設置許可が出た原発は4基だけだが、民主党政権の「20年に温室効果ガス90年比25%減」も「20年に9基、30年に14基以上新増設」が前提だった。


 原発の設備容量は90年以降、震災前までに5割以上増えた。この間、基準年だった90年度のCO2排出量11億5400万トンを下回った年は一度もない。石炭火力が設備、発電量ともに3倍以上になり、原発による削減効果を打ち消したためだ。複層的な温暖化防止の対策が求められている。(編集委員・石井徹)

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再生エネ、各国の目標をみてみましょうか。


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再生エネ、各国の目標は?
2015年4月23日05時00分 朝日新聞デジタル


 「温室効果ガスの排出量を2030年に1990年比40%削減するために、エネルギー供給に占める再生可能エネルギーの比率を少なくとも27%に引き上げなければならない」。欧州委員会のカニェテ委員(気候行動・エネルギー担当)は3月、ブリュッセルでの会合で呼びかけた。電源に占める割合だと45%になる。


 国連環境計画(UNEP)は、昨年の世界の再生エネへの投資額が前年を17%上回る2700億ドルに達したと発表した。新たに建設される発電所の半分近くは再生エネが占める。設備容量では、すでに原発を抜き、実際の発電量でも原発のほぼ半分まで来ている。


 再生可能エネルギーは、人間が消費する速度以上に自然現象によってもたらされるエネルギーだ。化石燃料のように枯渇する心配はない。温暖化の原因である二酸化炭素(CO2)を出さない低炭素エネルギーとして期待が高い。


 欧米は、意欲的な目標を掲げる。電源比率は、20年時点が、英国31%、スペイン40%、デンマーク51・9%。30年時点は、ドイツや米国カリフォルニア州が50%だ。


 先進国だけではない。今月ドイツを訪問したインドのモディ首相は「今後7年間に1億7500万キロワットの再生エネを導入し、気候変動に立ち向かう努力を高める」と宣言。中国は、すでに1億キロワットの風力を導入した世界最大の風力大国だが、20年までに倍増させる勢いだ。世界では、もはやエネルギーの主役になっている。


 一方の日本。13年度の再生エネの発電量は2・2%、水力を含めても10・7%にとどまっている。現在、30年の電源比率をめぐって政府内で調整が続いているが、先進諸国と肩を並べる目標にはなりそうもない。


 産業界を中心に「天候まかせであてにならない」「電気料金が上がって国民負担が大きくなる」など否定的な意見が根強い。変動電源でも大量に導入するための技術開発が進められ、コストも年々下がっている。風力は、最も安い電源の一つになりつつある。日本でも導入をさらに進めるならば、社会の理解と政策的な後押しが必要だ。


 地方では、温暖化防止への効果に加えて、雇用の増加などの地域活性化や防災の面での期待もある。

 20日に都内で開かれた全国知事会で、神奈川県の黒岩祐治知事は「20%程度なら地方創生にまったくつながらない。35%は必要だ」と訴えた。(編集委員・石井徹)

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地球温暖化問題についてはNature誌も昔から取り上げており、姉妹誌まで出しているので、Natureでは問題としているところは主にニュースであがっって来ます。


何はともあれ、4℃を超えないことを祈ります。


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