執金剛神・仁王(2) | Just One of Those Things

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執金剛神・仁王 』より。



執金剛神(しゅうこんごうしん)・仁王(におう)のわが国・日本の信仰をみてみると、独尊・阿吽一対(あうんいっつい)の両様が伝わっており、しかも古くは執金剛神と金剛力士が別個のものと考えられた時代がありました。


これは奈良・東大寺法華堂(ほっけどう)に安置された諸仏のうちに、同じ天平時代に造像された独尊形式の執金剛神像と阿・吽一対の金剛力士像が存在することからもうかがえるでしょう。



しかしながら、わが国では執金剛神に対する信仰はあまりなかったようで、東大寺法華堂像を除くと、鎌倉時代に仏師・快慶(かいけい)によって同像にならった京都・金剛院像寺が知られるにすぎません。



一方、金剛力士像は、東大寺法華堂像に先行する現存最古のものに奈良・法隆寺玉虫厨子(たまむしのずし)の正面扉絵(飛鳥時代)があり、以降、各時代を通じ各地で盛んに造像が行われました。


そのなかには、鎌倉時代の傑作とされる東大寺南大門像も含まれています。