和多都美神社と海神神社(2) | Just One of Those Things

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和多都美神社と海神神社 』より。


今回は、【和多都美神社】のお話です。



対馬にはワタツミと名のつく式内社が四社あります。


すなわち、上縣郡・和多都美神社(名神大)、同・和多都美御子神社(名神大)、下縣郡・和多都美神社(名神大)、同・和多都美神社(小)・・・・。


しかし、他の式内社も含めて、中世以降、社名・神名が移動していくと、その所在が梅井になってしまうところも多くありました。そうした中で、豊玉町仁位に鎮座する和多都美神社は一貫して変わりませんでした。


すなわち、『延喜式』は「神名帳」の「上縣郡・和多都美神社(名神大)」がそれにあたります。ただし、現在の豊玉町は下県郡に属していますが、浅茅湾以北は古くは上県郡に属していました。



この和多都美神社は、対馬の中央部にある浅茅湾の入江の奥深くの海中に、海から神を迎える形で鳥居が建っています。


祭神は、「彦火火出見(ひこほほでみ)命」と「豊玉姫(とよたまひめ)命」ですが、この地は、海神・豊玉彦命の海観やがあったところと伝えられています。



ちなみに、豊玉彦命には一男二女の御子があり、長男が「穂高見(ほたかみ)命」(長野県南安曇穂高町の穂高神社の祭神)、長女が彦火火出見命(山幸彦)の后の豊玉姫命、次女がこの二人の間に生まれた「鵜葺草不合(うがやふきあえず)命」の后となり、神武天皇の母となった玉依姫(たまよりひめ)命であります。