とりはじめに、「葬儀についての心得」のお話をいたしましょう。
心臓が止まり意志が臨終を告げても、全身の細胞がすべて死滅するまでは完全な死ではありません。
心臓の細胞の最後の一個が働きを止めるまでには約二十四時間かかります。
臨終から火葬まで一昼夜以上置かなければならないのはこのためです。
たいていの場合、遺族は気も動転し取り乱してしまいますから、親戚や会社の人、近所の知人など葬儀の経験豊かな人に世話役(葬儀委員長)になってもらい、その人と遺族が相談して、通夜・告別式・火葬場に至るまでの葬儀の手配一切を取り仕切るようにします。同時に、喪主を決めます。
喪主は、原則として、故人に一番近い人か、法律上の相続人がなるのが常識ですが、夫が亡くなったとき、相続人がまだ幼児である場合は、亡くなった夫の妻が喪主になるのが自然です。
葬儀には、仏式・神式・キリスト教式などいくつかの方式があり、仏式の中にも宗派がたくさんあり、それぞれしきたりが違います。
葬儀は出来る限り故人の信仰に従って行いますが、ふつうはその家の宗派に従って行っています。
遺族や近親の間で、葬儀の日取り・式場・規模などの相談がまとまったら、葬儀社への手配をします。
葬儀の日取りは対大言うあの翌日がふつうですが「友引」の日を避けて行っています。友引の日は火葬上も休みになっています。
一般的に、通夜・葬儀・告別式・出棺・火葬という順序で葬送の儀式が行われます。
通夜は、故人を偲び慰め冥福を祈るのが目的です。
一般的には、僧侶の読経に始まり、その後、僧侶、喪主、遺族、近親者、弔問客が順に焼香します。
通夜の後、通夜ぶるまいとして、僧侶や弔問客に酒・食事を出すのが慣わしです。僧侶が辞退したときには御膳料と御車料を渡します。
なお、葬儀と告別式という言葉は、よく同じ意味に使われていますが、正しくは全く別個のものです。葬儀とは故人の成仏を祈る儀式であり、告別式とは、葬儀のあと成仏した故人に最後の別れを告げる儀式です。
最近では、葬儀と告別式が続けて行われることが多くなっています。
死亡届は、意志の死亡診断書を添えて、死亡地、死亡者の本籍地、申請書の住所地いずれかの市区町村役場に提出します。死亡届が受理された後、火葬(埋葬)許可証が交付されます。