『冠婚葬祭より、「葬」の常識 』より。
今回は、弔問と対応のマナーについての話です。
臨終を知らされたときは、近親者(血族)、親戚(近い姻族)は、何をおいてもすぐに駆けつけて、まずお悔やみを述べ遺族を慰めます。
そのまま喪家にとどまって手伝いが出来るなら遺族に申し出ますが、人の手が足りているようなら、お悔やみを申し上げるだけにして御焼香し、すぐに辞去します。
服装は、この段階では地味なものなら何でもよいです。
故人の霊を慰めるために、花輪や生け花。供物などを葬儀社に依頼し届けることも出来ます。
香典は、故人の霊を供養するお香や花などの供物に代わる金銭です。
表書きは宗派により違いますが、「御霊前」ならどの宗教にも使えます。
香典を持参する時期に特別な決まりはありませんが、通夜の時がよいでしょう。通夜に出席しないのなら、告別式のときに持参するようにします。
香典を用意して行った場合、受付があればそこで名刺を出すか記名をして、香典を差し出します。受付がなければ、遺族にお悔やみを述べ、霊前にお参りをし、香典は祭壇に供えます。
香典を入れる香典袋は市販されているもので十分です。
香典やお供えの品を受けるとき、喪家側としては「ありがとう」という言葉を使わないのが慣わしです。
花輪や生花をささげた場合は、香典を持参する必要はありません。
通夜に参列する一般の人は、知らされた時刻の十分前、遅くとも僧侶の読経の前に到着するようにします。
喪主や遺族は、弔問客を玄関まで出迎えません。
また、弔問客が帰るときは、席を立たず黙礼して見送ります。
通夜の後には通夜ぶるまいがあり、弔問客はこれを断らないのが慣わしですが。あまり深い交際のない人は。僧侶の退席を機会に辞去してもよいでしょう。
本来、葬儀は遺族と近親者だけの参列でしめやかに行われるものでしたが、葬儀・告別式を続けて行うようになったために、一般の会葬者も葬儀に参列するようになりました。
葬儀・告別式に参列するときは定刻よりやや早めに到着して、読経の最中に遅れてはいるようなことは慎みましょう。
受付では、係りの人に挨拶し、芳名帳に住所と姓名を書き、その場で香典を出します。すでに香典を供えてある場合には記帳だけにします。
受付に着くまでに、帽子やコートは脱いでおきます。
告別式が終わると、棺は火葬場へ向かいます。遺族と親族は霊柩車と火葬場へ行きますが、一般の会葬者も、できるだけ出棺を見送るように心掛けたいものです。