「50代の『いつ猫』を書きませんか?」という編集さんからの依頼で、この本ができたそうです。
新井素子さんの小説が好きで、「いつか猫になる日まで」も勿論読んでいる私。
”猫”に惹かれてこの本を手に取ったのですが・・・
やっぱり新井素子ワールド、好きだなぁ。
突然、非日常の夢の中に囚われた人々。
訳の分からない怖いモノが、その中にいる。
絶対に目を合わせてはならない。
合わせた人は悲鳴を上げ続け、現実世界で亡くなってしまう。
人々は連携し、それぞれの立場から、大切な人を守るために挑んでいく。
物語の中に何度か、
「子供達を守れなければ大人になった意味がない」という言葉が出てきます。
この本はコロナの緊急事態宣言が出る前に発売されてるから、
作者の脳裏に現在の事態は無かったかもしれないけれど、
今、この本を手に取った私は、どうしたってコロナ過と重ねてしまう。
そして、だからこそ。
今この本を読んで良かったなぁって、思います。
全く症状のない感染者からも感染してしまう、訳の分からないウイルスから、
私も子供達を守りたいと思う。
それができなきゃ大人になった意味がない。確かにその通り。
じゃあどうしたらいいのか、というところで。
人は、それぞれの考えがあり、思いがあり、行動がある。
(お前何やってんだよ!)って思うことも時にはあるけど、
何が幸いし、災いとなるかは誰にも分からない。
けれど、
1番大切なものが何か。
それを心の芯に据えておける人間でありたい。
そして、それを守るために全力を尽くしたい。
この本を読んで、私はそう思いました。
「絶対猫から動かない」って宣言したって、
いざという時には自分から動いちゃいそうだなぁ、この主人公。
でも、だからこそ共感できるし、私もかくありたいです。
いつか、猫になれるのかなぁ・・・・・私の場合。(^^;