小学生のういさんが、4人のLGBTQ+の当事者のみなさんに質問をした絵本です。
「トランスジェンダーの人は、何に困っているんですか」「ふつう、あたりまえ、ということばは、いやに感じますか」などの疑問に、オードリー・タンさん、杉山文野さん、ロバート・キャンベルさん等が答えています。優しい言葉で書かれているので、小さい子どもでも理解できるようになっています。内容も良かったのですが、私は巻末にあった、監修の松中権さんの言葉が、特に印象に残りました。
「みなさんのお子さんや家族、友だち、職場の仲間などが、『LGBTQ+の当事者なのかも?』と思ったとしても、クローゼットの扉を無理やりあけないてください。本人が自分自身と対話し、自分の気持ちを整えて、自分のペースで、自分のタイミングで、扉をあける準備をしている時なのかもしれません。また、性のあり方は、ひとりひとりが違うだけでなく、ひとりの人生においても変化するとも言われています。」
確かに、カミングアウトする選択肢と同じように「カミングアウトしない選択肢」もありますよね。一番大事なことは、その人のジェンダーがどうであれ、そしてカミングアウトしてもしなくても、「みんなそれぞれ、違っているのが当たり前だし、そのままでみんなが幸せに生きていける」という世界にしていくことが大事なんじゃないかな、と思いました。まだまだ、理想と現実は離れていますが、少しでも近づけていけるように、私はこの本を図書館に置きたいな、と思います。まず、自分のできる所から…