こども議会の導入について(一般質問の全内容①) | 栗原もとき オフィシャルブログ Powered by Ameba
12月議会で市に対して質問した内容の全文を記載しております。


①子供議会について


先日の14日に行われました総選挙ですが、結果はどうであれ、気になるところの1つとして、投票率がございます。


全体の投票率は約52% 前回より6ポイント減の戦後最低となり、流山市(55,96%)松戸市(58,42)に比べ野田市は50%を下回る47%と7区では最低でございました。21年は62% 24年は53%と国政においても政治への関心や政治離れは起こっております。


では野田の市政にもどのくらい関心があるのか?1つ図れる数値として、議会中継へのアクセスがあると考え数値を調べてみました。今年の9月からは議会中継を配信しているサイトもリニューアルされ、スマートフォンからも見れるため、利用するユーザーの視点でみれば、大変使いやすくなったと思います。


現在、生中継と録画した議会中継が配信されているわけですが、平成22年度(2010年)から今年の9月までの録画とLIVEの合算集計では、議会が開会されている、3、6、9,12の月で毎年平均して1500件前後です。録画とLIVEとでそれぞれ観覧数の数字が出ていますが、平均してどちらも大差がなく合わせて1500前後の状況です。


今年の6月議会でのLIVE中継に関しては22年度から見ると初めて1000件に到達していました。議会が開会されていない月に関しては100件前後からと格段と数字が落ち込んでいます。


野田市は有権者数が約12万人、インターネットの環境にアクセスできる人口割合が1割と低い数字で考えても平均で1500件の観覧数は本当に低い数字だと思います。


こうした関心のなさが、今年5月に行われた市議選の投票率を過去最低の(46%)を記録したのも必然なのかもしれません。野田市の場合は過去最低と言いましても、まだ高い数字で、都心部へ行けば30%切る選挙もあります。


近隣の東葛市の投票率を見てみますと、

柏市は25年度年市議選37%前回43%

流山市は23年度市議選50%前回51%

安孫子市は23年度市議選50%前回51%


近隣の松戸市に至っては、先日11月16日に行われた市議会議員選挙では37%と過去最低を記録していました。


野田市においても過去最低の投票率を辿る中、単純に考えれば、有権者2人に1人が選挙に行ってない状況は、危機的でもあると私は思います。


そして政治に関心がない世代としてまず挙げられるのは、若い世代です。この若い世代は将来の野田市を担う、大切な財産です。


その人材が政治に関心がなく、政治離れしている現状を何とか打破して行かなくてはいけません。


しかしここ最近、国会議員、県議、市議による不祥事が頻繁にメディアに露出する事態となり、若い世代が政治に失望する事態にも広がりもみせています。


国政及び地方選挙において20代の投票率が全体の投票率を下回っているというのが現状です。2012年では59.32%の全体の投票率に対して投票率は37.89%となっており、21世紀に入って以降、全体の投票率を超えたことありません。


よく「若者の投票率が低いと、政策は投票率が高い高年齢層に有利なものになりがちで、若者が損をする」という話は、選挙が行われるたびに耳にする議論でございます。


東北大学大学院 経済学 研究科の吉田教授(加齢経済学)と経済学部経済ゼミナール所属の学生が、「若者の投票率下がると新規国債が増え、高齢者に手厚く配分される」という見解から、2013年7月21日投開票の参院選前の7月12日に研究論文を発表しております。


学生が約2週間かけてデータを集め、吉田教授が統計分析を行い、若い世代の投票率の推移と政府予算の統計を分析し実証しました。(ここで言う若い世代とは20歳~49歳です。)


研究では1967年からの衆参国政選挙の年齢別投票率の推移と、毎年新たに発行される国債額の推移、社会保障の世代別配分の関係を分析。その結果、若い世代(20~49歳)の投票率が低下するに従って新規の国債発行額が増加し、社会保障支出も若い世代より50歳以上の層に多く配分されていたことが明らかになったとしています。


額に直すと、若い世代の投票率が1%下がった場合、「将来へのツケ」とも言える国債が1人あたり年額7万5300円分新たに発行され、「若い世代1人あたりの児童手当などの家族給付の額」と「高齢世代1人あたりの年金などの高齢者向け給付」の額の差が年に5万9800円拡大。


高齢者への給付が手厚くなる様子を浮き彫りにしており、この2つを合計すると、若い世代1人あたり年に13万5100円分の経済的不利益を受けるという計算になります。


そして、もうひとつ若い世代の投票率が低下して行けば、政治家が掲げる政策にも影響し、その結果若い世代に不利益を生み出す事にも繋がっていくと考えます。


国政の選挙の場合、多くの有権者は、自分の生活や環境が良くなるような政策を掲げている政治家に投票する場合が多く、政治家は自身の政策を多くの有権者がいる世代に絞って掲げます。


若い世代の投票率は低く、高齢者の投票率が高い現実の中では、政治家は自分に多く投票してくれる高齢者の希望を叶えるように動いてしまうのかもしれません。


全ての政治家がそうではありませんが、選挙で当選しなくては行けない状況の中で、投票率が低い若い世代へ向けた政策を掲げるよりも、投票率が高い世代への政策を掲げる事が得策なのは、仕組みとしてご理解頂けると思います。


実際、社会保障を見ましても、高齢者ほど手厚く保護され、若い世代ほど受けられる保障は少なくなっています。若い世代が選挙に行かないおかげで、みずからの首を絞めるような状況を作り出している事も事実です。


「どうせ選挙にいっても変わらない」

「選挙にいっても意味がない」


私も立候補した市議会議員選挙の際に、何度も若い世代の方から耳にした言葉です。
しかし、選挙に行っても意味が無いどころか、選挙に行かないことによって、若い世代の生活は増々不利になっていきます。政治に若い世代が参加し、投票率が向上し、政治家に多くの票が集まれば、若い世代のために政治をするようになる部分もあるはずです。


野田市は人口の3人に1人が60歳以上の高齢化社会に突入し、投票率が高い世代の票もこの先減って行きます。少子化により若い世代の有権者も減って行きます。さらに若い世代の投票率が下がっていけば必然的に過去最低の記録をこの先更新していく流れとなってしまいます。


ではどうすれば投票率を上げる事が出来るのか?これは今後の野田市の課題でもあるとともに日本全体の課題であると思います。一番簡単な方法としては候補者が増えればそれだけで上がる可能性もあります。選挙の争点に市の大きな問題や関心ごとがあれば尚更です。


そして、私達議員の活動からも政治に関心を持たせることが出来るはずですし、私もHPやFacebook、ブログなどで日々の議員活動を発信しております。しかし現状ではそれがどう投票率に結び付くのか、図る事ができませんし、それだけでは限界があるのかもしれません。


ただ、私達議員の活動を通して、野田市の政治に関心を持ってもらうよう、日々の議員活動や市議会の仕組み、議会改革の状況など可視化して情報発信をして行く事も必要なはずです。


これから予想できる未来を避けるために、若い世代や子育て世代、こどもの教育、こどもの社会参加、定住者を保ち転入者や交流人口を増やす取組みに私は注力していく考えの中で、


野田市の未来を担う子供達に教育の面からも、自分が住む街の行政の仕組みや市政に対しての興味や、関心を持たせるきっかけとして、また、若い世代が政治へ参加していく、意識の底上げができる可能性を秘めた取り組みとしても子供議会の導入が必要と考え提言させて頂いております。


さてこのこども議会ですが、1980年代から見られるようになり、当初は各自治体等の記念行事として実施されるケースが多くを占めていました。しかし1994年に政府が児童の権利に関する条約を批准し、こども権利条約第12条の意思表明権の実現機会を提供するため全国の地方議会で子ども議会が開催されるようになっていき、一部の議会では継続的に実施されるようになっております。


この第12条の「意見表明権」ですが、これは、子どもが自らの目標を選び、それに向かっていくことができるよう、知識や技術を身につけるという行動を保障するものです。


そして、地域での具体的な活動を通じてその目標に取り組むことで、子どもは「自分は地域の中で大切にされている」という意識を持つことができ、自分の住むまちを居場所として感じられる事につながります。こうした取り組みには、活動を通じて子どもが「社会参加」という民主主義のプロセスを実践し学ぶことができるというメリットもあります。


※批准とは
既に全権代表によって署名がなされた条約に拘束されることを国家が最終的に決定する手続きである。通常は議会の同意を得て元首等が裁可あるいは認証、公布などを行うことにより成立し、締約相手国と批准書を交換したり国際機関に批准書を寄託することによって国際的に正式確認される。


野田市でも記念行事の際の開催や、関宿では平成10年から13年まで行われていたと聞いています。近年、地方自治体による模擬議会としての開催も増加してきている傾向にある中、どの位の自治が行っているのか調べてみますと、


☆全国町村議会議長会の情報(調査期日7月1日)
平成21 年 7 月1 日~22 年6 月30 日
941 町村議会(757 町議会、184 村議会)
開催122 開催していない819

平成22年 7 月1 日~23 年6 月30 日
932 町村議会(749 町議会、183 村議会)
開催109 開催していない823


☆全国市議会議長会の調査では22年度から25年度

平成22年1月1日~12月31日 
茨城県9市、埼玉県13市、千葉県11市
142市で開催-11市=131市
女性議会4市 高校生議会2市 大学生大学院生1市(越谷市)成人議会1市(沼津市)見学会1市
公益社団法人青年会議所1市(鳥取県よなご市)若者議会1市(鳥取県)

平成23年1月1日~12月31日
茨城県7市、埼玉県12市、千葉県15市
144市で開催-14市=130市
女性議会10市 高校生2市 成人議会1市 商工会議所青年部1市(岐阜関市)

平成24年1月1日~12月31日 
茨城県9市、埼玉県13市、千葉県13市
155市で開催-7市=148市
女性議会2市 高校生1市 議場見学2市 職員採用試験(徳島県阿波市)成人議会1市

平成25年1月1日~12月31日
茨城県8市、埼玉県16市、千葉県12市
162市で開催-8市=154市
女性議会4市 高校生3市 成人議会1市 


また、平成24年に千葉大学 倉阪研究室 教育分科会が政策フォーラムで発表した資料によると、約400の自治体で子供議会を開催している、または開催した事があるとの数字もでています。少しずつですが、年々増加傾向にある状況でもあります。


子ども議会の実施形態や審議内容については実施する目的は自治体ごとに様々で、子どもに対する議会体験のプログラムとしての実施もあれば、子どもの社会参加や発言権を具体化するための実施もありますが、違いはあるものの、議会・行政の意義やしくみを理解してもらうことを目的に、街づくりや教育行政など児童生徒に身近なテーマについて、一般質問形式で首長や教育委員会に質問・提案するといった形式が多く見られるようです。


ではこども議会の目的はなんなのでしょうか?


子ども議会の目的は、大きく分けると2つあると考えます。一つ目は成人後責任ある市民として、権利や義務を正しく理解し、社会参加するための基礎教育 で、二つ目は「子どもの権利条約」にある「意見を表明する権利」を具体化する場の確保です。


「未来を担う子どもたちが皆幸せに、そして責任ある大人になってもらいたい」、「自然
がたくさんあるこの野田市でいきいきと生活し、自分の可能性を最大限伸ばして欲しい」、「まわりの人と信頼しあえる関係を大切にし、健康で個性豊かに成長して欲しい」ということも、このまちで暮らす私たち大人の共通の願いでもあります。


こうした願いを明文化し、世界中の子どもが持っている権利を守る規範として、国連では平成元年に「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」が採択され、日本も平成6年にこれを批准しました。


ここでいう権利とは「人権(human rights)のことであり、「子どもは人間としての尊厳をもつ社会の一員として扱われるべきである」という意味でございます。


子どもが一人の市民として、まちづくりの視点から市に意見表明を行う「子ども議会」も、その延長上にある取り組みと考えています。


こういった観点からも、私は、この議場を使い、1年に1回はこども議会を開催して頂きたいとの思いから、今回一般質問させて頂いております。今ご説明させて頂きました内容も含め教育長の見解を伺いたいと思います。


また、千葉県では、県議会の議場を使っての県内の中学生を対象としたこども議会が開催されているようです。導入された経緯や野田市の子供が参加するまでの過程、議会後の情報の配信方法など分かる範囲で県が行うこども議会の情報があれば合わせて教えて頂きたいと思います。


以上の内容を市に質問しここから再質問でのやり取りを行います。


詳細に関しましては野田市議会HPより録画された動画てご覧いただけます。


野田市議会HP←←クリック


シティセールスについての一般質問に続く