天の役割 | Just One of Those Things

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Let's call the whole thing off

天部 』より。



仏(如来)・菩薩・明王が、いずれも衆生を悟りの世界に導くことを使命とするのに対し、天部に属する諸尊は、第一に仏法を護持し、仏法を護持する人々或いは仏法護持を歩む人々を妨げようとする外敵から守る「護法神」としての性格を持ちます。或いはそれと同時に、そのように歩む衆生を歩みやすいように導く役目もあります。


第二に現世利益的な「福徳神」としての性格も有していますが、これは(物理上の理論ではなく、経済的な性質を含んだ)民間信仰です。



このうち、護法神的な性格については、仏教成立に際して在来の神々を取り込んだ折、これらが本来、仏教以外の外道(異教)の神々であったため(知識や技術やノウハウも違うことから)、仏教の中に再編成されていく際に、仏教の中心的な尊格として扱うのではなく、むしろ、その周辺に置かれて、一段低いランクの扱いを受けたことによります。


このことは、現図胎蔵界曼陀羅において、「天」に属する諸尊が曼陀羅の周辺部である「最外院」に配されていることに端的に現れています。


一方、後者の福徳神としての性格については、仏教に取り込まれる以前に、その神々が持っていた性格がそのまま引き継がれたものでもあります。