こんばんは〜。
今日は予定を変更して緊急で記事を書いています。
時間がないので早速本題へ。
なんと私の大好きな作品である…
「仮面ライダー555」がこの度YouTubeで全話無料配信されます!!!!!!!
私が初めて見た仮面ライダー作品であり後の人生にも大きな影響を与えた555。
人間と異種族「オルフェノク」の共存
「夢」をテーマにして描かれた本作は
怪人側にもドラマを作るというヒーロー番組として最大のタブーに触れた一作となりました。
怪人(オルフェノク)に生まれ変わってしまった者達の苦悩や怪人の処遇を巡って争う人間達など「差別問題」を真っ向から描いた重厚なドラマは当時見る者に衝撃を与え
「仮面ライダー=正義」「怪人=悪」という構図を完全に廃し、善悪二元論的な単純な価値観では割り切れない物語は
『正義とは何か?そもそも人間は守るに値する存在なのか?』
『善良な怪人だからといってその存在を仮面ライダーが見逃すことは本当に正しい行為なのか?』
『如何なる理由があろうと変身という武器を用いて暴力を振ることは敵対する誰かを傷つけるという事実を消すことはできない。では何を信じ、何のために戦い殺していくのか?そしてその罪と責任にどう向き合っていくのか?』
という人の存在意義とその責任について視聴者に投げかけました。
それと同時に
『自分と他人における相互理解の難しさ』
『復讐と暴力の止まらない泥沼連鎖』
『思想を貫くことで発生してしまうエゴイズム』
『敵同士だけれども利害の一致で動く関係性』
『それとは対照的に共通の夢や思想を持っているのに立場や解釈の違いからか起きてしまう対立』
という子供番組とは思えないほど極めて難しく放送からある程度の時が経った現在でも解決が困難な問題も作劇に盛り込まれています。
これまで人間賛歌を描いてきた仮面ライダーシリーズでしたが前々年のアギト、前年の龍騎から徐々にそれは鳴りを潜めていき遂にこのファイズで『人の闇』を本格的に取り扱っており、登場人物間で繰り広げられるドラマ性に重点を置いた内容になっているのも大きな特徴。
裏切りや欺瞞、嘘に塗れた関係性、行き違いや気持ちのすれ違いによって起こる誤解、愛憎から発展してしまった殺し合い、不信が更なる不信を呼び泥沼化していく人間の末路などまるで昼ドラのようなドロドロとした生臭い人間関係を若者達の青春群像劇を通して描いていきました。
その作風故にリアルないじめや嫌がらせといった場面も多く、登場人物達の悲惨な経歴や壮絶な末路、仮面ライダーでありながら悪事を働く者が登場するなどシリアスでダークな雰囲気も際立って賛否が大きく分かれる作風となってしまい
子供には明らかに理解できないような展開や大人ですらギョッとさせられるようなエピソードも少なくなくトラウマになる描写も多々ありましたが、
それでもその壮大かつ美しいストーリーは本作の隠されたテーマである
『人が人として生き、人が人として死んでいく物語』
を完璧に描いており、放送から20年経った現在でも不朽の名作として名高い仮面ライダー作品となりました。
脚本家の井上敏樹氏は本作でなんと全話執筆を手掛けておりそのあまりの完成度の高さに脱帽させられましたね。
ちなみに井上敏樹先生はつい先日まで放送されていた暴太郎戦隊ドンブラザーズのメインライターも務められており、総集編以外全て全ての脚本を執筆されてます。
20年経ってもなおその筆は衰えないどころか寧ろより脂が乗ってるのはいささか凄いとしか言いようがありません。
またストーリーこそ子供に理解し難いものになりましたが
ギリシャ文字をイメージした仮面ライダーのデザインとネーミングは非常にクールで評価が高く、
そのライダー達が織りなすスタイリッシュでスピーディなアクションと盛り上がる熱い音楽、そして夜間の時に発揮される美しくも妖艶な発光演出によって組み立てられた特撮シーンは多くの子ども達を魅了しました。
(↑画像は私のコレクションの1つのCSMファイズギア)
ライダーの変身や必殺技に使われるガジェットのシステム周りも非常に未来的でかっこよく、特に変身ベルトである「ファイズギア」は
当時普及したてで子供の憧れのアイテムであった二つ折り式携帯電話をモチーフにしたことに加えて、英語によるクールなシステム電子音や様々なガジェットやスイッチを操作して各アイテムが連動し必殺技を放つギミックがウケてそれらを再現した玩具も高い売り上げを誇りました。
一応戦隊では既にガオレンジャーで携帯電話型変身アイテムは登場しましたが、ファイズドライバーはそれよりもずっと本格的なものであまりの人気の高さから放送終了後に大人用サイズの高額な変身ベルトが限定販売されたほどです。
やっぱり携帯電話で変身ってロマンありますね!w
そして主演の半田健人さんも本当にかっこいい。
当時は18歳の史上最年少ライダーとして大抜擢された氏ですがまだ10代とは思えないような貫禄のある渋い顔つきと狼のような鋭い目つきのマスクはとても威圧感があってかっこよく子供の時の私というか今でも私にとって憧れの存在です。
氏が演じる主人公の乾巧は少々アウトローな路線のキャラクターなのですが心はとても熱くて誰よりも思いやりのある人間(そして猫舌)
"仮面ライダー"は現在では販促の都合もあり誰でも簡単になれるという設定が多くなりましたが
本来は望まずして人間ではなくなった忌み嫌われる異形の存在。
人に戻れないという悲しみに向き合う暇もなくその力を手に入れてしまった責任として罪のない人々の自由と平和のために戦うダークヒーロー。
だからこそその悲しみを「仮面」を付けて隠し続けている。
ネタバレになってしまうので深くは話せませんが、この乾巧は石ノ森章太郎先生が描いた仮面ライダーの根源たる部分を完璧に描いていたと感じています。
元々上で紹介したライダーに変身するためのベルトも「怪人が怪人を殺すために作られた鎧」
だからこそ変身には厳しい条件が付く代物。でもそれは逆に言ってしまえば条件さえ満たせば誰でも変身可能であるということ。
全50話を通して彼の隠された生い立ちを出自を辿っていくと同時に
夢もなく生き続けている彼が沢山の出会いと別れを通して人生の答えを見つけ出していく物語でもあります。
いかがでしたでしょうか?
かっこいい仮面ライダーのデザインとメカニックで子供を魅了し、視聴者の心に訴えかけるような濃密かつ美麗なストーリーにより大人を魅了したファイズ。
放送当時こそ賛否が分かれましたが現在では幅広い世代に愛される作品となりました。
今回YouTubeで全話無料配信とのことなので、もし興味がありましたら是非観て頂けると嬉しいです。
配信形態としてはYouTubeチャンネルの「東映特撮YouTube official」で
毎週土曜日の夜9時から1週間に2話ずつ更新されていきます。
で、注意してほしいのが第1話と第2話以外はアーカイブが1週間しか残りません!
なので次の配信である第3話と第4話は3月4日の21時に配信開始され3月11日の21時には削除されます。
全50話ということもあり1週間に2話ずつということで完走に半年かかってしまいますが、それでも観ては損はないと言い切れるくらいの名作なのでよかったら見てみてください。
最後に第1話と第2話を貼っておきます。(この2本はアーカイブが永久に残る枠なので安心してください)
私はBlu-rayBOXを持ってるためもう10周近くしてますがそれでも配信と聞くとまた見たくなってしまいますねw
20周年を迎え待望の記念配信がなされたファイズ、皆さんもこの機会に触れてみてはいかがでしょうか?
あ、別に強制とかはしてないので時間がないとか興味がないとかでしたら全然スルーして頂いて大丈夫ですからね(^ ^)
それでは今日はこの辺で。アデュー
『おい知ってるか?夢を持つとな…時々すっごい切なくなるが、時々すっごい熱くなる…らしいぜ。俺には夢がない…でもな、夢を守ることはできる…!』