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倉山塾東北支部ブログ

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参議院議員選挙の選挙戦も

 

いよいよ終盤戦となってきました。

 

各地で激しい選挙戦が続いていますね。

 

政権与党に対し、減税を掲げる野党が

 

戦況を優位に展開している選挙区も多いように

 

見受けられますが、そのような様は、

 

一昔前には見られなかった光景です。

 

 

国民が少しずつ政治に関心を持ち始めた、

 

そして、行動に移し始めた、ということでしょう。

 

 

自分達の現状を取り巻く環境に関心を持ち、

 

自分達の権利を守るために行動する、

 

というところは、数多くの一揆に

 

通じるところがあるように思います。

 

 

そんなときに思い出したのが、

 

天保義民事件。

 

老中・水野忠邦による三方領地替えという形での

 

転封命令に対して、庄内藩の領民が

 

反対運動を展開した事件。

 

 

大名の失政を訴える一揆が多い中で、

 

それとは反対に大名の転封に反対するという訴えで、

 

転封の理由も庄内藩には全く非のないものであったので、

 

会津・仙台・米沢・水戸といった各藩や御三卿の田安家なども

 

庄内藩に同情。

 

 

江戸南町奉行・矢部定謙の、領地替えの再吟味の具申と、

 

その調査結果が決め手となり、

 

ついに三方領地替えの決定が覆りました。

 

 

庶民の力が政治を動かした好例、

 

と言っていいのではないでしょうか。

 

 

なお、忠邦は改革失敗と不正を咎められ、

 

嫡子・忠精に家督を譲り隠居させられた上、

 

出羽山形へ転封処分となった。

 

図らずも自身が関与した庄内の隣に転封となったのは、

 

皮肉というべきか…

 

 

当時の庄内の領民たちの行動力、

 

同じ東北の民として誇らしくもあり、

 

また見習いたいものです。

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